議会での質問・討論(詳細)
2022年5月20日

一般質問 あらき由美子 2022.5.20

市長公約の実現に向けて
あらき由美子
:日本共産党を代表して質問いたします。まず、公約実現になどに向けての考えについてです。
山中市長は就任してから9カ月になっています。この間、市長ご自身として、公約実現に向けて現場へ行くなど、さまざまな努力をしていることは報道等を通じて承知しています。そこで、市民と約束した公約実現などに向けて、どのくらい市政を前に進めてきたと考えているのか、市長ご自身の評価をまず伺います。
山中市長:(録音機器の操作ミスのため、後日掲載)

あらき由美子:現在、党市議団で市民要望アンケートを実施しています。 アンケートの質問項目には、1.山中市長の仕事ぶりについて 2.市長に特に力を入れて欲しいこと 3.公約にある全員性の中学校給食について 4.3つの負担ゼロについて などを聞き、自由記述覧を設けています。5月19日までに7826の回答が寄せられ、約5000件を集計しています。アンケートの質問項目で、1.山中市長の仕事ぶりについてでは、期待した通りは10%、もう少し頑張って欲しい24%、まだなんとも言えない34%、よくわからない15%という結果でした。
自由記述覧には、カジノ誘致と新たな劇場計画を中止したことは大変良かったが、それ以外の市長公約実現に向けて、市長のカラーをもっと出し、実績が見えるようにアピールして欲しいという声が寄せられています。この声に応えられるように、市長が今からでもできることがあると考えますが、見解を伺います。
市長は公約に、市政運営に欠かせないのは、市民の皆様と市長、市役所との信頼関係です。主権者である市民の皆様の声を聞き、市政に活かす。そのあたり前からもう一度市政を見直していきます。とし、市民参加、住民自治を確立すると掲げ、当選直後の所信表明でも同様のことを述べていました。この点についてこれまでどのように認識し、改革に取り組んできているのか伺います。
山中市長:市民の皆様と私、市役所との信頼関係の構築に向けた認識と取り組みですが、様々な機会をとらえまして、市民の皆様の声を聞くことが重要であると認識しております。4月から18区の区連合町内会会長の皆様との意見交換会を始めた他、私自身が現場に出向いて市民の皆様と直接対話する広聴事業、市長と語ろうを明日よりスタートさせます。さらにデジタルプラットフォームを活用した新たな広聴ツールにつきまして、現在、職員を対象としたパイロット実験を行ったところです。今後、市民の皆さまを対象に、デジタルプラットフォームを活用した広聴を施行できるよう検討してまいります。

中期4か年計画に重点公約の明示を
あらき由美子:次に今後提案される中期4か年計画についてです。
3つのゼロの公約実現について、そのための財源はもちろん、市長の構えが必要だと考えます。そのためには、今までの施策を踏襲するのではなく、山中市長がこれから提案することになっている市長の任期期間中と重なる2022年~2025年までの中期4か年計画に、具体的に3つのゼロの施策を明示しなければ、公約実現はできないと考えますが、見解を伺います。
山中市長:中期4か年計画についてご質問をいただきました。3つのゼロの中期計画への掲載ですが、4月から庁内での検討体制を整え検討を開始したところであり、どのように進めていくべきかをしっかりと議論をして、新たな中期計画の中に位置付けてまいりたいと考えています。

あらき由美子:現在、党市議団が行っている市民要望アンケートの集計では、全員で食べる中学校給食実現を公約通り進めるについては65%、中3までの小児医療費の負担ゼロと負担軽減などを併せて78%、出産費用の負担ゼロと負担軽減併せて79%といずれも高い回答率です。また市長に特に力を入れて欲しいこととしての質問では、子育て支援が32%という回答で医療36%の次となっています。
これらの回答から見えるのは、子育てをしている市長だからこそ、市民からの子育への支援に対する期待が大きいと考えられますが、市長の見解を伺います。
子育て支援策を思いきって拡充することは、横浜に住み続けたいという市民を定住させ、また、若い年代の世帯・転入を促し結果的には安定した市民税を確保することにもなります。その点では、子育て支援に税金を使う政策は、先行投資として極めて有効だと思いますが、市長の見解を伺います。
山中市長:子育て支援策に対する期待ですが、市長選を通じまして小児医療費、出産費用、中学校給食等の子育て支援策について、市民の皆様から大きな期待が寄せられていると十分認識をいたしました。皆様から住みたい、住み続けたいと思っていただける横浜の実現に向けて、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
市民税の確保における子育て支援策の有効性についてですが、人口減少の進展や厳しい財政状況の中、都市の活力を維持していくためには個人市民税の確保はもちろんのこと、地域経済の活性化、就業者の確保などの視点からも、子育て世帯の転入増や転出抑制を図ることが重要であると考えております。そのために、本市が取り組むべき政策を幅広く検討してまいります。

あらき由美子:中学校給食の実施方式の検討状況について、4月のこども青少年・教育の当該常任委員会で中間報告があり、自校での調理方式を実施するには学校の敷地に余裕がないことから145校中106校で実施困難としています。しかし、小学校で調理したものを中学校へ配送する親子方式をプラスすれば学校調理方式の実施困難校は84校と減り、61校は学校調理方式ができるとしています。
このほかにさいたま市などで実施している2階建て方式、300㎡という給食調理室面積基準の弾力的運用と1小学校と1中学校の親子方式だけでなく、大阪市で実施している2小学校と1中学校、 1中学校と1中学校などの方式も検討すれば学校調理方式を実施できる学校数は増えると考えますが、教育長の見解を伺います。
鯉渕教育長:実施困難校の数を減らせるのではないかとのことですが、今回の検証では、関係局の協力を得ながらCAD図面を用いるなどより精緻な検証を行っております。本市では、政令市最大の学校数生徒数を抱え、一人当たりの敷地面積が最低水準という特徴があるため、多くの学校で自校方式や親子方式の実施が難しい状況です。先生のご質問の中で、二階建ての給食室又は300平米以下の給食室という例示が出ておりますが、なかなか導線のことなどを考えますと、この300平米程度の給食室というのは必要ではないかと考えております。
早期に供給体制を確保できるよう効率性や衛生面などを踏まえながら実施方式の検討を今後深めてまいります。

あらき由美子:5月5日にみんなができたてを食べられる中学校給食実現に向けた署名スタート集会に参加し、給食の歴史の著者である京都大学の藤原辰史先生の講演を聞きました。選択制給食については「選択というのは安定した衣食住が満たされていることが前提」とし「給食さえも選択させるのは土台を食い荒らしていることと同じだ」と言われていました。今の横浜市の選択制の中学校給食のやり方では、市立中学生に安定した食を満たしているとは言えないと考えますが、市長の見解を伺います。
山中市長:現在の選択性の中学校給食についてですが、学校給食法の趣旨を踏まえ、より多くの生徒に中学校給食を提供したいと考えております。今後のあり方については、学校給食を実施する意義に加え、市の財政状況のほか、実施方式の検証結果や今後実施するアンケート調査など様々な要因を総合的に勘案した上で最終的な方針を決定してまいりたいと考えています。

あらき由美子:みんなができたてを食べられる中学校給食が生徒・保護者から望まれています。市議団の市民要望アンケート結果では、いまの注文制をつづけて注文数を引き上げると回答した方はわずか9%で、全員で食べる給食実施を求める回答は65%とはっきりと差がでています。
自校調理方式・親子調理方式などを組み合わせて、全員で食べるあたたかい中学校給食を実現できるようにすることが求められています。全員で食べる中学校給食は市長の公約でもあることから、中期計画にしっかりと明記することを求めますが、見解を伺います。
山中市長:中学校給食の中期計画への記載についてですが、新たな中期計画の策定と合わせて、今後の中学校給食のあり方をお示しできるよう専任体制を中心に検討を進めております。市会の皆様ともしっかりと議論を行いながら新たな中期計画の中に位置づけてまいりたいと考えています。

国際園芸博覧会は、今の自然を残し、生かすものに
あらき由美子:次に国際園芸博覧会と上瀬谷土地区画整理事業についてです。
3月末に、国会で「令和九年に開催される国際園芸博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案」が衆議院・参議院とも全会一致で可決され、この法案成立により、これからは一般社団法人2027年国際園芸博覧会協会が主体となり開催にむけて準備を進めていくことになりました。
問題は土地区画整理事業として行われる土地造成工事によって、横浜市が上瀬谷のポテンシャルとして誇っている現存の豊かな自然が全部壊されてしまうことです。昨年7月に本市が行った旧上瀬谷通信施設の土地区画整理事業を実施するための環境影響評価書によれば、造成工事計画が図面で示され、「盛土、切土を行わない箇所についても整地を行うため、全改変となります」と書かれています。この図面からすると花博以外の土地もすべて整地されることになり、花博入場者は、上瀬谷の水田・林・川もなくなり桜も切られ、もともとある豊かな自然を体感できないことになります。そのような花博になることを市民は決して望んでいません。
5月12日から16日まで、横浜ローズウィークイベントが行われ、市庁舎2階のプレゼンテーションスペースでは、国際園芸博覧会についての展示がありました。そこに掲げられていたタペストリーには、「会場となる旧上瀬谷通信施設は横浜市の北西部に位置し、草原や農地が広がり、その周辺にも豊かな自然が残されています。この上瀬谷のポテンシャルを活かし、博覧会を起爆剤に、そのレガシーを受け継ぎながら、魅力ある、賑わいと活気があふれるまちづくりを薦めます」とし、水田のある里地、憩いの場となっている市民の森、野鳥など様々な生き物の写真が載っていました。このタペストリーに書かれていた通りに国際園芸博覧会を開催するなら、会場周辺についても現状の自然豊かな土地をそのまま生かした園芸博覧会とすることになると考えますが、市長の見解を伺います。
山中市長:国際園芸博覧会と土地区画整理事業についてご質問をいただきました。自然豊かな土地を生かした博覧会にすべきとのことですが、今回の博覧会は自然との共生をコンセプトの一つとしており、既存の水や緑を活用したグリーンインフラを積極的に創出していきます。具体的には緩やかな起伏を有した現在の地形や貴重な水辺空間である和泉川、既存樹木などの豊かな自然を生かして会場整備を進めていきます。

あらき由美子:現在、上瀬谷の未来を考えよう会が「2027年横浜国際園芸博覧会のために桜並木を切らないで!市民の意見を尊重し、上瀬谷の開発見直しを」というネット署名に取り組み、3万6千人もの方が賛同しています。署名の要旨は、1.桜並木を切らないで! 2.上瀬谷の自然を生かしたまちづくりを! 3.鉛などの土壌汚染の早期回復を! 4.交通事業を悪化させないで! 5.花博費用の計画見直しを! 6.市民に必要なものをつくって! 7.市民の意見を尊重して!と、7項目に渡って要望され、これらの項目は党市議団として議会でも取り上げ要望してきているものです。
交通事情を悪化させる一番の要因として考えられているのは、運営費360億円等から導き出した有料入場者数1000万人で3500円の入場料という前提があるからです。主たるアクセス手段であった上瀬谷ライン断念で自動車輸送が中心となります。そこで、交通渋滞を招かない方法を検討し、費用面でも効率的に運営するためには、1000万人という規模の見直しを一般社団法人2027年国際園芸博覧会協会に今こそ提案するべきですが、市長の見解を伺います。
山中市長:1000万人という規模を見直すべきとのことですが、首都圏の後背人口等から今回行なう国際園芸博覧会の有料入場者数1000万人は、適正な規模であると考えております。周辺道路の交通渋滞対策や運営面に関する懸念事項につきましては、今後協会が基本計画の作成をはじめ、開催に向けて計画を具体化していく中で検討してまいりますが、市としても協会としっかりと連携をしながら花博開催に取り組んでまいります。

あらき由美子:現在オランダのアルメーレ市の埋め立て地で国際園芸博覧会が開催されています。
オランダでの開催は10年に一度ということですが、A1クラス認定で40か国が参加し、会場の面積60haで来場者数は200万人となっています。横浜の花博会会場の面積80haで1000万人と比較してみると、いかに人数が過大な数字であるかがわかります。
コロナがいつ収束するかわからない現在、運営を成り立たせるために人をたくさん呼び込み、ゆっくりと花や自然を見ることができないような花博が成功するとは思えません。多くの市民から望まれる花博となるように求めておきます。

物価高騰の影響を受けている市民へ市として独自の支援策を
あらき由美子:次に物価高の影響を受けている市民への対応についてです。
現在の物価高騰と国民生活の困難は、偶然のものではなく、三つの要因が複合的に重なったものです。第一に、新型コロナからの経済回復にともなう世界的な需要増によって原油や小麦、輸送価格などが上昇しました。第二に、「異次元の金融緩和」とよばれる日銀の金融政策による円安によって、輸入品価格が上昇しました。第三に、ロシアのウクライナ侵略と経済制裁によって、エネルギーや小麦価格などがさらに上昇しました。新自由主義、とくにアベノミクスによって日本経済が「もろく弱い経済」になってしまっている、その矛盾がこうした形で噴き出しています。したがって、これに対する対策としては、新自由主義を終わりにして「やさしく強い経済」をつくる方向での経済政策の抜本的転換が強く求められています。
消費者物価、企業物価の上昇のもとで、消費税の5%への減税、インボイス(適格請求書)の中止はいよいよ急務になっています。物価上昇ですぐに暮らしが困窮してしまうのは「賃金が上がらない国」になってしまっているからです。政治の責任で賃金の大幅引き上げをはかることは、国民の生活防衛のためにも、物価値上げに耐えられる経済のためにもいよいよ必要になっています。物価上昇のもとでの年金減額など、社会保障切り捨て政策を抜本的に切り替えることもいよいよ重要となっています。
特に、ひとり親家庭や低所得世帯には、この間の物価高騰は大きな影響が出ています。 2年前から新型コロナ感染症の影響を鑑みて、政府はひとり親家庭や低所得の子育て世帯などに、財政的な支援を行ってきました。政府がこのような財政的な支援を積極的に行ってきたのですから、基礎自治体である本市も、ひとり親家庭や子育て家庭・低所得者など生活困窮世帯に対し独自の施策をすることが求められています。
例えば、現在ある就学援助制度の所得基準を引き上げることで対象者が広がり、公立小中学校の給食費を無償にすることにもなり安心感がぐっと広がります。このような生活困窮世帯に対し、現在ある市の制度の対象者を広げることや助成額を増やす考えはないか伺います。
山中市長:物価高の影響を受けている市民の皆様への対応について、ご質問をいただきました。生活困窮世帯への支援の拡充についてですが、これまでも生活困窮者自立支援金の給付や家計相談等を行うとともに、ひとり親世帯フードサポート事業など市独自の取り組みも進めております。今後とも生活にお困りの方々や、ひとり親家庭をはじめとした子育て世帯などに寄り添い、しっかりとお支えをしてまいります。

あらき由美子:10月から実施される予定の75歳以上の方への医療費2倍化は横浜市でも14万人に影響すると試算されています。4月からの年金引下げもあり、さらなる負担増は深刻です。市民の暮らしを守るという点から、75歳以上の医療費2倍化の中止を国に求める考えはないか伺います。
山中市長:後期高齢者医療の窓口負担についてですが、二割負担導入は、団塊世代が75歳以上になる2022年度以降に医療費の増大が見込まれる中、現役世代の負担を抑え、国民皆保険を未来につなぐための見直しとされております。また、急激な負担増加を抑制するため、施行後3年間は一か月の外来医療費負担増価格が最大3000円までとなるよう配慮措置が設けられたものと認識をしております。

市として、国際平和と核廃絶にむけた取組の強化を
あらき由美子:最後は国際紛争と平和問題についてです。
いまだに、ロシアのウクライナへの軍事攻撃は収まりません。第一に、ロシア・プーチン政権による侵略を終わらせるかについて、日本共産党は「国連憲章に基づく平和秩序の回復」という、一番道理に立った解決方向を示しています。バイデン米政権が「民主主義対専制主義のたたかい」という、あれこれの「価値観」で世界を二分する、軍事ブロック的なスローガンを打ち出したことに対しても、「国連憲章を守れの一点で団結を」と前向きの批判を行っています。
第二に、憲法9条を生かした外交で東アジアに平和を創出する「外交ビジョン」の意義が鮮明になっていることです。NHKの党首討論では、志位委員長の提案に対して岸田首相も「重要だと思う」と発言しました。しかし、問題は本気でとりくむのか否かにあります。安全保障の中心に「外交」をすえてこそ平和はつくれます。ところが岸田政権は、肝心の「外交」戦略をもっていません。やっているのは「敵基地攻撃能力の保有」など、軍事一辺倒であり、危機に乗じて9条改定をたくらむ逆行に突き進んでいます。
さらに、自民党安保調査会は、「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言葉だけ変えて「保有」を求め、攻撃対象を「敵基地」だけでなく「指揮統制機能等」にまで広げ、軍事費を5年以内にGDP比で2%以上にすることを提言しました。このような大軍拡は、平和とくらしを押しつぶすことになっていき大変に危険だと考えます。
このような一連の動きのもと、いま日本が直面している最大の現実の危険は、日本が攻撃されていないのに、安保法制=集団的自衛権を発動して、自衛隊が米軍と一緒に「敵基地攻撃」――事実上の先制攻撃で相手国に攻め込み、その結果日本にも戦火が及んでくることにあることを、強く告発しなければなりません。
相手が軍事や力の論理できた場合に、こちらも「軍事力強化で」となれば「軍事対軍事」の果てしない悪循環になり、戦争につながる一番危険な道に落ち込んでしまいます。そのようなことを、断じて許すわけにはいきません。日本を「軍事対軍事」の危険な道に引き込む9条改定を止め、9条を生かした外交で平和の東アジアを――この声を広げに広げることです。

第三に、核戦争の現実的危機が生まれているもとで、それを止めるための努力をするどころか、この機に乗じて「核抑止力」強化の議論を唱えることは、絶対に許されないということです。岸田首相が、「核抑止を含む拡大抑止の信頼性を高めていく」と述べ、維新の馬場共同代表が「核共有の議論を」を言い、国民民主党の玉木代表も「拡大抑止は維持する立場」と公言するなど、「核抑止力」論の大合唱が起こるもとで、被爆国の国民の願いに応え、核使用を前提とする「核抑止」批判を徹底的に行い、核兵器禁止条約への参加を迫り、「核兵器のない世界」をつくる先頭に日本共産党は立っています。
今、世界は地球温暖化問題や核兵器禁止条約など反核・平和運動にみるように市民社会と都市が大きな役割を果たしています。横浜市においてそれを具現化しているのは国際局です。そこで、本市には世界各国との都市間交流ができる国際局があることから、国際平和と核兵器廃絶のための役割を果たすことができると考えますが、市長の見解を伺います。
山中市長:国際紛争と平和問題についてご質問をいただきました。平和と核兵器の廃絶のための役割を果たすべきとのことですが、本市はあらゆる核実験への抗議、平和市長会議との連携、市民の皆様に向けた国際平和講演会等を実施しており、またウクライナ侵略に際しても、迅速に抗議をしております。ピースメッセンジャー都市として、国際平和に関する啓発活動をより強く進めるとともに、大使館や海外事務所など、本市のネットワークも活用いたしまして、あらゆる機会を捉え、平和に向けた発信等を行ってまいります。

あらき由美子:現在、市民の平和への願い実現に向けて、横浜ユーラシア文化館でウクライナ支援の緊急企画写真展を実施しています。国際局が後援し、5月29日までの開催になっています。私もこの写真展を見てきましたが、新聞・テレビ等で取り上げられたことにより、多くの方が見学に訪れていると施設の方から聞きました。戦争という武力攻撃は、これまでそこで生活してきた人々の尊厳を破壊し、言葉では言い表せないほどひどく残酷で無謀なものだということが写真から伝わってきました。
一人でも多くの方にこの写真展の写真を見ていただき、戦争を止める思いを連帯してもらえるように、この写真を各区に巡回して掲示することを提案しますが、市長の見解を伺います。
今年は、音祭りを9月から計画していますが、その祭りでもウクライナをはじめ世界の国々の市民とのつながりを深めるような企画をし、平和への連帯を強める考えはないか、市長の見解を伺います。
山中市長:オデーサ写真展の各区巡回についてですが、写真展では、横浜とオデーサの町並みとの対比を始め、市民の日常生活や侵略後の市内の状況など貴重な写真が展示されており、多くの来館者にご覧を頂いております。
今回いただきました貴重なご意見につきましては、著作権等の課題を含めて、今後検討してまいります。
横浜音祭り2022における国際平和につながる取り組みについてですが、これまでも大使館等と連携をし、各国の特色を生かしたプログラムを実施してきました。国際平和には、相互理解が不可欠なものであり、文化芸術は国境や言葉の障壁を超えて感動の共有ができることから、非常に有効な手段であると考えております。今年度につきましても、ウクライナをはじめとする様々な国との連携企画を進めてまいります。

第二質問 市民が求めているのは、みんなが食べられる中学校給食

あらき由美子:中学校給食について再度質問させていただきます。手法については、教育委員会が様々なことを検討していることはよく分かりました。問題は、山中市長が公約で「全員」で食べる中学校給食と謳っていたのに、今年の予算の時から、「より多くの」という言葉に変わってしまったことです。
先程、立憲民主党の議員の質問でも全員で食べる中学校給食という言葉になっておりました。しかし、市長の答え何度もより多くの生徒に提供したいという本市の考えと、言葉が変わってきております。全員で食べる場合の給食の施設のあり方と、より多くの生徒が食べる給食の施設のあり方では、全く違ってきてしまいます。この点、市長に投票した50万市民に対しても丁寧に説明をしなければ、公約に沿っていないということになりかねません。是非、この点では、きちっと市長がどこに主眼を置いて中学校給食を実現するのか、まずスタートラインに立つべきは、全員で食べる中学校給食ということから始めるべきであって、より多くのということでは全員ではありませんので、その点についての認識をはっきりとお答えいただきたいと思います。
市民が望んでいるのは全員で食べる中学校給食、そして私たち日本共産党は自校方式で、みんなが温かい給食を食べられる、この一点についてのみ市長にお答えいただきたく、再度質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
山中市長:「全員」が「より多くの」に変わってしまったということについてでございますが、まずアレルギーへの対応を考慮しなければなりません。その上で学校給食法の趣旨も含めて、中期計画の中で着実に整理をしてまいりたいと考えてございます。あり方につきましては、先程申し上げました通り、実施方式の検証結果、今後実施するアンケート調査など様々な要因を総合的に勘案した上で、最終的な方針を早期に決定してまいりたいと思います。


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