日本共産党横浜市議団は27日、教科書採択における当事者の声を反映する仕組みづくりと公開性・透明性の確保を求める申し入れを山中市長宛に行いました。教育委員会事務局の山本朝彦学校教育企画部長、山岸秀之総務部長ら7人が対応しました。
市立中学校などで来年4月から4年間使われる教科書を選ぶ教科書採択が8月2日(金)の横浜市教育委員会定例会で行われます。
子どもたちがどんな教科書で学ぶのかを決める大切な取り組みです党市議団としてより良い教科書採択となるよう、下記8点の申し入れを行いました。
Ⅰ.当事者の声を反映する教科書採択の仕組みづくりを
①教科書の調査・研究をより綿密におこなうために、学校現場の意向を聴取する仕組みを導入すること。また、実際に使用する教員が検定教科書を学校で見ることができる環境も整えること。
②学校ごとに教科書採択に当たっての意見を提出する手続きを整えること。
③地域の実情に合わせた教科書採択にするために2009年まで行っていた18区ごとの採択地区に戻すこと。
Ⅱ.教科書採択における公開性・透明性を高め、説明責任を果す改善を
④教科書採択の方法について、教育委員各人の挙手ないしは記名投票とすること。またその論議では委員個々人の意見表明に当たって、その教科書を選んだ理由を明らかにして記録に残し、後から検証できるようにすること。
⑤教科用図書選定審議会の委員または調査員の選任においては、教科用図書の採択に直接の利害関係者に当たらないことを調査の上、市教委は選任すること。
⑥採択会場は、ネットでは配信を行われるようになったことは評価しますが、より市民に開かれた教育行政とするためにも、直接傍聴にできるだけ多くの方が参加できるよう広い会場を確保すること。また、採択議論で使用している審議会答申などの資料は、直接傍聴者にも配布すること。同様にネット配信の視聴者にも提供すること。
⑦教科書展示会でのアンケートについて、「教科書に関するご意見ご感想をお書きください。なお、本市の教育委員は、いただいたご意見も参考にさせていただき採択するべき教科書を選定していきます」など、アンケートの取り扱いについて、丁寧に記載すること。
⑧市民に対して開かれた教育行政を進めるために、教科書展示会や教科書採択にいたるすべての情報を市民に分かりやすく情報提供すること。
申し入れで古谷団長は、横浜の教科書採択は、ネットでリアルタイム配信が行われたり、展示会のアンケートを教育委員にしっかり届けられたりと改善が進んでいることは評価をすると述べました。その上で、子ども達が使う大切な教科書を選ぶのだから、学校の先生や生徒など当事者の声をもっと反映できるものにしたい。そして審査内容を更に充実したものにするには、より多くの人が採択に関わっていく仕組みづくりが必要だと感じていると強調しました。
申し入れの全文はこちらです。