2.視察行程にそった報告
2-1.5月14日
この日の大船渡市の視察先は、5か所の第一次集積所と1か所の第二次集積所で、懇談は、岩手県建設業協会大船渡支部と大船渡民主商工会と行うことが出来ました。
1)最初に訪問した大船渡民主商工会で、がれき処理の現況についての認識を問うたところ、「ここ大船渡市は県内でも一番がれき処理が進んでいるところ。地元にある太平洋セメントで焼却が進み、県内でも一番処理がすすんでいる。復興のための需要を見込んで住友セメントが工場を近くに建設する予定、がれき処理作業では、二次集積所では手で分けていて一定雇用にもつながっている」とのことでした。生業の再建には3/4の補助金はあっても、土地の利用計画が定まっていないことがネックだと強調されました(写真1―1、2)。
2)懇談のあと、太平洋セメントに近い二か所の一次集積所(赤崎小、赤崎中)と二次集積所を現地調査しました。
赤崎小はすでに全量処理されていて下車するまでもありませんでした(写真2)。
稼働中の赤崎中では、大きな山が校庭の一角にまで小さくなっていました(写真3-1、2)。
海岸の埋め立て地にある二次集積場では、数十台の重機が動き、ダンプが頻繁の出入りしていました。一次集積所で粗選別され、ダンプで搬入されたがれきは、木質系混合物、がれき混合物、木くずの3ラインで破砕・分別作業が行われていました(写真4-1、2、3、4)。
ここで分別されたがれきがどう再利用、最終処分されているのか、いくのかについては、現場でデータをえることはできませんでしたが、国の資料では、すでに30%が処理済みとなっています。そのためか、破砕・分別された品目の山はそれほど高くはありませんでした。
3)その後、岩手県建設業協会大船渡支部を訪問。会員の被災状況、がれき処理の現状、同業務の雇用・経済効果、復興事業での低価格入札問題など、様々な課題について意見交換しました。広域処理については、「私のレベルでは、外にもっていくとは聞いていない」というコメントがありました(写真5)。なお、この件については、市内の集積場(仮置き場)の場所を調べるために尋ねた市役所で対応された市職員(復興局)も同様の反応でした。
4)市役所で紹介された3か所の集積所を巡って、立地条件や稼働状況等をつぶさに調査しました。
1か所目は、まったく住民の目には入らない山の中に設置されていました(写真6)。
2か所目は、海水浴場として利用されていた湾奥の海辺に立地し、木材、石など分別作業がすすんでいます(写真7-1、2)。
3か所目は、河口部の位置する水田を使っていました。ちょうど廃船を解体するところでした(写真8-1、2)
岩手県大船渡市、陸前高田市における震災がれき処理状況確認のための視察報告
その2は、こちらをご覧ください。
その3は、こちらをご覧ください。
その4は、こちらをご覧ください。
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