IR型カジノは横浜の経済振興に寄与しない
横浜市議会では16日、中期4か年計画についての特別委員会が開かれ、日本共産党を代表して古谷やすひこ議員が、少子化対策、女性の活躍、高校奨学金およびカジノ問題について、林文子市長等に質問しました。
古谷議員はまず、「中期計画」は全体的にみると政府の骨太方針や日本再興戦略の焼き直しが目立つが、「国の方針・施策に忠実に実行していくというよりも、もっと市民の実情に寄り添った、公として市民生活全体を底上げしていく施策を進めていただきたい」と要求。具体的には、労働条件の改善、公契約条例の制定、子育て支援策や女性の労働支援策の拡充、高校奨学金制度の改善等を求めました。
市長が積極的に誘致を進めようとしているカジノについては、神奈川新聞が実施した世論調査で、カジノ開発に反対が58.1%、賛成が28.9%という結果がでています。また、中期計画素案に対する市民意見で反対の声が多く上がっています。一方、IR型カジノは、カジノ収益を基にして顧客を囲い込み、ホテル代、飲食費の無料提供や割引サービスで顧客を勧誘する仕組みになっており、アメリカのアトランティック・シティのIR型カジノでは、ホテル代収入の53.1%、飲食費収入の53.6%がカジノ収入で賄われています。
古谷議員は、これらの例をあげ、市長は市民のカジノ反対の声に耳を傾けないのか、カジノ収益を基にして誘客を行って囲い込むIR型カジノでは周辺地域の売り上げの減少などの悪影響をもたらすため、本当に横浜の経済振興に寄与するのかと質しました。その上で、カジノ誘致は横浜の観光都市としてのブランド価値を汚すため、カジノに横浜の未来は託せないとして、博打頼みではなくまともな経済対策を行うよう求めました。
林市長は、反対の声に対しては、これまで日本では実績がない中で依存症や青少年への影響などから心配の声が出ていると思うと答えました。また、IRで成功したシンガポールは都市部の魅力が向上してブランド価値が上がったといわれており、IRの導入はグローバルMICE戦略都市としてより一層進化していくためには有効な手法のひとつであり、横浜の持つポテンシャルを引き出して強みを生かして都心臨海部を再生するために大きく寄与すると答えました。
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