見解/声明
2013年12月17日

2013年12月市会(第4回定例会)閉会にあたって

2012年12月17日
日本共産党横浜市会議員団
団 長 大 貫 憲 夫

12月3日から開催の第4回定例会(12月市会)は、本日の本会議で、みどり税継続、消費税増税関連16件、市営住宅など指定管理者の指定8件など51件の一般議案と、横浜保育室助成の拡充、小規模保育モデル整備事業等に対応する一般会計等補正予算3件、人事案件1件、総計55 件の林市長提出議案と、2件の意見書を可決し、閉会しました。
開発規制強化がないまま、市民に900円、企業には9%市民税均等割りに上乗せするみどり税は税の応能負担の原則に反する、市民の暮らし向きを見ないままの公共料金への消費税増税の機械的な転嫁は問題として、反対しました。議案関連質問は古谷靖彦議員、一般質問は荒木由美子議員、反対討論は白井正子議員が行いました。

1.前進した市民要望
補正予算で15億4000万円計上された学校施設の天井等落下防止対策は、94棟の設計、61棟の工事を行うもので、党議員団がかねてより早期実施を求めていた施策です。市内3か所の市立動物園の指定管理者は、現在財団法人緑の協会です。指定管理者制度は、指定期間があり、事業者は公募が原則です。そのために、職員の採用が期限付きとならざるをえません。市立動物園の専門的知識を有した職員が、中途で他都市に転出するなど、制度の欠陥が顕在化し、改善が急務でした。今回、動物園については、非公募も可としたことは、この要請にこたえたものです。

2.議案関連質問で、みどり税継続を徹底批判
5年間に限って市民税として超過課税されている横浜みどり税をさらに5年間延長する議案について、古谷議員は、所得に応じた課税ではなく一律に同額を課税する方式は「税の応能負担の原則」を無視していると批判。みどりの減少は買い取り資金の不足ではなく、「開発業者による大規模な宅地開発を進めたことと、本市が有効な手立てを打ちきれなかったことが原因だ」と指摘。その上で、開発業者への負担金導入や開発に対する規制強化などを求めました。市長は、開発業者への負担金は「多くの課題があり導入は困難」と答弁。
市は、消費税増税に伴い、市営バス、市営地下鉄、上下水道など16事業の公共料金等を値上げの予定です。値上げ総額は57億円です。古谷議員は、消費税増税で市民生活や市内の景気がどう変わるかの市長の認識を問うとともに、「市民の暮らし向きや経済動向を見極めることも必要だ」として拙速に値上げすべきでないと主張。市長は、消費税増税により市民や中小企業に負担が増加するのは確かと認めましたが、政府の経済対策に中小企業への支援の強化や住民税が非課税の方に対しての現金給付などが盛り込まれており、国の方針どおり「来年4月からお願いしたい」と述べました。

3.一般質問では、新市庁舎建設計画の白紙撤回を要求
今年の3月に決定された北仲通南地区での新市庁舎建設基本構想は、賃貸床や現庁舎(行政棟・市会棟)跡地の賃貸料を建設資金の返済に充てるため、コスト面で最も優れたものとしていました。今回、市は、新市庁舎建設基本構想にあった賃貸床等を整備しないことに変更しました。荒木議員は、賃料収入がなくなることによって北仲通南地区建設案の優位性が喪失したとして、「基本構想そのものを白紙撤回し、最小限の資金計画でできる計画に考え直すべき」と、また、2020年の東京オリンピックに向けて前倒して建設をすると市長が発言したことに対して、「オリンピック関連施設の建設ラッシュと重なり建設費が高騰するだけでなく、単年度当たりの建設負担も増加する」と指摘し、「外国要人の招待と市のプレゼンのためというのでは、市民の理解は得られない」と主張。市長は、より具体的に整備方針の検討、規模や事業費を精査したうえで、収支シミュレーション等について見直しを行ったもの、東京オリンピックはMICE都市横浜を世界に発信する絶好の機会、わかりやすさ、働きやすさ、災害時の危機管理機能の強化などの視点からも新市庁舎の早期整備は必要と述べました。計画の大幅変更であり、市民の意見を聞くべきとの荒木議員の提案には、市長は「基本計画策定に向けて精査した上で、改めて市民意見をきく機会を設ける」と応じました。
他会派では、恒例ともなった自民党の大規模開発推進を迫る質問に加えて、民主党議員が自民党の同じ主張を高速道路、港湾、新市庁舎で行ったことが特徴でした。迎合的な答弁をする市長の姿から市政の自民党化は明白です。

4.請願・陳情等について
約33万署名による学童保育の改善を求める請願をはじめ、中学校給食の実現、保育予算拡充など切実な市民要求を反映した請願について、日本共産党は、常任委員会と本会議で採択を主張しましが、自民、民主、公明などによって不採択とされてしまいました。
安倍政権への傾斜を強める林市長のもとで、市政を巡る情勢はますます厳しくなっています。国政の熱い争点となった特定秘密保護法についても市長は容認です。党市議団は、反市民的な施策には正面から対決し、要求実現の筋道を示す提案を積極的行い、市民との共同を広げて、市民の暮らしに向き合う市政となるよう、引き続き力を尽くします。


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