医療保険制度の形がい化をまねく医療特区に反対を
日本共産党横浜市議団は28日、神奈川県保険医協会横浜支部の宮川康一横浜支部長、洞澤繁福祉部長ら7人と、2012年度予算要望について懇談しました。
保険医協会からは、国保資格証の発行を控えること、小児医療費助成制度の対象年齢の拡大、がん検診項目の充実や利用者負担の無料化、小児用肺炎球菌ワクチン等の無料化の継続等、16項目に及ぶ要望が示されました。
懇談では、協会から「神奈川県、横浜市、川崎市が国際戦略総合特区構想を共同提案しているが、医療の規制緩和による混合診療や自由診療の自由化は一部の富裕層を対象とした大企業の金もうけのためであり、現在の保険制度が形がい化し、お金がないと医療にかかれなくなる恐れがあるので、特区の申請はぜひやめてほしい」という意見もだされました。
大貫憲夫団長が、誤嚥性肺炎で胃にあけた穴(胃ろう)から栄養をとっている高齢者が多いことを語ると、歯科医である宮川氏は「トレーニングで誤嚥は防げるが、そのための訪問介護はばかばかしいほどわずかな診療報酬のため誰もやりたがらない」と述べ、唾液が溜まって死亡する例もおきていることを明らかにしました。また、口腔内の検診を誰がするのかが明らかでなく、口腔がんの発見や誤嚥に関する指導がおくれており、口腔分野の専門家が少ない実態が話されました。
岩崎ひろし副団長は、「国保の資格証の問題をはじめ、要望のほとんどが共産党と一致する。実態を教えていただいて、実現に向けてがんばりたい」と述べました。