白井委員:日本共産党を代表して質問をします。
委員長、スライドの使用の許可をよろしくお願いいたします。
花上予算第二特別委員会委員長:はい、どうぞ。
白井委員:まず、PCR検査についてです。
首都圏1都3県で21日に緊急事態宣言が解除されます。東京都では既に感染再拡大の予兆が出ており、現状の対策では第4波が大きく懸念されますから、コロナ封じ込めのための大規模検査はどうしても必要だと思います。予算関連質疑で無症状者へのPCR検査の実施を求めましたら、市長の答弁は、PCR検査は感染して3日目以降ウイルスが増殖した後に反応しそれ以前の無症状の状態では把握が難しい、一方で周囲への感染力を失った後も陽性反応を示すという特徴がある、そのため無症状者をつぶさに発見することは難しいというものでした。完璧な検査というものはなくて再検査で確認することができますから、この認識が誤っていると思いますが、現段階でも同様のお考えでしょうか、伺います。
林市長:PCR検査は、感染してウイルスが増殖した後に反応することや、周囲への感染力を失った後でも陽性反応を示してしまう特徴があります。そのため、スクリーニング的な検査で市民の皆様の中から感染していても症状のない方をつぶさに発見し感染予防につなげることは容易ではありません。本市においては、症状の有無にかかわらず、体調の不良や陽性者との接触があったなど不安を感じる方には必要な診療や検査が受けられる医療体制の整備を行っています。また、施設等においてクラスター化するおそれがある場合には、Y-AEIТが出動し積極的疫学調査を実施します。
白井委員:今でも全く同じお考えということなのです。また、無症状者へのPCR検査をやらない理由としてそのときに、本市で一斉に集団でスクリーニング検査を行おうとすると開始から終了まで相当な時間を要すと言われたのですけれども、全市一斉にするのではなくて、集団を決めてのPCR検査を求めているわけです。国はプール式のPCR検査や、抗原簡易キットの使用を行政検査として実施可能として、積極的な実施の検討をと1月22日付の事務連絡で求めています。都道府県や保健所設置市へ宛てた文書ですから、本市にも積極的な実施の検討を求められています。時間短縮の方法も示されているのですから、何とかして実施するのが本市の仕事ではないでしょうか。市長、伺います。
林市長:国が簡単なキットやプール方式を認めて検査の効率化を進めているのは、高齢者等の重症者の増加が顕著な状況下にあって、そのことが医療提供体制や公衆衛生体制の負荷を増大していることに鑑みてのことです。クラスターが発生しているなど感染が生じやすい集団等として高齢者施設等に対する積極的な検査を促進すべく通知されたものであり、この対象施設を拡大するなどして、すべからく施設や団体に検査を実施しようとするものではありません。なお、高齢者施設等に対する無症状者を含めた検査は、横浜市では県と連携して既に実施済みです。検査を実施することが本市の仕事ではないかとの御指摘もありますが、検査は診断するための手段でありまして、私どもは感染拡大防止に取り組み、市民の皆様の命と安全安心な生活をお守りすることが仕事です。検査体制については、安心のために陰性であることを確認したいという方を除き、現在では900を超える市内の病院、診療所等で受診していただけるようになっております。
白井委員:国の要請というのは保健所設置市へも求めているわけですから、本市の保健所長の判断でできると思います。城副市長に伺いますけれども、保健所長の判断で積極的なPCR検査を本市でできるわけですか。
城副市長:検査を実施することについては保健所長の判断でできますけれども、対象範囲については、やはりPCR検査というのは重点的に効果的にやる必要があります。その対象範囲の考え方については国の考え方に基づいて我々もやっていきたいと考えています。
白井委員:国の考え方が無症状者への積極的検査を求めているわけです。
コロナ時代に最も安全な国ランキングを発表しているアメリカのブルームバーグ通信のデータでは、日本の順位は11月に2位でしたけれども、2月には9位まで下がっています。無症状感染者対策としても大量の検査をして見つける、どこでも誰でも検査、これが世界の常識となっている中での低下と見ますけれども、副市長、世界のどこでも誰でも検査をどう見ていますか。
城副市長:世界のどこでも誰でも検査が常識であるということは、あまりそのようには思っていませんが、PCR検査でクリーンにしていくためには徹底した隔離が必要です。日本のように緊急事態宣言の中で徹底した隔離を行っていない中では、PCRというのは無駄に検査を繰り返すことになりかねないというふうに考えています。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
白井委員:ぜひ、保護をしていくという考え方に立っていただきたいと思います。国はPCR対象者、当初は症状のある人と濃厚接触者に絞っていましたけれども、医師が認めた場合や感染リスク、重症化リスクが高い人など無症状者へも拡大しました。国の要請で神奈川県が実施している高齢者施設等職員への検査、予兆をつかむための検査など無症状者へのPCR検査が実施されております。本市がいまだに無症状者からの感染リスクに目をつぶっているのは理解ができないのですが、市長に伺いたいと思います。どうでしょうか。
林市長:本市では既に県と連携して高齢者施設等でスクリーニング検査を実施しておりまして、また、モニタリング検査も国や県と実施に向けて協議中です。Y-AEIТも症状の有無にかかわらず検査を実施しておりまして、感染していても症状のない方からの感染リスクがあることは当然認識しています。なお、スクリーニング検査とモニタリング検査はどちらも症状のない方に焦点を当てた検査ですが、スクリーニング検査は感染拡大の防止を目的として、モニタリング検査は感染が再拡大する予兆を早期に探知することを目的に行っているものです。
白井委員:承知をしております。補正予算の議案関連質疑で市長は、お金がないからできないと言われましたけれども、横浜版のGo Тоの予算づけをやめて、臨時交付金をPCR検査に優先的に使えばできることだと思います。優先順位が違っていませんかどうでしょうか、市長に見解を伺います。
林市長:検査対象者の範囲については、有識者の中でも有限な資源の配分の在り方について意見が分かれているところです。これまで御答弁したとおり、横浜市では必要な方が身近な医療機関で検査を受けられる体制を整備しております。さらに、施設等においてクラスター化するおそれがある場合等には、症状の出現の有無にかかわらずY-AEIТが出動し、積極的疫学調査を実施しております。また、国、県とも連携して、繁華街等によるモニタリング検査などによりまして感染再拡大の予兆を早期に探知しております。来年度は市民の皆様へのワクチン接種も始まりますので、しっかりと準備を進めてまいります。
白井委員:意見は分かれているということですが、16日、国会の公聴会では、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の分科会の尾身会長、重症化リスクの高い場所への社会的検査は感染対策の上で非常に意味がある、定期的に続けてやるのが極めて重要と、無症状者への検査を強調されました。市長もこの立場に立っていただくことを求めておきます。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
次に、横浜IRについてです。
広報よこはまを使って3回目の広報を行われました。「民間事業者の投資により、税金を使わずにIRが整備されるんですね。」と吹き出しが書かれております。カジノ施設の面積、IR全体の延べ床面積の3%以下とありますけれども、しかし、カジノ収益でIR全体の採算を担保する仕組みという、カジノがなければ成り立たない一番肝心のことを書いていません。カジノを極めて小さく見せてカジノの本質を伝えない。あえて書かないのでしょうかどうでしょうか、市長、伺います。
林市長:広報よこはま特別号は、IRの取組を市民の皆様にタイムリーにお伝えするために発行しております。今回は、事業者公募の開始後最初の広報となるため、実施方針のポイントを中心に記載しました。なお、カジノ収益を活用したIR施設の整備運営については、令和元年12月発行の広報よこはま特別号において記載をしております。
白井委員:今回に都合の悪いことは書かないということなのでしょうか。
IR整備法は大規模で高品質なMICE施設やホテルなどの整備運営をカジノの収益で賄う仕組みですから、カジノへの集客が採算性の鍵となります。カジノ目当ての観光客が最大のターゲットとされます。2019年度の訪日観光客数の実績は85%がアジアからで、その内訳は中国、韓国、香港が上位です。中国は海外へのカジノ観光を規制する動きがあり、韓国は自国民ができるカジノとして江原ランドがあり、香港はカジノがあるマカオに接しているため、これらの国からカジノ目当ての外国人観光客の集客は望めません。事業者は日本人をターゲットとします。日本人のカジノ客で賄うということです。どうなのでしょうか、伺います。(「こじつけだ、こじつけ」と呼ぶ者あり)
平原副市長:海外のIRではカジノ施設以外にも幅広い層の人々が楽しめる施設で構成されておりまして、これらを含めて国内外の多くの観光客が訪れています。また、横浜イノベーションIRでは、日本各地の観光地へ送客する日本のゲートウエーとしての機能も実施方針で求めております。旅行先として日本の人気は高く、コロナ終息後にはインバウンド需要は必ず回復すると考えております。中国だけではなく、様々な国からの誘客が望めると考えております。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
白井委員:このイメージ、外国人がたくさん来るかのようなイメージが見えまして事実と違います。将来のことをおっしゃいますけれども、事実と違うことを書かれています。どうでしょうか、副市長に伺います。
平原副市長:今御答弁したとおりでございまして、コロナ終息後には世界のIR施設を見てもそういう状況でございますので、いろいろな国からお客様に来ていただけるというふうに考えてございます。東南アジアだけになってしまうというそこの理屈が逆に分からないところでございます。
白井委員:期待を寄せているということを伺いました。(私語する者あり)
また、広報よこはまで本市の納付金、入場料納入金という、事業収益の使い道が示されていますけれども、カジノの利用客数も収益額を示されていません。そもそもの事業効果の根拠が示されていません。それは市の実施方針にも国のIR整備法にも示されていないからです。カジノ事業の収益を活用して施策をやるとは書いてありますけれども、カジノ事業の収益をどれほど見込んでいるのか、そこを示さないのがIR事業です。事業者の利益配分に関わるからです。中国の業界紙は、コロナ禍で中国のギャンブラーはオンライン賭博に10兆円を投じたと報じています。カジノ事業者は、IRカジノよりも費用対効果が高いとされるオンラインカジノへの投資を優先させており、IRカジノに投資する余裕がないと見られています。カジノ事業者の財務状況は悪化しており、採算性は不確実です。今回の広報を正確に知っていただくものと何度も聞いておりますけれども、根拠が示されないままでは知ることもできません。どうでしょうか。
平原副市長:繰り返しになりますけれども、今回の広報よこはま特別号は実施方針のポイントを中心に記載させていただきました。IRによる経済波及効果や増収効果等については、金額も含めまして令和元年12月発行の広報よこはまに記載してございます。これらの効果については、公募の中で応募者からその根拠も含めて求めておりますので、選定等委員会の審査でしっかりと確認してまいります。その上で、区域整備計画の作成までに明確にいたしまして市民の皆様にもお伝えしてまいります。(私語する者あり)
白井委員:いよいよ事業者募集に入るという段階になっているときに出す広報に根拠が示されないのでは、事業効果の根拠を示さず投資に期待を寄せて35年間も継続運営させる、理解ができないところです。
IRは国際会議場と展示場から成るMICE施設をメインの集客装置にしています。国際会議場や国際見本市などの誘致が集客の鍵となります。コロナ禍で会議も商談もオンラインへの流れですから、誘致競争が熾烈となってハイリスクを伴います。MICE施設の規模要件は国で定められて、本市は展示場は12万平方メートル以上、または6万平方メートル以上の超巨大施設、大規模としています。国への手挙げ準備を先行させている大阪府市では2月に実施方針を修正しました。当初10万平方メートルとしていた展示場を2万平方メートルに縮小し、35年の事業期間内までに10万平方メートルとすればよしとする段階的拡張を打ち出しました。ホテルも事業期間内に段階的拡張です。事業時期は2025年春までに全面開業としていたところを2020年代後半までに部分開業として完成時期の明示がありません。既に事業者として参加資格審査通知がされていたMGM社がいるのに、この3月に他の事業者も追加募集をします。大阪府市がここまで現実的対応を迫られていることを見れば、国が求めている超巨大MICE施設の整備運営という要件は既に成り立ちません。どうなのでしょうか。
平原副市長:今御紹介いただきました大阪府市の実施方針案でございますけれども、MICE施設の条件を国の基準を超えるものと今までしておりました。今回の見直しでは、開業時に国の基準を満たした上で、それを上回る部分について後年度に段階的に整備することを認めたものであり、規模の縮小ということではありません。一方、本市では追加のRFCを実施しておりまして、新型コロナウイルスの影響や事業者等の状況を踏まえて実施方針を作成し、国の基準を求める形で公募を実施しているところでございます。
白井委員:国の整備法、破綻した要件に黙って従って国への手挙げの準備を本市がすること、いかに横浜市民に危険な方向に向かわせるか、その認識がないのかを伺いたいと思います。
林市長:日本型IRは、観光、地域経済の振興、財政の改善を目的として制度設計された国家的プロジェクトです。地方創生、再生という考え方が原点にはあるわけです。375万人の人口を抱える我が国最大の基礎自治体であります横浜市は、日本全体で今後進行する人口減少、超高齢社会の進展に伴う経済活力の低下、税収の減収等の影響が大きく表れてまいります。このため、2065年の長期財政推計では2000億円を超える収支差も見込まれております。広報よこはま特別号ではこれらの課題も分かりやすくお伝えしたところでございます。
白井委員:先ほど副市長にもう一度伺おうと思ったのですけれども、市長から広報よこはまの説明がありました。どう見ても扇動的な内容、これから生産年齢人口をどう増やすかは本市特有の問題ではないのに今から備えないといけないと、過剰に市民の不安をあおって、交流人口を増やすために横浜にIRがどうしても必要だと誘導をしているように見えまして、怒りを覚えます。
そしてスケジュールの欄を見ました。載せるべき夏の市長選挙を載せていません。国へ認定申請する前に必ず市長選挙があり、カジノノーの市長が誕生すれば認定申請はできなくなります。市長選後のスケジュールは未定なのです。それなのに未定と記載せず、あえて決定事項のように見せているのではないですか、どうなのでしょうか、市長に伺います。
林市長:区域整備計画の国への認定申請時期につきましては、政令で令和3年10月1日から令和4年4月28日と決定しております。広報よこはまでは、その期間を含めまして国の基本方針公表からIR開業までのスケジュールをお示ししました。
白井委員:スケジュールを示してあるのですけれども、まだ誘致は決まっていないわけです。あまりにも市民をだますようなこういうテクニックで今回示されたのですけれども、この事業は白紙撤回しかないと思います。
次です。上瀬谷ラインについてです。
上瀬谷通信施設跡地の利用による今後の交通事業に対応し、横浜市郊外部の新たな活性化拠点の形成に資することを目的に掲げて、相鉄線の瀬谷駅から2.6キロの上瀬谷ラインの整備が進められています。2020年度中に行う予定とされていた国への軌道法特許申請ができず2021年に繰り延べとしています。軌道法特許申請というものは誰が行うものか、説明をお願いします。
小池都市整備局長:軌道法では、運行事業者が特許申請を行うこととなっております。現在、事業スキームについて検討中であるため運行事業者の決定には至っておりません。
白井委員:決定していないと。申請が遅れている理由は何でしょうか、伺います。
小池都市整備局長:特許申請のためには、関係機関と協議をしながら具体的な構造や区域などの整備内容、さらに事業スキーム、事業採算性などについて検討する必要がございます。これらの検討に時間を要しているため特許申請の時期を変更したものでございます。
白井委員:構造とか採算性とかがまだ決まっていないということなのですけれども、構造で駅の位置のことなのですけれども、スライドを御覧ください。(資料を表示)環境影響評価方法書に示されている図です。起点は相鉄線の瀬谷駅から接続よく、地上から開削型で工事をする地下の駅とされています。記されているあたり、ここは市街化をされていて瀬谷中学校もあります。工事用地の確保は容易ではないと思います。こういう条件で申請するには無理があると思いますが、見解を伺います。
平原副市長:委員がおっしゃるとおり、新交通システムの瀬谷駅につきましては、環境影響評価の方法書の手続の中で、今スライドでお示しいただいているように、相鉄線瀬谷駅北口エリアに開削工事で整備するということを想定してございます。駅位置につきましては、相鉄線との乗換えの利便性、あるいは工事中及び供用時の周辺への影響等を考慮して検討しておりまして、最終的には都市計画手続の中で決定してまいります。これと並行して特許申請の手続を今進めているところでございます。
白井委員:駅の長さは200メートルということを聞いておりまして、駅を地上から掘るということはどう見ても無理があるのではないかと思います。
次に、採算性のことなのですけれども、跡地計画で核とするテーマパークの事業者が決まらない現段階では、将来のまちづくりまで見通した交通需要が見込めるわけはないと思います。土地利用の転換に伴い交通需要の大幅な増加が想定されるために新交通システムの必要があるとしている旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画のそのものに無理があるということです。現段階で本市として採算性の検証ができないのではこの申請には無理があるのではないですか、伺います。
平原副市長:特許取得のためには、今委員の御指摘がございましたけれども、需要予測、それから採算性について国の審議を受ける必要がございます。そのため、その時点における土地区画整理事業の進捗状況、あるいはテーマパークを核とした複合的な集客施設の検討状況などを踏まえまして、需要の整理、採算性の検証を行いまして、特許申請に必要な検討作業を進めてまいります。
白井委員:新たな公共交通網が必要となる場合があります。それは地域住民が求める場合に、その地域に不足している交通網を充実させるという観点からです。市民説明会で出されたと聞いておりますのは、この地域にバスを通してほしいというものです。計画されている上瀬谷ラインの終点には現在人は住んでおらず、駅の間隔が長いために住民が使うものとしては適しません。仮に将来需要のためとするのであれば、自由度を持った安全型の計画でなければならないと思います。地域住民が望んでいるものでもなく採算性の検証もできない計画、見直しが必要だと思います。上瀬谷ラインの計画は撤回をして、バス便の新設を相鉄バスに働きかけることを求めて見解を伺いたいと思います。
平原副市長:新たな交通につきましては、旧上瀬谷通信施設における将来的な交通需要を踏まえ、まちづくりに欠かすことができない公共交通機関として新交通システムの検討を深度化しております。バス路線の新設など地域交通に関しましては、地域からの御要望や利用者の状況を踏まえ事業者に働きかけていきたいと思います。
白井委員:運行主体も構造、位置もそして採算性も明らかにできない。現実的な判断を行うべきだと思います。
次ですけれども、その他質問として伺います。神奈川区における生活保護申請の対応についてです。
2月に神奈川区生活支援課にアパートで生活をしたいと保護申請書を持参して、生活保護の申請がしたいと意思表示をした方を受け付けないで、方向性を見いださないまま相談を終了した件について、生活支援課として反省とおわびがされました。市長も一昨日、定例記者会見で謝罪されたことを承知しております。住むところを確保したいという方にどうしてこういう対応になったのか疑問です。健康福祉局は過去の相談の再点検をするとして、各区に3月16日までに報告を求めたと聞いています。出てきた報告の数と、その中に不適切な事案はなかったのかどうか、局長に伺います。
田中健康福祉局長:神奈川区におきまして、令和2年12月からこれまでの間、生活保護の申請に至らなかった相談約811件について緊急に点検を行いました。その中で、申請の意思がありながら受理しなかったものというものは確認できませんでした。一方で、相談内容から経過を確認したほうがよいと思われるものが17件ほどあり、現在個別に電話連絡等により状況の確認を行っております。また、神奈川区以外の17区についても同様の点検を行っておりますが、結果については現在集約している最中でございます。
白井委員:3月11日には局から各区に、面接相談において適切な対応の徹底を求めるよう通知されています。それを見ますと、申請の意思を確認し、表明された場合には速やかに申請書を交付して受け付けると、このように通知をしています。これを相談に来た方に知らせていただきたいと思います。そしてホームページにも載せていただきたいと思います。局長、これは速やかに窓口に貼り出してください。できますか、どうでしょうか。
田中健康福祉局長:生活支援課の窓口に生活にお困りの方で御相談にいらっしゃる方は様々な理由がございます。また課題もいろいろございます。まずはその御相談をしっかり傾聴し受け止め、その中で御一緒に解決策、方法を検討していくということが相談の中身になります。そうした中で、生活保護も含めた様々な制度を丁寧に説明していくことが必要だというふうに考えております。その上で申請の意思のある方については速やかに申請書をお渡しし、申請手続を支援してまいりたいと考えております。
白井委員:意思のある方はいらっしゃるわけですから、申請をしてくださいということ、貼り出しをぜひすぐにしていただかなくては困ります。よろしくお願いします。
スライドを御覧ください。(資料を表示)区ごとの相談数と申請数の実績を基に、こちらで区ごとの申請率を出してみました。これを見ますと神奈川区が特別に低いことが分かりました。どうしてなのでしょうか、疑問に思います。神奈川区の申請率の低さを局長はどのように見ておられるのか、伺います。
田中健康福祉局長:区の生活支援課では、生活保護と生活困窮者自立支援の相談を一体的に受けております。今年度は、コロナ禍で生活にお困りの方からの相談は全体として増加しておりますが、住宅確保給付金の条件等が緩和されたこともありまして、こちらの申請も急増しております。こうしたことで結果として全体として生活保護の申請率は市全体としても下がっている状況でございます。特に神奈川区は住宅確保給付金の相談件数が18区中2番目と多い状況でございますので、相対として保護の申請率が低くなっていると考えております。
白井委員:神奈川区の申請率が特別に低いこと、今回の件に何らかの関係があるように思います。どうして起こったのか、区での特別な対応が行われているのではないか、再発防止には何をすべきなのか、明らかにすべきことはたくさんあります。おわびと謝罪で済む話ではありません。区としても局としても内部の調査を進めているということですけれども、第三者を入れた調査委員会で調査をするよう求めます。市長、いかがでしょうか。
林市長:検証の方法につきましては、福祉関係で児童虐待による重篤事例等検証委員会等の例もありますので、これらを参考に委員構成も含め検証の具体的な方法を検討しています。
白井委員:では、次に行きます。いよいよ4月から中学校給食が始まります。中学校給食についてです。
選択制デリバリー給食、全校実施できる唯一実現可能な方法だと聞いてきました。これまであるべき給食というのはどのようなものか伺っても市長から伺えていませんでした。長年議会請願や市長陳情として出されている要望の趣旨は、みんなで食べられる全員喫食の中学校給食です。今回、学校給食法に基づく給食をスタートさせるわけですから、当然あるべき姿を持った上でスタートさせるべきです。改めて伺います。あるべき給食とはどのようなものと考えておられるでしょうか。
林市長:中学校給食の実施に当たっては、これまで様々な御意見をいただきながら市会でも議論を重ねてまいりました。横浜市では小学校のような給食は困難でございまして、アンケート結果からも選択制は評価されているということから、全員喫食ではなく、選択制のデリバリー型給食が横浜市においては最善の実施方法と考えています。
白井委員:小学校のようなのは困難ともう諦めておられるのですが、目指すべきは小学校のような全員喫食でしょうか。市長に伺いました。
林市長:デリバリー型給食というものをぜひとも多くのお子さんに参加していただきたいというふうに考えています。
白井委員:今回もあるべき姿が聞けないというのはもう本当に残念なことです。義務教育学校の西金沢学園中学部の保護者さんに宛てた教育委員会から出した文章では給食は原則全員喫食と書かれておりまして、大変すばらしいと思います。あるべき姿というのはお聞きできなかったのですけれども、あるべき姿の全員喫食の給食を実際に実施するということでよろしいのですか、確認をいたします。
鯉渕教育長:委員のお話がありました西金沢学園ですが、市内唯一の施設一体型の義務教育学校となっております。小学部の給食室を活用した給食を令和3年度から実施いたします。
白井委員:1校のみではありますけれども、本市で全員喫食の給食が実施される。このことは横浜の中学校給食の歴史に新たなページが開かれたものだと思います。これまでの検討で約5割の公立中学校で学校調理方式や親子方式などで給食をつくることは可能だと示していますから、このやり方に切り替えるべきだと思います。やり方としては、自校に調理室を造る場合には床面積を緩和すれば可能となる学校数が増えます。また、2階建て調理室も検討できます。小学校の調理室で作るための設備の工夫も検討できます。デリバリー給食のスタートと同時に学校調理方式の全員喫食の検討も必要です。どうでしょうか。
林市長:横浜市の置かれた状況を踏まえますと、何度か申し上げているのですが、自校方式、親子方式、センター方式、また3つの方式の組み合わせでも小学校と同じような給食は実施できないという結論に至っております。そうした中で選択制のデリバリー型中学校給食が最善の方法と判断しました。本市として初めて提供する中学校給食です。安全安心で質の高い給食を希望する全ての生徒に確実に提供してまいります。
白井委員:全国的にはデリバリー型でスタートして経過して、やはり全員喫食がいいと切り替えたところ、そして切り替えに向けて努力しているところがあります。神戸市も町田市もそれが行われております。ぜひ私たちも参考にして、全員喫食の給食を引き続き求めていきたいと思っております。
以上です。