申し入れ等
2024年9月4日

NEW!横浜市地震防災戦略見直しにあたっての提言

2024年9月4日

横浜市長 山中竹春様 

日本共産党横浜市議団 
団長 古谷やすひこ

山中市長が、能登半島地震を受けて、直ちに横浜市地震防災戦略をアップデートする必要性、実効性のある行動がとれるようにと見直しについて、早々に宣言されたことに敬意を表します。
私たちは、6月12日から14日にかけて能登半島に支援ボランティアとして赴き、被災地を視察し避難者の声も伺いました。また、7月14日には党議員団主催で「防災シンポジウム」を220名の市民の参加で開催し、多くの意見・要望を寄せていただき、学びを深めてきました。
新たな地震防災戦略の策定にあたっては、市民の皆様から寄せられた要望や意見を踏まえ、以下のポイントを強化・拡充していただくよう提言いたします。

一.地域防災拠点が、文字通り地域防災の「拠点」となるよう強化・拡充を

(1)地域防災拠点は、避難してきた被災者が心身ともに安心して過ごせ(スフィア基準を満たし)、生活再建の活力を養うことができるよう、48時間以内にトイレ・食事・ベットが避難者に十分に行き渡るような取り組み(TKB48)を進めること。炊き出しを行うキッチンカーの登録を進めること。
(2)備蓄品については、地域防災拠点が対応を想定している被災者・避難者数に見合う数を準備すること。また、地域防災拠点に置ききれない備品については拠点の近くに備蓄品の倉庫を設置すること。
(3)電力などライフラインが絶たれても冷暖房が機能するよう、体育館のエアコンは、「ガスヒートポンプ式」などを選択すること。また、スマホ等の充電に必要な十分な非常用電源の確保を進めること。
(4)地域防災拠点の運営に女性の視点が十分に入るよう取り組むこと。
(5)災害時に活用できるWi-Fi等のインターネット環境の整備を進めること。
(6)地域全体の「防災拠点」に相応しく、在宅避難されている方々(拠点に避難している方以外の住民)に向けた情報発信や物資の提供が届くように取り組むこと。全ての地域防災拠点に全方向型の防災行政無線(屋外スピーカー)を設置すること。
(7)地域防災拠点での避難訓練は、想定されている一拠点平均1,000人の避難者数と、多くが避難所に長く滞在することを前提にした内容とすること。炊き出しが行えるよう給食室等の訓練を実施すること。
(8)避難者想定数が、1,000人以上になっている地域防災拠点は、実際の運営に困難が予想されることから、地域防災拠点の数を増やすこと。
(9)ペットがいても安心して避難できるように全ての地域防災拠点でペット同行避難の受け入れが十分に進むよう市としてイニシアティブを発揮すること。対応地域内のペット数の把握を行うこと。

二.福祉避難所の抜本的な拡充を

(1)福祉避難所に避難する要支援者を、名簿で把握すること。また、個別避難計画の策定を急ぐこと。
(2)通いなれた施設で避難生活が送れることを前提とした取り組みを進めること。
(3)福祉避難所が機能するために人員配置への支援や財政的支援をすること。
(4)対象は、現在の要介護3以上という枠組みにとどまらず、福祉避難所を必要としている方が入れるようにすること。

三.市民6割が居住するマンション・集合住宅にスポットをあてた防災対策の強化を

(1)大地震がきたら長期間「トイレが使えない」、「水を高所に階段で運ぶ」など、マンション・集合住宅ならではの課題と対策を全住民の認識となるよう、マンション・集合住宅に特化した防災対策パンフレット等を配布すること。
(2)簡易トイレや飲料水など、マンション・集合住宅に特に必要な防災備蓄が進むよう、市として、必要備蓄数の目安を明確にして、財政支援を行うこと。
(3)「よこはま防災力向上マンション認定制度」の認定数を抜本的に引き上げる取り組みを進めること。

四.高齢者や障害者など要支援者に必要な情報が届く情報発信の強化を

(1)停電時にも屋内で防災行政無線の放送内容を聞くことができる防災ラジオを希望するご家庭には配布すること。
(2)携帯端末を利用した情報伝達や、自治会や集合住宅の掲示板へ文字での貼り出しなど、障害がある方や高齢の方、外国人来街者など、どなたにも容易に市や区、防災拠点からの情報が伝わるように、多様な手段での情報伝達をすること。
(3)屋内に居ても情報が伝わるプッシュ式のテレビ情報システムの個人負担について高齢者・障害者などには直接支援し利用できるようにすること。

五.水道、住宅、がけ地、道路の減災対策の強化を

(1)水道は、断水リスクが高い中での長距離管路計画は止めること。水道管の耐震化を推進すること。
(2)木造住宅の無料耐震診断や耐震補強の補助制度は、2000年以前に建築された住宅(所謂2000年耐震基準)も対象とすること。
(3)大規模盛土造成地(面積3,000平方メートル以上)が市内に3,721カ所あるが、ここへの安全対策の強化と、市が「命の危険があるがけ地」と認定した 1,364か所のうち特に危険とした86か所の早期対策を進めること。
(4)緊急車両などが入れない狭い道路の解消を進めること。

六.被災者が将来に希望がもてる復興計画を

(1)被災者の早期生活再建支援に向けて、プライバシーを守り安心のくらしを保障する住宅の確保に取り組むこと。
(2)被災した小規模事業者・中小企業の早期経営再建を支援するために融資制度だけでなく直接財政支援を行う計画をもつこと。

七.その他

(1)災害対策本部機能が失われることの無いように、津波浸水想定区域にある区役所の電源が喪失しないように早急に取り組むこと。
(2)市民利用施設での避難訓練を収容人員数の想定で行うこと。
(3)各家庭で発災後に必要な「簡易トイレ」や水・食糧などの防災備蓄が進まない背景に、ライフラインの復旧までに要する想定期間がどのくらいになるのか、住民に十分に伝わっていないことが原因と考えられる。
 市が示している電気3日、ガス2か月、上水道4週間、下水道は復旧に時間を要する(神奈川県は元禄型地震で最大132日応急復旧にかかると想定)を、全市民に知らせ、各家庭で必要な備蓄が進むよう取り組むこと。


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