昨年11月半ばに週刊誌やテレビなどで報道された横浜市会議員の「不倫スキャンダル」疑惑について、その疑惑の解明などを求める請願が8件も当該議員が選出されている栄区、緑区の住民から提出されました。同趣旨の請願は12月定例会でも出されており(2件)、この問題への市民の怒りの大きさが伺えます。
3月14日の運営委員会で採択するかどうかの審査が行われました。共産党は採択を主張しましたが、自民、民進、公明の3党によって、再び不採択とされてしまいました。傍聴者の受け入れも拒否でした。各党が表明した態度は下記の通りです。
(モニター録音を団事務局員がテープ起こし)
【自民党 (清水 富雄議員)】
議会外における議員個人の行動については、議員自らが責任を持つものであり、議会が議員個人の行動に関与すべきでなく、また一連の経緯の中で一定の責任を取っていると思われますので、議員辞職を求める必要もないことから不採択でお願いしたいと思っています。
【民進党 (麓 理恵議員)】
本件は非常に個人的な案件で議会運営に影響を与えるものではないので、議会で調査をする必要はないと思います。また議員の出処進退は議員自身が決めるものだと考えておりますので、不採択でお願いいたします。
【公明党 (尾崎 太議員)】
私的事項でありますので、議会で対応すべきでないので不採択でお願いします。
【共産党 (古谷 やすひこ議員)】
日本共産党議員団として本請願について「採択すべき」として意見表明して以下の通り理由を述べます。
本件について疑惑が出た12月の第四回定例議会で「疑惑を解明すべき」等の内容の2本の請願が出されましたが、自民党・民進党・公明党によって不採択とされました。
その結果を見て、今回は当該議員の所在する栄区から「議員としての社会的・道義的責任を明らかにし、議員辞職を勧告することを」求める7本の請願、緑区からも同趣旨の請願が一本出されました。前回は女性団体から、今回は地域からです。
前回の不採択の理由として「議会が議員個人の行動に関与すべきでない」「一定の経緯のなかで、一定の責任もとっている」「私的事項で議会が対応するものではない」というものでしたが、だったらなぜ政治倫理の規定がわざわざ横浜市議会基本条例に定められたのでしょうか?
本条例の解説に政治倫理についてこう書いてあります。「本条は、議員が、選挙で選ばれた市民の代表として、政治倫理の向上に努め、公正・誠実に職責を全うするとともに、良心と責任感を持って、品位の保持や識見の養成に努めるべきことを定めています。」ここで問われる政治倫理は、議員の公務上での振る舞いのみをのべたものなんでしょうか。そうではないはずです。
前回以降も結局、当事者からは何の説明もありません。本委員会としても今回の件が請願の指摘に当たらないとして請願を否決するのであれば、少なくとも今回の「不倫スキャンダル報道」について、横浜市の議会基本条例には違反していないことを論証すべきです。
私たち議員は、日本国憲法や地方自治法など様々な法律や条令のルールのもとで働いている特別公務員ですから、議員が率先して市民の規範となって働く姿を見せるべきだと思います。
よって本請願について採択することを重ねて呼びかけます。