市内病院におけるNICUの拡充を
関議員:日本共産党を代表し、質問します。
市民病院のNICUについて伺います。昨年、市民病院に伺ったおり、市民病院のNICUでは、1000gで生まれた新生児に対応できず、結局千葉の亀田病院に送らざるを得なかったという話を伺いました。NICUの全国的の現状について局長はどのようにみているのか、伺います。
原病院経営局長:低出生体重児を初めとするハイリスクの新生児の出生数が増加しているなかで、NICUの不足は社会的にも大きな問題であると思っております。しかし、全国的な医師・看護師の不足に伴う専門スタッフの確保や、NICUの後方病床となるGCUというんですが、新生児治療室の不足など、なかなか難しい課題も多くあるものと認識しております。
関議員:市民病院のNICUの病床数と現在の利用状況について、伺います。
原病院経営局長:病床数は3床でございます。その利用状況でございますが、本年の1月までの実績で、93.7%となっております。
関議員:93.7%という利用状況は、いつも空いていない状況だと思われます。特に、飛び込み出産といわれる患者もいると思いますが、そのような場合の対応はどうしているのか、伺います。
原病院経営局長:NICUの満床時には受け入れが困難な場合もございますが、市民病院での分娩予定のある方につきましては、事前に母子の状況等を把握できておりますので、NICUを含む全体の病床運営の中で、計画的に病床のコントロールを行い、受け入れに努めております。
看護師8名増加でNICU3床増加
関議員:ところで、市民病院には現行のNICUの3床とは別に、あと3床NICUとして利用できる部屋を確保していると聞いていますが、そうですか。伺います。
原病院経営局長:そのとおりでございます。
関議員:NICUとして利用していない理由は何でしょうか。また、現在の利用状況からいっても拡充が必要と思うんですけれども、考えはないのか伺います。
原病院経営局長:NICUの運営にあたっては、手厚い看護師の配置が必要でございますが、その基準を満たしていないため、現在はNICUとしての利用は行っておりません。拡充につきましては、今後の看護師の確保状況を踏まえながら検討してまいります。
関議員:看護師は何人必要になるのか、伺います。
原病院経営局長:NICUとして3床を増床して6床とした場合、診療報酬算定の施設基準において新たに8名の看護師の配置が必要となります。
関議員:ぜひ8名を確保して、拡充するという方向性はあるんでしょうか。
原病院経営局長:確保する状況にございません。
関議員:市民病院の役割として、「小児科」「産科」など地域に必要な医療を提供することがあげられ、現に、NICUなどは、地域からの受け入れも含め、地域に貢献していることがわかります。そこで、一般財源を増額して、市民病院も含めて市内のNICUを拡充していく考えはないのか、佐々木副市長に伺います。
佐々木副市長:21年度の一般会計予算案におきまして、緊急事業としてNICUやまたその後方病床でありますGCU,新生児治療室の整備等を行う医療機関に対して助成を行うということで、緊急対応が必要な妊婦さんあるいは新生児の受け入れを促進するということとしております。こうした取り組みによりまして、周産期医療体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
関議員:ぜひよろしくお願いします。
市民病院に開設予定の緩和ケア病床の医師を増やせ
つぎに、緩和ケアについて伺います。
みなと赤十字病院で緩和ケア病棟を運営しており、先日、みせていただきました。そこで、その評価と課題について局長に伺います。
原病院経営局長:緩和ケア病棟は、がんの患者さんなどが身体的精神的社会的な痛みを緩和する医療を受けながら、その人らしく生活ができる施設であることから、患者さんやご家族から高く評価されていると考えております。
主な課題といたしましては、本市全体で緩和ケア病床が少ないことから、入院までお待ちいただく期間が長くなることなどがございます。
関議員:市民病院では、5月に緩和ケア病棟20床をオープンすると聞いています。常勤医師が1名専任で配置されると聞いています。みなと赤十字病院の緩和ケア病棟は25床ですが、常勤医師3名です。市民病院では現在1名を確保したと聞きましたが、増やす計画はあるのか伺います。
原病院経営局長:緩和ケア内科の医師の体制について充実を図ってまいりたいと考えております。また、他の診療科の医師とも連携を強化しまして、円滑な病棟運営を図ってまいります。