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横浜市は、2026年4月から中学校給食の全員実施に向けて、8月31日から事業者募集を開始し、今年10月~11月に提案書の提出・審査に進み、12月には事業者(優先交渉権者)を決定、来年4月に業務委託契約や基本協定などの締結を予定しています。
実施方式は民間事業者が自前施設で調理し、弁当箱に盛り付け、配送する「デリバリー方式」としています。(義務教育学校2校を除く)
市内144校ある市立中学校を対象に全員制の中学校給食を実施するには、約8万1,000食/日が必要です。市教育委員会が事業者公募で示した計画では、市域をA・Bで区分けし、A区分は、市有地を活用した民設民営の給食工場を建設し、そこで2万8,000食(全体の約35%)を調理・配送し、残り5万3000食(約65%)をB区分として、複数の民間工場で調理・配送するとしています。各事業者との契約期間は、A区分の市有地活用区分は15年(委託契約期間は準備も含め17年間)。B区分は5年間(委託契約期間は準備も含め7年間)とし、市内工場の新設と、既存工場の活用を求めています。配送については、工場から学校への配送時間は、横浜市独自基準を設けて「4時間以内」としています。
デリバリー長期固定はダメ!提言を発表
日本共産党横浜市議団(5人)は8月31日、事業者募集を受け、デリバリー方式が抱える「あたたかさ」の課題など計画の問題点を指摘し、横浜が目指すべき中学校給食は、小学校のような「学校調理方式」を柱にしたものであることを改めて主張し、少なくとも、A区分事業者(2万8,000食)との契約締結にあたっては、15年間の長期固定化は到底容認できないことから、工場を市の給食施設として位置づけ、「給食センター」に転用できる規定を明記すること、また、B区分事業者については、市の中学校給食の実施方式が「学校調理方式」を軸にしたものに変更されても、市として損失なく即対応できる契約内容にすることなどの提言を発表し、鯉渕信也教育長に手渡しました。
鯉渕教育長は、今回の計画は教育委員会に与えられている権限の中でベストを尽くしたもの。まずは公募に応じてくれる事業者がいると信じ、ビジネスとして成立するよう力を尽くすと述べました。