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日本共産党横浜市議団は4日、横浜市に対して、自衛隊に個人情報の提供をやめることを求める申し入れを行いました。市民局の渋谷明子局長ら4人が対応しました。
横浜市では、2021年度から自衛官募集の対象となる市民の個人情報(氏名・住所)を宛名シールで自衛隊に提供しています。2020年度までは自衛隊が来庁し個人情報を閲覧する形式でしたが、宛名シール提供に変更しました。変更は市民に全く知らされないで進められました。また、個人情報の提供を希望しない市民から‶除外申請″があっても法令が無いことなどを理由に除外対応を行っていませんでした。
事態に気づいた市民からの批判と党市議団の指摘を背景に、2024年度から除外申請を受け付けるとして、広報よこはま3月1日号に申請受付のお知らせ記事を掲載しました。
しかし、宛名シールの提供そのものは続けるとして、2024年度は、年度内に18歳になる市民の個人情報を、5月中頃に渡す見込みです。
自治体がやってはいけないこと
日本共産党横浜市議団は、そもそも、自衛隊への名簿提供のために集められていない市民の個人情報を、本人の承諾もなく別組織に渡すことは、個人(住民)のプライバシー権(日本国憲法第13条)の侵害であり、地方自治体がやってはいけないことだと強調しました。
また、横浜市は、名簿提供は、国からの義務的な事務である「法定受託事務」として行っていると説明していますが、23年に古谷やすひこ党市議団団長が防衛省に直接聞き取り、名簿提供は「法定受託事務」ではないことを確認しており、自治体の判断でやめることができると強調。
奈良市では、当事者の高校生が、自衛隊に名簿を提供するのは憲法などに違反するとして、国家賠償請求訴訟が起こされていることにも触れ、手渡してよい個人情報は、名簿提供を希望される方に留めるべきだと主張し、自衛隊への名簿提供は行わないこと、2021年度から個人情報を提供してきた事実を広く市民に伝えることなどを求めました。
渋谷局長は「横浜市としては、自衛隊法による法定受託事務として取り組んでいる。個人情報保護の関心が高まっていることを背景に、除外申請の受付を開始し公報よこはまでお知らせる対応をした」「今回、このような意見があったことを受け止め、国に対しても伝えていく」と答えました。また、3月1日から除外申請を開始し、4月1日までに25人(代理人16人、本人9人)から申請があったことを明らかにしました。
18歳「自衛隊に名簿 違憲」高校生が奈良市と国提訴
プライバシー権を侵害 ※しんぶん赤旗より抜粋
奈良市の18歳高校生が自分の個人情報を事前の承諾なく市が自衛隊奈良地方協力本部に提供したのは違法・違憲だとして29日、市と国を相手取り、国家賠償を求める訴訟を奈良地裁に起こしました。
自衛隊は隊員募集のため全国の市町村に18歳と22歳の名簿提供を求めていますが、当事者が「プライバシー権の侵害だ」と訴える裁判は初めてです。原告のRYUさんは「戦争はない方が良い。争いごとは話し合いで解決すべきだと思っているので、武器を持って戦う自衛隊に参加するつもりはない。全国で若者の個人情報提供をやめさせるため少しでも役に立てるならと決意した」とコメントを発表。