動き出した横浜「花博」莫大な費用とイベント後の土地利用が課題
「花博」開催運営の協会設立
2027年に横浜市内で開かれる国際園芸博覧会=「花博」を運営する組織が11月15日に設立されました。国際園芸博覧会協会の会長には、経団連の十倉会長が就任し、山中竹春横浜市長は副会長として、花博の開催と運営を担うとしています。事務所を中区本町4丁目に設置し、事務局は横浜市職員が大半を占めます。
花博は、瀬谷区と旭区にまたがる旧米軍上瀬谷通信施設で、2027年3月から9月に開催される予定です。テーマは「幸せを創る明日の風景」とし、花・緑・農をコンセプトに「花き」や庭園などの展示が行われます。山中市長は、協会設立式典で「舞台となる旧上瀬谷通信施設は、実に242ヘクタールもの広大な土地です。この跡地からアフターコロナの新しい時代を切り開く自然と共生した豊かな都市像を世界に向けて発信していく所存です」とコメントしました。
建設費320億円・運営費360億円はかけすぎ
花博にかかる費用は、建設費に320億円、運営費に360億円と市は試算しています。建設費は国と地方自治体、民間企業が3分の1ずつを出し合い、運営費は有料入場者からの収入等で賄うことを想定しています。
協会設立式典で、十倉会長は「資金集めが課題」と述べ、東京五輪に続き、27年には大阪・関西博覧会も控えていて、さらに横浜花博に資金を回すことは容易ではないことを表明。また、運営費360億円を賄うためには、入場料3500円程度のチケットを1千万人が購入しなければなりません。28億円の赤字を出したY150の「失敗」を繰り返してはなりません。
上瀬谷ラインは抜本的な見直しを
花博に向けて、相鉄線瀬谷駅とをつなぐ新交通システム「上瀬谷ライン」が計画されています。事業費は約700億円にのぼる見通しです。しかし市が事業参画を依頼した横浜シーサイドラインからは、事業採算性が見通せないことから、新交通が必要かどうかを含めて再検討を求める声が出されています。それは、花博後の巨大テーマパーク構想などの跡地利用の見通しが立たないためです。そもそも巨大テーマパーク誘致は自然を破壊し、公有地の活用方法として不適切なため市民合意がありません。
党市議団は、失敗すれば多大な市民負担となる新交通システムではなく、花博会期中のシャトルバス運行を主とする現実的な計画に改めるよう引き続き提案していきます。
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