日本共産党横浜市議団は25日、自衛隊に個人情報の提供をやめること等を求める申し入れを行いました。佐藤広毅副市長と市民局の渋谷明子局長らが対応しました。
横浜市では、2021年度から自衛官募集の対象となる市民の個人情報(氏名・住所)を宛名シールで自衛隊に提供しています。2020年度までは自衛隊が来庁し個人情報を閲覧する形式でしたが、宛名シール提供に変更しました。しかしこの変更は、市民に全く知らされないで進められました。
党議員団として自衛隊への名簿提供をやめるよう議会でも主張してきましたが、今年、除外申請があった62名以外の18歳になる市民の個人情報「氏名・住所」を宛名シールに印刷し、5月30日に自衛隊に提出してしまいました。
市は個人情報の提供を希望しない市民が‶除外申請″できることについて、広報よこはま3月1日号に申請受付のお知らせ記事を1度だけ掲載しました。また、市のホームページには「自衛官募集事務における自衛官等募集対象者情報の提供について」との表題で知らせています。しかし、これで「私には自衛官募集情報を送らないでほしい」と意思表示できるものだとの判断ができるでしょうか。
申し入れで党市議団は、そもそも、自衛隊への名簿提供のために集められたものでもない市民の個人情報を、本人の承諾もなく別組織に渡すことは、行政の信頼性が揺らぐことになると指摘。地方自治体が外部の組織に対して、住民の名簿を提供することは、住民基本台帳法にも反する行為であり、住民のプライバシー権を侵害するもので、到底地方自治体がするべきことではないと主張しました。
横浜市は、自衛隊への名簿提供は国からの「法定受託事務」としますが、あくまでも国からの「依頼」にすぎません。国の通知でも‶技術的助言である″と明らかにしています。
市の来年度の予算編成の検討が始める時期に、改めて、下記3点の具体的な改善を要望しました。
・自衛隊への名簿提供は行わないこと。
・2021年度から個人情報を提供してきたことを「広報よこはま」と市HPなどに掲載すること。
・個人情報の提供を希望しない市民が‶除外申請″できることについて、「広報よこはま」に繰り返し掲載することと併せて、HPには「自衛隊へ個人情報の提供を希望しない除外申請ができる」ことが明確に分かるような表現とすること。
・除外申請書に記入する個人情報は氏名・住所で十分であり、電話番号など不必要な個人情報の取得はやめること。
古谷団長は、子どもの意見表明権が国際的な権利として明らかになっている今、子ども達が、自らの情報を市が勝手に使っていることについて、当事者からもしっかり意見を聞くべきだと主張。また、今回の件は国に「法定受託事務ではない」ことを直接確認している。対応を改めることを検討してほしいと強調しました。
佐藤副市長は、申し入れの要望は、国に伝えていくと答えました。
申し入れの全文はこちらです。