2022年6月9日
横浜市教育長 鯉渕信也様
日本共産党横浜市会議員団
団長 荒木 由美子
横浜市教育委員会は、「学校給食法の趣旨を踏まえ、より多くの生徒に中学校給食を提供する」ことを目指すとして、12月の第4回定例会に予定されている中期計画の公表に合わせ、今後の中学校給食のあり方を公表できるよう、6月下旬に生徒・保護者に対するアンケート調査を行うなど、さらなる検討を進めるとしています。アンケートは中学校全145校で各学年から1クラス抽出し、生徒・保護者約3万4,800人が対象となります。しかし、中学生だけでは不十分と思います。
市教育委員会は、このアンケート実施に先立ち、全員喫食を前提に自校方式、親子方式、センター方式、デリバリー方式、ミックス方式(自校+親子+センター方式)ごとの課題整理と、実現可能性があると市教委が判断した3つ実施方式(センター方式、デリバリー方式、ミックス方式)別の施設整備費・年間運営費の試算を行い、4月21日開催のこども青少年・教育委員会常任委員会で「実施方式の検証(中間報告)」として報告しました。
今回予定されているアンケートは、最新のニーズを把握し、今後の中学校給食の在り方を検討する上での参考とするとして、調査項目として①中学校の昼食の利用状況 ②さくらプログラムの取り組み状況(給食の印象、受け渡しの状況など)③現在のデリバリー給食の評価や改善点、食育の取り組み状況など④今後の中学校給食を検討するうえで大切に思うことの4点が概要として6月1日の常任委員会で示されました。
この調査項目の立て方については重大な欠陥があります。それは、実施方式について、どの方式が最も望ましいかという設問がないことです。これでは、アンケートを実施する意味がないと言わざるをえません。市教委自身が行った全員喫食を前提とした「実施方式の検証(中間報告)」とも齟齬が生じてきます。全員喫食の否定につなげる恣意的なアンケートではないのかと疑念すら湧いてきます。
党市議団は、2021年11月25日、アンケート実施にあたっては①全員制の中学校給食の教育的意義・食育効果等を示して問うこと② 全員喫食の実施方法についての選択肢(自校調理方式、親子方式、給食センター方式、デリバリー方式、及びその各種組み合わせ)を示して問うことの2点を求める申し入れをしましたが、市教委が今回しめした方針には反映されていません。一顧だにしなかった対応について何の説明もありません。
調査項目には、「今後の中学校給食を検討するうえで大切に思うこと」も含まれていることから、最新のニーズを把握し、今後の中学校給食の在り方を検討する上での参考とするためにアンケートを実施するというのであれば、全員喫食についてのニーズを把握するアンケートとなるよう、下記の見直しを求めます。
記
1 アンケートは保護者向けと生徒向けに分け、保護者向けには「実施方式の検証結果(中間報告)」を判断材料として提供したうえで、実施方式についての選択肢を調査項目に加えること。
2 両方のアンケートとも現在の選択制デリバリー給食だけではなく、みんなで食べるできたての中学校給食についても聞くこと。
3 調査対象を事業者とのデリバリー給食契約終了後に中学生となる小学生とその保護者にも広げること。