減っていく生産年齢人口を増やす施策が必要だが
大貫議員:共産党の大貫です。よろしくお願いします。
私は、2014年度の予算案の基本的な考え方をまず伺いたいと思うんですけど。その前に、新たな中期計画が2014年度からスタートするわけで、中長期の財政的な見通しですね、それを伺いたいと思います。
柏崎財政局長:よろしくお願いいたします。長期的な見通しにつきましては、昨年度25年度ですね、当初予算を発表させていただきましたときに、長期的な財政見通しということでお示しをさせていただきました。ただ、その段階で、その前の12月に将来の人口推計というものを適用しまして、いわゆる政策的な意図を加味しない、わりと単純なその推計の見通しというものを20年ということでお示しをさせていただきました。税収につきましては、なだらかな推移をたどるだろうというふうにも見込んでおりますけれども、歳出につきましてもやはり今後も現在の状況、さらに今後のさまざまなその歳出需要というものを考えますと、引き続き厳しい状況が続いていくのではないかというような見通しをお示しさせていただいたところでございます。
大貫議員:今後、中期計画ですから、それも含めて、長期的には人口との関係が大きなそのファクターになると思うんですよね。そうすると、人口が、ご存知のとおり、減っていくという状況の中で、この財政的な見通しも、その人口に沿って減っていくというふうに、私は思うんですけども、そこらへんの考え方について説明していただけますか。
柏崎財政局長:ただいまご答弁しました長期的な財政見通しの中で、当然市税収入というものを見込んでいるわけでございますけれども、とりわけ、その今おっしゃられましたその人口ということで考えますと、個人市民税というものにやはり影響があるだろうというふうには私どもも当然思っております。そこで、やはり個人市民税の長期的な推移をみますと、人口構成比のシェアが大きい30代から40代が、比較的その高所得世代である40代から50代に移行していくというようなことで増加するというものがありますが、しかしさらにその先をみますと、将来的には定年年齢である60歳以上に移行することによりまして、あの段階では36年度頃をピークに減少傾向となるのではないかというふうに、個人市民税については見込んでいたところでございます。
大貫議員:税収に関わって、市民税ですね、その中でも個人市民税っていうのは非常に大きな本市の財源になっているわけですよね。それで、ここのところの個人市民税をどういうふうに増やすかっていうのは長期的に非常に大事な観点だというふうに思っているんですけども、税制に占める個人市民税の割合ですね、過去5年間について説明して下さい。
鈴木主税部長:22年度から26年度までの市税収入における個人市民税の割合についてでございます。決算ベースで順に申し上げますと、22年度40.6%、23年度は39.6%、24年度は41.0%、25年度は決算見込みベースですが40.6%、26年度は当初予算ベースで40.3%となっています。
大貫議員:大変大きな比重を占めているわけですよね。ここをどうやって減らさないか、増やすかっていうこと大事だと思うんですけども、法人市民税との関係で、その割合について、新年度2014年度で結構ですけども、その割合、どう割合がなっているのか、お聞きします。
鈴木主税部長:法人市民税の割合を申し上げます。22年度は7.4%、23年度は8.0%、24年度は8.3%、25年度決算見込みベースですが8.5%、26年度は9.1%、7%から9%の間でございます。
大貫議員:その数字が表れているように、本市の場合には人に着目して、人の、横浜市民、ここの所得増やしていく、生産年齢人口増やさないとということは非常に大事な要素だと思うんですね。それで言いますとね、今出してもらいましたけども(グラフ1)、まさに上の出生の高いところ、ここのところの上の線のところにどれだけ政策的に近づけていくかっていうことが大事だと思うんですよね。財政局、これは政策局との関係もあると思いますけども、財政局としてこの上の線に近づけるような予算の組み方っていうのは非常に必要だと思うんですけど、何かそこらへん、考えてますか。
柏崎財政局長:先生もご承知のことだと思いますけれども、やはりその個人市民税の税収は、いわゆる年齢構成とか、経済状況等によるその収入の変動、あるいは税制改正の動向などによりまして影響を受けるというふうには考えております。しかしながら、一般的には、これは申し上げられることといたしまして、はやり納税者の数、あるいはお一人あたりのその所得、そうしたものが要因となりますので、やはりその就業者であったり、個人事業者の数であったり、あるいは給与、あるいはその営業の所得というものの増加に結びついていくような、やはり横浜の経済の活性化であったり、あるいはさまざまなその産業がこれから成長していく、そういうような姿、それから市民のみなさまが安心して生活ができる、そういうようなことを実現していくことが、われわれトータルとしては行政として求められているというふうに思っております。
高齢者、子育て世代が安心して住める施策が必要
大貫議員:私はその中で、今言った曲線ですね、上の安定型っていうか最高のとこの数字に持っていくためには、グラフに近づけるためには、予算上でもいろいろな予算の立て方があると思うんですよ。たとえばね、やっぱりここの点でいうと、高齢者が増えてくると。高齢者の福祉の問題だとかね。それから出生のためには、やっぱり若いお母さんたちが本当に安心して出産できるような施策の仕方がとかね、そういう施策に具体的に反映してこないとこの数字上がってこないというふうに思っています。この線に近づかないと思うんですけど、いかがですか。
柏崎財政局長:先ほどご答弁したことともちょっと重なる部分がございますけれども、そういう意味ではわれわれ、ある意味でやはり横浜市としてこの間さまざま取り組みを進めているものの目指すところといたしまして、やはりその働く意欲のある若い方、それから女性もそうですけれども、そういう方々たちが積極的に横浜市の中でお仕事について働いていくということができるような社会、そのためには、もちろん雇用の機会をつくるためには、さまざまな産業の活性化というようなものがあってはじめて行われるわけでございますので、そういうものをつくりあげていくことを、さまざまな面から取り組んでいくというようなことが必要だというふうには思っております。
大貫議員:まさにそのとおりだと思いますよ。次のスライド(グラフ2)お願いしたいんですが、ここで言って、おっしゃってた生産年齢人口、15から64歳ね、やっぱりここのところをどうやって増やしていくかっていうことは非常に重要だと思うんですよね。これは自然減少っていうか自然の傾向だと思うんです。それに政策的に、もし間違った部分っていうか誤った部分があると非常に問題あると思うんですね。これまで一番心配しているのは、生産年齢人口の方々が横浜から出て行ってしまうという流れがありますよね。この流れについて、やっぱりきちっと把握して、そこに対応していくことが必要だと思うんですけども、そこらへんどういうふうにつかんでいらっしゃるんですか。
柏崎財政局長:まさにその部分は横浜らしいその成長戦略というようなものが求められるところであるかなというふうに思っております。やはり生産年齢人口を定着させる、そういうふうに横浜をつくりあげていくために子育て支援であったり、教育環境の充実、あるいは先ほども触れましたが、女性が活躍できるための環境整備に取り組むとともに、やはり、しかし横浜が都市の魅力であり、あるいは価値をさらに高めていく、それから住みたい、住み続けたいというようなその都市の基盤であったり、そういうものがしっかりあって、産業も発展していく、そういうようなまちづくりを進めていく必要がトータルにはあるのではないかなというふうに思っております。
大貫議員:そのとおりなんですね。そういう予算になっているかどうかっていうことが、私、問題だというふうに思っているんですよ。それで、確かに市長は子育てだということで一生懸命やっているというふうにおっしゃってますけども、具体的に今行って、特にやっているのは、確かに保育所待機児ゼロ作戦というのはがんばってやってると思いますけどね。たとえば、小児医療費の問題どうでしょうか。これ、県下最低ですよ、その補助の率は。こういったことを考え、ここの点では市長は一生懸命やっているっていうか、その部分は本当にやってないと私、思うんですね。それから、教育の面でもどうでしょうかね。少人数学級やってませんね。他都市と比べて非常に低い。小学校だけですよ。1年生だけですよ。さらには、中学校給食、これもやってない。こういうこと考えたときに、今おっしゃってた、局長がおっしゃってた予算の使い方、立て方というのは、やっぱり大きな問題だと。そこを変えないと、この生産年齢、これが定着することにならないんじゃないかというふうに思うんですけど、いかがですか。
柏崎財政局長:市政にはさまざまな課題があるということは当然私も承知をしておりますが、とりわけこの26年度予算の中では、やはりその待機児童の解消もさることながら、さらに小1の壁といわれる小学校就学後の就労継続を支援するためにやはり放課後キッズクラブを拡充するとか、そういうような子育ての環境であったり、あるいはその就労しやすい環境づくりというようなものに全力で取り組んでおりますし、教育環境につきましても、この間、市長もご答弁してきましたけれども、さまざまな観点でそういう政策を打ち出し、やっていく、そういう取り組みをこの予算の中に盛り組んでいるというふうに思っております。
一方で、その市内経済の活性化であったり、将来の横浜の発展のためというようなことに関するその都市基盤の整備というようなものも大変重要な事業だというふうに思っておりますので、そういうものを全体の優先順位、選択と集中の中で、バランスを取りながら、厳しい財政状況にあっても、こうした予算を組み立てあげてきたのかなというふうに思っております。
大貫議員:現実には、他都市に流れているっていう姿があって、その延長線で、それで予算組まれていると、私は指摘しておきます。同時に、やっぱりこの生産年齢の問題でいえば、やっぱりその個人の所得増やしていくということが非常に重要だと思うんですね。横浜市、特に財政局ができる、横浜市に関わって個人の所得を増やすための施策っていうのは、何か考えてますか。
柏崎財政局長:私どもの役割といたしましては、一番これまでご答弁してきた中で関連いたしますと、やはりひとつは予算編成ということが当然あるわけでございますので、そういうものの中で、やはり今、先生がおっしゃられたことも含めて、さまざま市民の方からご要望いただいてますけれども、そうしたものが市民のみなさまの安全安心につながる、横浜の発展につながる、そういう予算であり、あるいはさまざまなわれわれのその資産というものを活用していく、そういうような取り組みを行っていくことによって、横浜のその発展、あるいは経済の発展というものに貢献できればというような気持ちで仕事はさせていただいているつもりでございます。
横浜経済活性化のために公契約条例の制定を
大貫議員:全体的にそうがんばっているっていうようにおっしゃってるけどね、私は、まず横浜市でできることと、ひとつとして財政局の仕事として公契約条例、これ、なんとしても実現することがまずその基礎だというふうに思いますけども、いかがでしょうか。
柏崎財政局長:公契約条例に関しましては、労働者の賃金等の労働条件ということにつきましては、企業の労使間での自主的な決定が原則という国の見解もございますほか、さまざまなご意見がございます。引き続き、国の労働政策等の動向を注視するとともに、他の自治体が行っているさまざまな取り組み等の研究を行ってまいりたいというふうに思っております。