日本共産党横浜市議団は21日、今年から8区の中学校で配付されている自由社版歴史教科書に関連して、教育委員会教育長および教科書取扱審議会会長に申し入れを行いました。大貫団長、関美恵子、河治民夫、白井正子の各市議が出席し、柳下則久教育次長、漆間浩一指導部長らが応対しました。
横浜市教職員組合(浜教組)は、自由社版歴史教科書を使うに当たって、教員の指導上の戸惑いを払拭し、子どもたちの学びを保障する観点から資料集を作成し、組合員に配付しました。
この資料集に関して、市教委は、採択した教科書を必ず使用しなければならないとして、教員の管理監督などを適切に行うよう各学校長へ通知を出しました。浜教組に対しては、資料集が昨年の教科書採択を否定する内容になっており、授業の中で資料集のみを使用して指導する展開例が示され、「極めて不適切」とした警告を出しました。
党市議団の申し入れでは、この通知と警告に至る事実認識が間違っており、教員の副教材選択を制限しているため、看過できない重大な問題点があるとして、通知と警告の撤回を山田巧教育長に求めました。
また、教科書取扱審議会の運営に関して、教科書調査員、学習実態調査員を置いて専門事項を調査することや、調査の視点として教育基本法や学習指導要領の教育の目標の一部だけを恣意的に取り出したり無視したりしないことなどを、教育長および審議会会長あてに申し入れました。
申し入れにあたって大貫団長らは、資料集が自由社版教科書の使用を拒否しているものではなく、教員団体が採択の仕方に対して批判し、やり直しを求めることは組合活動の一環であり、言論表現の自由に含まれるものと指摘。通知・警告が教員の副教材選択を制約していると訴え、文書での回答を求めました。
柳下次長は「お聞きしたことを教育長に伝えたい」と答えました。
申し入れ文書は、こちらをご覧ください。
「教科書の適切な使用等について(通知)ならびに『浜教組教文ニュースNo.179 中学校歴史教科書資料集』について(警告)の撤回を求める申し入れ」
「教科書取扱審議会の運営に関する申し入れ」