2013年11月1日
日本共産党横浜市会議員団
団 長 大 貫 憲 夫
1.はじめに
林文子市長再選後の最初の議会となった第3回定例会は、9月10日から開催され、3日目の本会議(9月26日)での市長提出議案等の議決と10月3日からの決算特別委員会の審査を経て、31日の本会議での決算等の議決ですべての日程を終了しました。決算議案はすべて賛成多数で認定されました。
前半戦の議案関連質問には白井正子議員、一般質問には大貫憲夫議員が立ち、費用弁償復活の議員提案の質疑と反対討論は、荒木由美子議員が担い、後半戦の決算特別委員会では、総合審査には古谷靖彦議員が登壇し、各局決算の審査には5人の議員が分担して市政をチェックし、市民要望実現を迫りました。決算認定反対討論は、岩崎ひろし議員が行いました。
2.今議会の特徴
議会登庁ごとの手当支給となる議員の費用弁償が自公民3党の提案によって交通費支給という名目で、復活となりました。反対した日本共産党とみんなの党は受け取り拒否を表明、復活の一翼を担った公明党も市民の反発も強く「当面」受け取りを断念。
中学校給食の実施を求める請願に対しては、教育長は、自民党と同じ家庭弁当優位論を展開、自公民等により不採択となりました。
3.2012年度決算審査
最大会派の自民党が、自身の政策をストレートに市長につきつけ、実施を求める場面がめだちました。
まず、アベノミクスと2020年東京オリンピック開催をテコにして横浜での大型開発推進を求めたこと。それは、本牧ふ頭に新たな岸壁整備、高速環状道路北西線の前倒し開業と西側区間の事業化、南線での用地取得に強制収用法の適用、「エキサイトよこはま22」加速化、新市庁舎を含めた関内・関外地区の再整備などです。
また、教育行政をゆがめる干渉的な発言とそれに迎合する市教委の姿勢も今議会の特徴でした。朝鮮学校への補助金中止、北朝鮮による日本人拉致事件に関する教育の強化、日本史の近現代史教育の徹底など、その執拗さは異常でした。「自国の歴史・文化を語れる国際人を育てたい、改正教育基本法にそった教育重視」と表明する今田教育委員長との二人三脚による教育の右傾化策動を阻止する取り組みがますます重要となっています。
林市長が最大の実績とする待機児童解消策については、多い定員割れ保育園、運営費と整備費の急増による財政負担、幼稚園の未活用など批判のトーンを強め、これまでのやり方の転換を迫りました。林カラーの脱色攻勢と自民党カラー化の強要ともいえます。
日本共産党が力点を入れた一つは、株式会社立保育園での保育運営費の不適切な使途をただすことでした。2012年度から保育料が値上げ、その保育料と税金が原資の保育運営費が、他都市での保育園整備、一園当たり一億円の保育運営費収入のうち1600万円もの法人税等支払など目的外流用され、さらに保育運営支出に占める人件費比率が7割の社会福祉法人平均に対し4割と極端に低く、平均勤続年数1年から2年で保育士が入れ替わっていく実態が、当局からと情報公開で入手した決算資料の分析から明らかとなりました。総合審査等でこれら事実を突き付けて、保育運営費の使途は、本来の子どもたちの保育に限るよう追及しましたが、当局は「違法ではない」などと居直りに終始。
他の市政課題として、とりあげた主なものは、公共工事現場と市営バス、外郭団体の業務委託先での賃金・労働条件改善、国民健康保険料引き下げ、中学校給食、夜間中学校統廃合、小児医療無料化年齢引き上げ、中小企業振興基本条例による商工予算増額、消防団支援策、横浜駅周辺の防災対策強化、横須賀の原子力空母の事故対応、瀬上の森開発などでした。
以上