6月27日、日本共産党横浜市議団は、子ども・教育・くらしを守る横浜教職員の会と横浜市の来年度予算編成に向けて懇談し、要望を受け取りました。
同会からは、矢作富男副会長ら4人が参加しました。党市議団からは、古谷やすひこ団長、白井まさ子副団長、宇佐美さやか、みわ智恵美、大和田あきおの全議員が出席しました。
同会からは、社会問題になっている「教員の未配置問題」について、市内教育現場のリアルな実態や早期解消に向けた提案等が寄せられました。
教員の未配置とは、教員の数が本来必要な数に達していない状態を指すものです。
教職員の会の調査によると、2023年度の市立小中学校・高校・特別支援学校の教員の未配置件数は188件で、ある小学校では、4月1日から89日間、担任がいない状況が続きました。
未配置の主な原因として、市教育委員会が、義務教育法で定められた教員数の全員を正規で採用できておらず、一部を臨時的任用職員で埋めることを繰り返してきた結果、産休取得や病気等で正規教員が現場を離れた場合に、その代わりとなる臨時的任用職員が見つからないケースが多発したからだと指摘します。
同会は、教員の未配置は、①学級担任不在や自習授業が続き教育が成り立たない事態になること、②子ども達へのきめ細かな対応ができず、いじめなどを見過ごすことになりかねないこと、③未配置分の仕事も背負うことになる教員にとって、一層過酷な勤務となり離職が増えることなど深刻な事態が生じていると指摘。早急に解決するには、法で定められている教員数を全員正規で雇い、各学校に配当し年度をスタートさせることだと提起しています。
【未配置の実態 同会調査資料より】
①神奈川区の小学校
2023年4月1日から3人が未配置となった。
1人目…5年生の学級担任だった正規A先生が9月上旬に休職となり未配置に。非常勤教員が配当されたが、非常勤は週29時間勤務のため、長時間労働となる学級担任はできず、児童指導専任が担任を兼ねる。
2人目…副担任正規B先生が妊娠障害のため、9月下旬に病休に入り未配置に。その後11月中旬に産休に入り、代替臨時任用教員が配当。
3人目…臨時任用教員Cさんが9月30日に退職。学級担任の3年生のクラスが荒れたことが原因。教務主任が学級担任をしている。
②南区の小学校
2023年4月1日から3人が未配置となった。
1人目…5年生の担任をしていたA先生は5月下旬から休みがちになり、夏休み前に休職に。児童支援専任が学級に入った。
2人目…A先生と同じく5年生の担任をしていたB先生は4月下旬に病休を取得。5月の連休が空けても出勤できずに12月まで病休に。副校長が学級に入る。職員室に人が少なくなり職員室アシスタントが保護者等からの電話対応に入る。
3人目…個別支援学級のC先生が休職となり未配置に。その後非常勤が配当。
古谷団長は、毎年の教員募集人数と実際に必要な採用数が合っていない、少なすぎることが原因との分析はその通りだと述べ、議会の様々な機会を使って追及しているが、引き続き、なぜそんなに読みが外れるのか、しっかり原因を調査し、市ができることを最大限行い、国にも教員の必要数を市が確保できるよう仕組みづくりするよう求めていきたいと述べました。