「財政ビジョン」には厳しい財政状況になった原因を明確に
古谷議員:将来世代からも前借りをしなくてはいけないほど厳しい財政状況になったということですが、やはりなぜそうなったのかの原因についても明確に記載することが、今後の市政運営、歳出改革にとっても必要なことだと思います。
私たち日本共産党横浜市会議員団は、一貫して高速道路予算や港湾など、国が絡んだ大型開発事業について、限られた市の財源を、優先的に配分するやり方は、間違っていると指摘をし続けてきました。毎年の予算編成の際には、組み換えも求めてまいりました。また、流失人口の問題についても着目をして、現役世代から選ばれる街にするための子育て支援政策の充実を求め続けてきました。小学校と同じような中学校給食の実施も必須です。全国で当たり前のように実施をしている中学校給食を実施しない理由を、費用を理由にして、できないというのは間違っていたと指摘をし続けてきました。今までのお金の使い方切り替えるべき時だと思います。
今回の財政ビジョンの議論を通じて、今までの間違いをぜひ改めていただきたく強く願います。そこで、将来世代から前借りをしないと回らなくなってしまった財政状況になった原因は何か、市長の見解を伺います。
山中市長:高齢化の進展や保育ニーズの高まりに伴い、社会保障経費が増加を続けてきた一方で、自然収入は人口増加ペースの鈍化等の影響により、歳出の伸びを補うほど増加はしてきませんでした。こうしたなか内部経費の削減等の取り組みを重ねてきたものの、減災基金等の臨時財源を活用しなければ収支不足を解消することが困難な財政状況になったと認識をしております。
古谷議員:今ご答弁されましたが、私はやはり分析としては非常に不十分だと思っております。今の財政状況になってしまった原因、財政ビジョンでも指摘をされていると思います。スライド①をご覧ください。まず社会保障費が増大したんだとおっしゃいましたが、他都市に比べて市民一人当たりの社会保障費は低いと財政ビジョンのデータ編にも示されています。低いということですし、大阪市に比べて6割程度ということになります。続いてのスライド②をご覧ください。本市は平成15年度以降、類似団体の中で投資的経費が最も高くなっています。こう分析もされています。
次をご覧ください。全国に突出した投資経費の中でも更新整備は最下位で、新規整備が多くなっている方も分析をされています。これを見ると、やはりどこにメスを入れるべきかということについては明らかなのではないかと思いますが、市長の見解を伺います。
山中市長:社会保障経費は、生活保護を受けている方の人数、各自治体が独自に行うサ-ビスの水準等が異なることから、他都市と一概に比較することは難しい面があるかと思います。また、本市の市民一人当たりの公共投資の水準は、他の旧5大市と同水準となっております。本市が抱える多額の収支不足に対応していくためには、いずれにせよ、すべての事業について、創造と転換の観点から、見直しを行う必要があると考えております。
古谷議員:是非ですね、その全ての見直しというところで明らかに新規整備が多くなっていると指摘されているわけですから、この点については、しっかり歳出改革の網をかけていただきたいと思います。そして、今のような財政状況になった原因は、決して市長サイドだけの問題ではないと思っています。議会側も大いに反省すべきだと思っています。今まで施策運営を切り替えなければ、財政状況は改善しません。平原副市長に伺います。財政ビジョン案に対する市民意見の募集、これ私も何度も見させていただいたんですが、これを見ると、その中にも「今日の厳しい財政状況は歴代市長の開発優先の結果だ」との指摘もありました。明確に、今までの政策運営切り替えなきゃならないと思いますが、前市長時代から市政運営を支えてこられた平原副市長の見解を伺います。
平原副市長:歴代の市長は、人口の増加を踏まえた都市基盤の整備や保育ニーズの高まりに対応するための保育所整備を行うなど、その時々の時代に合わせた施策を推進してこられたものと私は認識をしております。今後、人口減少、少子高齢化の進展によりまして、財政状況がより厳しくなるという状況でございますけれども、その中では、限られた財源の中で施策を選択集中し、可能な限り効果を高めて実施していく必要があるのではないかと考えております。
古谷議員:平原さん、その時々ものすごく間違った政策を進めてきたと言ってるつもりはないんですが、その時々の最適を考えて、施策運営されてこられたということだと思うんですが、その結果で、今の状況になっているわけでありますから、過去の選択、過去の政策運営、それが最善だったと言えますか。
平原副市長:私どもは、横浜の将来の発展を見据えまして、時間がかかって効果を発揮するということかもしれませんが、例えばインフラの整備などについても、将来の横浜を見て、将来の発展を願って投資してまいりました。それは、私どもが発案し議会の承認を毎年毎年の予算の中で承認をいただいた中で、執行してきたという経過だと思っています。
古谷議員:結果こうなってしまったわけですから、それについて、やはり正確な分析であるとか、市民に向けて財政ビジョンを出されているわけですから、なんでこんな状況になったのかということについて、分析はきっちり書くべきだというふうに改めて思います。
財政ビジョン、なぜ今策定されたのかということについて伺います。財政責任条例の下で、今回の財政ビジョンは策定されたと聞いていますが、財政責任条例ができたのはもう8年前です。その間、前市長の下で、ブレーキがかからず新市庁舎も北西線も新劇場の検討なども、こういう話が、もし財政ビジョンのこういった全て(の事業)を対象にするんだといった議論があれば、そういったこともなかった話じゃないかという風に思います。平原副市長いかがでしょうか。
平原副市長:これまではですね、財政責任条例に基づきまして中期4か年計画の中で財政目標を設定しまして、市債残高を管理しながら将来に向けて必要な投資を進めてきたということだと思います。今回の財政ビジョンでございますけれども、人口減少など時代の転換期をとらえまして、今後は、より中長期的な財政運営に転換していく必要があるということから策定することとしたものでございます。
古谷議員:いまおっしゃられたこともですね、本当に今までも分析がされていて、それでできなかったと。結果、今に至ってるということであります。
次のスライド③をご覧ください。現行の中期計画の中から抜粋したものです。現行の中期計画の中で、道路や港湾、新市庁舎も含む都心部の開発分野で5000億円近いお金が計上されています。これ4年間ですから、これを例えば、5000億の2割を削減して、優先順位を切り替えるだけでも、4年で割れば250億円もの財源が生み出されます。本当にね、お金の使い方が私達は大問題だと思っています。このままでは市民サ-ビスが削られてしまうなどと、この財政ビジョンの中では書かれていますが、市民にとってはこれだけ書かれては、本当に夢も希望もない財政ビジョンだと思います。現状分析は現実だとしたら、仕方がないとしても少なくともここが間違っていたんだと、ここを改善するだと、ここを改善したら市民が夢と希望の持てる横浜になっていくんだとそうするべきだと思います。この財政ビジョンを公開して、他都市に人口流出することになりませんか。
山中市長:本市がこれまで将来世代から前借りをする形で、現在の行政サ-ビスを提供してきたということ、また、今後も収支差の拡大が見込まれること、これらについては、市民の皆様にもご理解をいただかなければなりません。財政ビジョンは、こうした現状を共有して、創造と転換を図る歳出改革など、持続的な発展に向けた道筋を示すものであり、市民の皆様に横浜を選んで住み続けていく為に策定をするものであります。
古谷議員:私が聞いた答えになっていないと思うんですが、これを見てですね、市長、市民が横浜市で住み続けよう、横浜市で子育てしようと市民が思うと思いますか。
山中市長:先の答弁でも申し上げましたが、今きちんと舵を切ること、その上で持続可能な都市への道筋をつけること、その目的のために財政ビジョンを作り、そして市民の皆様とも共有をするものでございます。
財政の議論は、政策と一体で「公共性」を軸に考えるべき
古谷議員:舵を切る際にですね、どう舵を切るかということが、過去やっぱりここが問題だったんだとしっかり分析することがね、どうしても必要だと思うんです。それ是非やっていただきたいと思います。今回の財政ビジョンが先に出ています。財政の議論だけをなぜ先行させたのかというところに移ります。
行政の施策は収益性だけで測られるものではなく、政策と一体で議論すべきだったものだと思います。全て財政が基本なのだとすると、本当に財政原理主義、こういったものに陥るのではないかと思います。専門家の意見聴取をしています。専門家の意見聴取の中でも、「公共施設の運営は収益性だけではかられるものではなく、公共性を軸に考える必要がある」と指摘をされています。だからこそ、財政と政策は一体で議論すべきだったものだと思いますが、市長の見解を伺います。
山中市長:財政の持続性を確保した上で、市民の皆様のニーズに応える行政サ-ビスや街の活力を高める様々な施策を展開していくこと、これにより初めて本市の持続的な発展が実現すると考えています。本市の今後の発展に向けた最大の課題は、財政の持続性にあり、まずは、持続可能な財政の姿を先にお示しした上で、政策を議論することといたしました。
古谷議員:あの今回の財政ビジョンを見ても、本当に持続可能か、希望が持てるかというところを見ると、非常に疑問を感じます。財政ビジョンにある今後の財政運営の基本方針が掲げられています。これは、歴代の中期計画でも述べられて実施をしてきたことであります。その結果、今の財政状況になったわけで、これでは改善できないんじゃないかと思います。
山中市長:財政ビジョンで掲げました、財政運営の基本方針では、債務について中長期的な時間軸で管理することや、予算編成における成果志向、将来志向、公平性の三つの原則、資産の総合的マネジメントの方針など、人口減少をはじめとする中長期的なリスクに対応する要素を新たに盛り込みました。基本方針を踏まえた具体的な将来アクションに取りくんで、持続的な財政運営を実現してまいりたいと考えています。
古谷議員:確かに若干足された視点はありますが、基本的には、今までの方針が大きく変更されたものじゃないと思っています。要は、先ほどの質問でもありましたが、どうやるかと実際に本気でやる気があるのかというところが問われているんだと思います。
山中市長:今、舵を切らなければ中長期的に大変危機的な状況にある、こちらに関しては先ほどの答弁でも申し上げましたが、今、舵を切るためにこの財政ビジョンを作り、市庁全体、そして議会の皆様、そして市民とともに一丸となって、持続可能な市政を作っていく、そのスタート地点に今立っていると認識しております。そういう決意で、取り組んでいきたいと考えています。
古谷議員:伊地知副市長に伺います。前市長の下で作成された中期計画でも、長期財政の議論、あるいはどう対応していくのかと、財政ビジョンに盛り込まれた取り組み、類似のものが出されていたと思います。それでも改善できなかった、改めて実効性が重要だと思いますが、副市長の見解を伺います。
伊地知副市長:財政ビジョンを踏まえた目標と取り組みを中期計画ごとに設定し振り返りと改善のプロセスを徹底すること、そういうことをですね、しっかりとやっていくということで、実効性を高めるということだと思いますが、もう一つは、やはり各職員が自分事として捉えて、自分が担当する事務事業を今一度原点に戻って考えて、全庁を上げて創造と転換に取り組む、そういうことが必要だと考えています。そのためには各局長はじめ、全職員がこの財政状況をしっかりと認識をした上で、危機感を共有できるように意識を変えるところから取り組んでいかなきゃいけないと思っております。
古谷議員:今のお話は、分かるんですが、じゃあなぜ今までできなかったのかということについて、少しお伺います。
伊地知副市長:これまでは単年度の予算編成の中で、予算が編成できればいいというところに、若干傾いた部分があったのかなという風に思っています。そういう意味で今回の財政ビジョンというのは、あくまで中長期的な視点の中で、しっかりとその財政運営と、それから施策の推進の両立を図っていくということをきちんと方針として出していますので、そういうことをやっていくことで、これまでとは違った取り組みができるのではないかなと思っています。
国に「3つのリスク」への対策を働きかけよ
古谷議員:ありがとうございます。財政ビジョンを通じて私も、これも本当に何度も何度も擦り切れる程見ましたけど、財政ビジョンを通じて分かったことは、3つのリスク書かれてあります。人口減少、少子高齢化、大規模災害と気候変動だと。三つのリスクがあるんだとされています。これは決して横浜特有のものではなく、というよりも多くの自治体で共通した問題です。国を挙げて取り組むべき課題だというふうに思います。また、子育て政策にお金を使っていないという問題、これはまさに国自身がそうなっていない、だから国全体の出生率も上がらない、子育てしづらい国日本ということになってるんだと思います。こう考えると本市の努力も必要だが、国のお金の使い方、ここにも抜本的なメスを入れなきゃならないですし、国に対してしっかりもの言わないといけないと思いますが、市長の見解を伺います。
山中市長:少子高齢化や大規模災害など全国共通でありつつ、住民の日々の生活に関係する課題につきましては、国と地方が共に取り組むべき課題であると思います。今後こうした課題が深刻化する中で、国においてより充実した制度の構築や、早期の構築や、財源の確保に責任を持って取り組んでいただく必要があると思います。引き続き、市独自の要望や、指定都市市長会等の要望の機会を通じまして、国への継続的な要望を行ってまいります。
古谷議員:国に対して本当に、ものを申していただきたいと改めて思います。
取り消しになった財政課長通知について
古谷議員:先週の本会議でも議論になった課長通知について伺います。通知そのものを取り消ししたと聞いています。なぜ取り消したのか理由について伺います。
松浦総務局長:この度の依頼につきましては、予算編成過程の中で見えてきます各事業が抱えている様々な課題や論点などにつきまして、翌年の予算編成における議論や検討に生かすことができるよう、予算編成が本格化する前からですね、財政局とそう各局において、事務的な議論や検討を行うために実施したものでございまして、同様の取り組みは例年行なっておりました。今回の依頼の内容につきましては、庁内向けの依頼とは言え、既に決まっているものであるかのような表現があり、職員に誤解を与える可能性があるという表現が含まれているため、取り消しをいたしました。
古谷議員:今回の通知の取り消しを踏まえて、今後、財政局や行政イノベーション推進室、その担い手となる歳出改革なんですが、それについては、今まで以上により丁寧に、市民の皆さんに説明しながら進めるべきだと思いますが、市長の見解伺います。
山中市長:歳出改革を進めるにあたり、その意義や必要性について市民の皆様にしっかりとお伝えしていくとともに、議会の皆様とも議論を重ね、ご理解を頂きながら丁寧に進めてまいりたいと考えております。
古谷議員:特にですね、今回やっぱり通知がああいう形で、ある意味表に出てたわけで、それについて、やはり市民の皆さんも不安を抱いているところがあると思います。特に財政ビジョンなんかでも、今までの行政サービスが維持できない可能性がある、こういった記載もあります。そうするとですね、非常に不安を感じると思うんです。是非そこは、解消するような発信をいただきたいと思います。
公約実現に向けて、各局長の役割について
古谷議員:今回の通知や財政ビジョンの議論を通じて山中市長は、庁内的にどういう市政運営を行っていくのか、言い換えれば何を大目標に掲げて市政運営を行っていくのか、もう少し具体的に示す必要があるのではないかと思います。
そこで市長に伺います。市長は市民に約束をした公約、実現するために日々邁進していると思います。今回の財政ビジョンを策定して、改めて公約実現にどうつなげていくのか伺います。
山中市長:市民の皆様のニーズや新しい政策課題に対してしっかり対応していく為には、現在の硬直化した歳出構造を転換した上で、施策を展開していく必要がございます。財政ビジョンに基づき、歳入歳出両面の取り組みを進める中、こうした施策の財源を確保してまいります。
古谷議員:財政局長に伺います。市長の公約実現のための財政的サポートをするのが、財政局長の役割だと思いますが、見解を伺います。
今野財政局長:公約を含む市政にとって必要な施策の推進と財政の健全性の維持の両立が図られるよう財政運営を進めていくことが役割であると認識をしております。
古谷議員:健康福祉局長にも伺います。小児医療費助成や敬老パスなどの市長公約の検討をどう進めているのか伺います。
佐藤健康福祉局長:子どもの医療費につきましては、子育てしやすい環境の実現に向けた庁内検討チームの中で検討しております。敬老パスにつきましては、地域交通と密接に関連することから、高齢者等の外出支援をテーマとした庁内検討チームの中で総合的に検討を進めていきます。
古谷議員:教育長に伺います。市長の指示を踏まえて実施をしている中学校給食の実施方法の検討状況、これは全員喫食が前提となっているのかどうか伺います。
鯉渕教育長:できるだけ早期に供給体制をしっかり確保するという考え方に立ちまして、関係局の協力を得ながらあらゆる手法について検討をすすめ、4月の常任委員会で検証結果の中間報告を行ったところです。引き続き、検証を深めるとともに周知の活用可能性についての検討や、事業者への調査、外部有識者からの意見聴取などを進めてまいります。
古谷議員:もう一度伺います。市長の指示を踏まえて実施をしている中学校給食の実施方法の検討状況では、全員喫食が前提となっているのかどうか伺います。
鯉渕教育長:できるだけ早期に供給体制をしっかり確保するという考え方に立って、検討しております。
古谷議員:委員長回答していません。質問に答えてください。
委員長:答弁されていますので質疑続行します。どうぞ古谷議員。
古谷議員:質問に答えてないです。通告出しているんだから、それずるいですよ。
鯉渕教育長:本市は、政令市最大の生徒・教職員8300人を抱えているという課題を持っております。できる限り早期に供給体制が確保できるよう、引き続き検討してまいります。
古谷議員:全員喫食が前提ですか、イエスかノーでお答えください。
鯉渕教育長:学校給食法の主旨を踏まえまして、より多くの生徒に中学校給食を提供することを目指し、引き続き検討してまいります。
古谷議員:通告をきちっと決められた時間に出してますから、しっかり回答いただきたいというふうに思います。最後に平原副社長に伺います。公約実現のために全力でサポートするのが平原さんの役割だというふうに思いますが、決意を伺えます。
平原副市長:勿論ですね、他の副市長たちともしっかり連携しまして山中市長の目指す施策の実現に向けて全力でサポートしてまいります。
子育て世代に選ばれ、長生きして良かったと思ってもらえるまちづくりを
古谷議員:今後のですね、増収の対策にちょっと議論を移っていきたいと思いますが、子育て世代の定住をどう促進するのかと、本当に大きな問題だというふうに思います。そのために子育て世代に魅力ある町にするためのニーズをね、どう捉えていくのかということが重要です。子育て世代に、子育てをし、住み続けてもらうために今回の財政ビジョンで分析をして、どう発信をしていくのかが重要だと思います。出産費用のゼロや小児医療費のゼロ、こういった子育て支援に加えてですね、教育の充実などは必須の課題だと思います。中学校給食も市長が公約で掲げる全員喫食が法にも叶い子育て世代からも選ばれる最低限の要素だと思います。中学校における給食は教育の一環です。それを取っても取らなくてもいいと、選択式とするのは公平性を重んじる教育にも反すると思います。教育課程の状況によって差が出るやり方これやっぱり私はまずいというふうに思います。でさらに今のデリバリー、長期的な財政的視点で見れば運営費が最も高くなる。財政的にもどこかで舵を切らなくてはいけないと思います。
ここで、私どもが今取り組んでいる市民アンケートの返信が今8000人を超えています。8000人を超えたアンケートの中には様々なご意見寄せられています。その中で、自由意見の中で30代の女性からこんな意見が寄せられています。「うちの子どもは今1歳半です。彼が中学生になる頃、他の都市では当たり前のように食べられる中学校給食が食べられる横浜市にしてください。市民はずっと見ています。二人目も考えたいですが、出産費用や保育所の激戦、給食問題、どれを取ってもさあ、もう一人!という気持ちにはなれないです。少なくとも後押しを、今してくれるという要素はゼロだ」と、こういった意見が寄せられています。子育て世代の定住を促進するということは、この方が思っている、こう思っている現状をですね、やっぱり切り替えなきゃならないというふうに思います。市長、コメントいただけますか?
山中市長:さまざまな市民の方々のメッセージ、ご意見、私のとこにも寄せられておりますので1人でも多くの市民の方が住みたい、住み続けたいと思える町にする。そのための施策、子育てのための政策を展開して参りたいと思います。
古谷議員:最後のスライドをご覧ください。明石市を紹介したいと思います。明石市では街の好循環が実現をしています。この映像は明石市長の名詞に刷り込んであるものです。明石市ではですね、子ども部門の予算を10年間かけて2倍にしています。小児医療費は、高校生まで所得制限なしで完全無料。中学生の給食費も完全無料、保育料も第二子以降完全無料、遊び場は親子共に利用料が無料、おむつも満一歳まで無料などの5つのゼロと言っているようですが、こういったものですね政策を打って、人口が増え賑わいが生まれ、そして地価も上がり、市税収入も増えると、実際に増えているということですから、非常に好循環になってるんだろうなという風に思います。こういったですね、先程の流山の事例もありましたが全国の先進事例、しっかり学んでですね、本市も選ばれる街に、市になっていただきたいというふうに思います。ここも市長、所管伺っていいですか?
山中市長:子どもが進みやすい、子どもを抱えるご家族が住みやすい街にするというのは、私としても1丁目1番地だと考えてございます。本市はですね、例えば今明石の例を出されましたけれども、明石の十倍程度でしょうが、十倍以上でしょうかね、人口を抱えてございます。ですのでそういった様々な要素を勘案しながら、市民のために最適な子育てのための政策を展開していく、その決意です。
古谷議員:是非お願いしたいというふうに思います。子育て世代の定住常促進だけではなく、これから高齢化の社会にもありますから、シニア世代にとっても健康寿命を長く、元気なまちにするにはどうするのか、これは本当に大きな課題だと思います。医療にアクセスしやすく健康で誰もが住んでみたい、住み続けたい街に、横浜市が目指していくんだと、こういうメッセージもですね、この財政ビジョンを通じて市民にもメッセージを出すべきだと思いますが、市長の見解伺います。
山中市長:市民の皆様が未来に希望を持ち、多くの方に選ばれるまち、そういった町にしていくためには持続可能な財政運営、市政運営なくしては実現はいたしません。そのためにまず財政ビジョンによって、将来のあるべき姿をお示しし、それに向かって市全体で向かっていく。そのスタート地点に立ってございます。今後ですね、財政の持続性を確保した上で、きちんと横浜の魅力・活力を更に高めていくための総合的な政策を展開してまいります。
古谷議員:今後の財政状況について、このビジョンでも出されていますが、まだまだ前提条件から見れば、非常に流動的だと思っています。コロナ前の財政状況から長期的推計見るというのはあまりにも早計だというふうに思います。今後のですね国の人口推計と比べても本市のですね人口推計のピークが遅く、現象のカーブもゆるやかだと、ビジョンでも分析をされています。あまりにも今回の財政ビジョンは、財政の状況が厳しいんだと、このことを強調しすぎだというふうに思います。横浜市の長所でもある個人市民税が多い状況、これをさらに伸ばしていく、そして選ばれる街にするために是非頑張っていただきたいという風に思いますし、私達からもしっかり建設的提案を出していきたいと思いますし、議会はその大きな責任を負っているという風に思います。以上です。
日本共産党代表しての質問を終えます、ありがとうございました。