みわ委員:日本共産党のみわ智恵美です。日本共産党を代表して質問いたします。
委員長、スライドを使いますのでよろしくお願いします。
麓副委員長:はい。
みわ委員:教職員の働き方改革について伺います。
昨年の予算議会でも取り上げまして、横浜の教育職員の過酷な働き方の実態が浮き彫りになりました。働き方改革実践の2年度目、2019年度における時間外勤務月100時間超えの教育職員の校種別の人数、実際に産業医面談を行った人数、ストレスチェックでの高ストレスの割合と人数、産業医面談に行った人数はどうだったのか、示してください。
古橋教職員人事部長:令和元年度に一度でも時間外勤務時間が月100時間を超えた教職員は、小学校で約600人、中学校で約1900人、特別支援学校で約20人、合計で約2500人です。そのうち産業医の面接を受けた者は、年間で56人です。
令和元年度に実施いたしましたストレスチェックにおける高ストレス者の割合でございますが、13.7%、人数は2135人で、このうち産業医の面接を行ったのは32人です。
みわ委員:面談に行った人が大変少ないのは変わっていません。この実態をどう考えていますか。
古橋教職員人事部長:産業医による面接指導は、本人からの申請によって実施するものでございますが、対象の方にはできるだけ受けてほしいと考えております。長時間勤務の対象者には、庶務事務システムを通じて、産業医による面接指導を受けるよう促すメッセージを表示したり、心身の健康状態を尋ねる問診表を配付するように改善なども行っております。そして、専門職が、問診票の回答や健康診断の結果から健康障害の発生リスクが高い職員を抽出して、電話による体調確認も行っています。あわせて、学校の上司に対しまして体調確認や産業医面接の勧奨を依頼しています。昨年度は約1200人に実施をしてございます。また、高ストレス者については、個人情報の保護のためストレスチェックの結果を管理者が取得することができませんので、本人に直接面接を勧奨するということができません。そこで、教職員全員に対しまして面接の重要性を伝え、勧奨をしてございます。
みわ委員:大変少ない2%とか1%という実態は深刻だと思います。教師の豊かな教育実践が行われるようにとの目的で立てられたこのプラン実践2年目の実態、教育長はどう受け止めておられますか。
鯉渕教育長:プランにおきまして月に80時間超えをゼロ%にするという目標と午後7時までの退勤を70%以上にするということを目標に掲げておりますが、一気に達成できていないのはそのとおりだとは思いますが、80時間超でいえば、今年度にかけて2割程度ずつその割合が落ちてきているのは確かな状況ですので、成果は一定上がってきているのかなと思っております。
みわ委員:2020年3月31日に、教育長は、横浜市立学校の教育職員が行う業務量の適切な管理等に関する規則を公布されました。この第3条1項、教育職員が業務を行う時間の上限の範囲を述べてください。
鯉渕教育長:月45時間です。
みわ委員:コロナ禍の中で学校が再開した後、2020年10月から2021年1月までの時間外勤務月45時間超えの教職員の校種別の割合を示してください。
古橋教職員人事部長:令和2年度の10月から1月の間で時間外勤務時間が月45時間を超えた教職員の割合でございますが、小学校で42.2%、中学校で51.8%、特別支援学校で10.3%、高等学校で37.8%、全体で42.6%でございます。
みわ委員:少しずつの改善と先ほども言われましたけれども、公布した規則で決めている時間外勤務月45時間以内が達成できていない、この大きな原因は何だとお考えでしょうか。
古橋教職員人事部長:本年度は、新型コロナウイルスの感染症拡大などによって、現場で様々な対応というのをしております。ですので、職員の時間外勤務時間も、月によってかなり差が出てきているような状況でございます。教師は、生徒の健康管理や消毒作業などについて、業務というものを行いながらやっていると思っておりますので、これらが時間外勤務時間が増えた要因ではないかというふうには思ってございます。ただ一方で、臨時休業であったり、教育活動再開の後は部活動や行事など、出張なども一定程度制限をしているので、そこら辺は減の要素とはなってございますが、様々なものが合わさっているというふうに思っております。
みわ委員:大変な業務がある中で、では、その条件はどうなっているかということで、今年度5月1日現在の欠員臨任、代替臨任の人数、また、12月1日時点の未配置の人数を示していただき、また、未配置の意味を示してください。
古橋教職員人事部長:令和2年度5月1日における教員の欠員に対する臨時的任用職員の人数でございますが、小中義務教育学校で463人、また、産休や休職等で教員の代替臨時的任用職員は707人です。
それと12月1日時点の未配置の人数でございますが、教職員は欠員や休職等が生じた場合には臨時的任用職員や非常勤職員を配置してございますが、全国的に人材不足が大きな課題となってございます。代替の教員を確保するというのは非常に困難な状況でございます。12月1日時点の代替教員の未配置の人数は38人でございます。
みわ委員:教育職員の未配置による学校への影響についてはどのように考えていますか。
古橋教職員人事部長:代替の臨時的任用職員や非常勤講師が未配置の場合、担任が不在とならないように、それぞれの学校内では担任を替えるなどの対応が必要となってまいります。担任を持たない児童支援専任教諭などが分担して授業を行う必要が出てくるということでございますので、専門外の教科の指導が難しいことや、教員一人一人の負担が増えてしまうなど、学校経営には少なからず影響があるかなと思っております。こうしたことができるだけ起こらないように、人材の確保に全力で努めてまいりたいと思っております。
みわ委員:133日間未配置が続いた学校があると聞いています。未配置は、現場の教職員が過剰勤務となる、あとは何よりも子供たちに向けるまなざしも削られることになると思います。
子供達に対してどのように考えているか、伺います。
直井学校教育企画部長:教員がきちんといるということがもちろん望ましいことではあると考えています。ただ、学校はチームでやっておりますので、皆が少しずつ負担をしながら、子供たちのことをやはり一番に考えながら授業をやっているという意味では影響があるとは思いますが、やはり影響を最小限に食い止めるように、教員は組織で、学校で、頑張ってくれているというふうに考えています。
みわ委員:この人がとにかく集まらないということは、その臨時的任用という不安定な働き方、雇用調整弁としての人材活用を前提として横浜市がこれまでの雇用を行ってきたことが問題だと思います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)必要な教育職員をきちんと雇用することが大前提です。
欠員未配置を出さないような数の教育職員をきちんと採用するべきと考えますが、いかがでしょうか。
鯉渕教育長:そうした方向で、今現在、努力しております。(「ずうっと放置してきたじゃないか」と呼ぶ者あり)
みわ委員:教育現場はコロナ感染拡大防止に対応した新たな授業の工夫、一人一人のつまずき、悩みに寄り添う、そして消毒作業や手洗い指導、まさに息つく暇のない大変な教育職員を支えるためにも教育長は時間外勤務は月45時間以内、年360時間以内という規則を公布した責任においてこの点を果たすべきと考えますが、いかがでしょうか。
鯉渕教育長:45時間というのは規則で定めましたので、私どもはそれが長期的な目標だとは思っておりますが、働き方改革プランでお示しした80時間超をゼロにするということを今現在できておりませんので、まずはこれを何とか達成したいと考えております。その上で、45時間にトライしていきたいと思います。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)
みわ委員:決めた規則が目標だというふうな、遠い目標のように聞こえます。
横浜には、国と比べても過大な余剰時数となっている総授業時間数の問題があります。余剰時数を減らすことに、今、本気で取り組むべきではありませんか。
直井学校教育企画部長:国が定める標準授業時数を超えて設定している時数につきましては、子供たちに身につける力を育むために、各学校が状況に合わせて設定しているものでございます。また、インフルエンザの休校でありますとか学級閉鎖でありますとか、そういうところに対する不測の事態により減ってしまうということについても、各学校は余剰を設けております。一方で、国が通知しているとおり、大幅に標準授業時数を超えることは教員の負担になるとも考えております。各学校では、こうしたことも考慮しながら、教育課程を編成する際に適切に授業時数を設定していると考えています。
みわ委員:国は、その不測の事態で減っても問題がないというふうにも通知しております。そういう中で、本当に今、思い切ってこの余剰時数を減らすことを行わなければ働き方改革は進まないのではないでしょうか。教育長、いかがでしょうか。
鯉渕教育長:この国が定めております標準年間総授業時数というふうに言っておりますが、最低限確保しなければならない時間というふうに私どもは考えております。また、そのように指導されております。これに基づきまして、各学校では、児童生徒の学習状況に応じて全ての教科等において十分な授業時数を確保するということで、学習内容が確実に定着するよう努めております。各学校が児童生徒に必要であると定めた時数につきまして、教育委員会から一律に時数を削減すべき旨の指導をすることは考えておりません。
みわ委員:次に行きます。学びの基本は、やはり対面で個々の児童生徒に目を配ること、子供たちは共通の空間で学び合うことができるよう、感染症対策とゆとりある教育を実現するための条件である少人数学級が市民の願いとなっています。
6月当初の学校再開では分散登校で、クラスの人数が20人程度となりました。このときの教育職員や子供たちの反応や声を教育委員会はキャッチしているでしょうか。
鯉渕教育長:把握しております。
みわ委員:その声を紹介してください。
鯉渕教育長:20人以下を体験したのは多分初めてではないかと思いますが、やはり一人一人に大変目が行き届くということで、また、感染症下での問題でしたので、距離を取りやすいということでも評価されております。
みわ委員:本当にその声を生かしていきたいと思います。昨年末、文部科学省と財務省が関係法律を改正し、小学校全学年の35人学級を5年かけて行うことに合意しました。しかし、実際に国際的に見ると、35人というのは大人数学級です。これまで財務省が少人数学級はエビデンス、効果がないと断固言い張っていました壁は、国民の運動がぶち破ったと言えます。
私たちは計画的に20人以下の少人数学級にしていくべきと考えておりますが、今教育長が言われたように、本当に現場が経験したその思い、20人以下の学級にしていくことについて見解をどうお持ちでしょうか。
鯉渕教育長:私どもは現場を抱えておりますので、現在、35人以下の学級数だけでも、毎年の採用人数を100人程度増やさなければなりません。今、平均として700人前後の採用を毎年やっていると思いますが、残念ながら、この700人の採用に向かって2倍程度の倍率ということで、相当苦慮しております。35人以下学級が決まりましたのでとにかく100人さらに上乗せをいたしますが、そうした募集との兼ね合いもありますし、では学校を突如2倍にできるのかといったら、そんなことはありませんので、現実的な対応ということで段階的なステップを踏もうと考えております。
みわ委員:私たちは、これはぜいたくでも何でもない、今も密な環境で学んでいる子供たちに必要最小限の安心の条件が少人数学級だと考えております。3か月間の学校休校は子供たちに格差とストレスを広げ、学校はこれを受け止める重要な場となっております。
教育長も少人数学級の効果を真正面から認めておられ、現場はなかなかだと話されましたけれども、計画的に段階的に20人程度の学級にする、一歩ずつ横浜市として少子化の中で取り組んでいくことができるのではないでしょうか、いかがでしょうか。
鯉渕教育長:現在、文部科学省、国におきまして、35人学級を5年間かけて推進するという方向性を出しております。これに追いついていくだけでも、先ほど来からやり取りがあるとおり、採用者数、それから教室の増、相当な苦労をすることになりますが、こういう計画的で実現性のある、私はアッパーの提示だったのではないかと思っておりまして、それを確実に実施していくのが教育委員会の責任というふうに考えております。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
みわ委員:一方、国は、中学生の少人数学級について方針を示していません。横浜市の中学校は30人以上の学級が6割です。
積極的に35人以下にと中学校でも進めていくべきと考えますが、この点はどうでしょうか。
鯉渕教育長:国は、中学校の35人以下学級も念頭に置いております。小学校での35人以下学級を実施する中で、効果を検証した上で検討したいとしております。本市としては、小学校での段階的な計画をまずは着実に実施しつつ、今後も国の動向を見守っていきたいと考えております。
みわ委員:日本共産党の畑野君枝議員が質問をして、菅義偉首相がお答えになったのは私たちも承知しておりますけれども、そういう中で、全国の自治体で中学校の少人数学級への取組はどのようになっているのか、教えてください。
鯉渕教育長:基本的には文部科学省からのルールどおりで動いていると思いますが、ごく一部に、さらに少人数学級化を進めている自治体があることは承知しております。
みわ委員:そうですね、たくさん進めております。本当に今の横浜の状態は、3密を避けるとはどこの話かと思うような状況で、ぜひとも中学校での少人数学級を横浜でも計画的に進めていただきたいと思います。
次に、特別支援教育の取組の拡充についてです。
次の2枚のスライドは、特別支援教育総合センターの資料です。(資料を表示)こちらは障害種別の相談件数の経年変化で、2012年の3615人の相談が2019年には4666人と約1000人増えています。その中で、自閉等と要配慮で約900人増えています。全体の件数を引き上げているのは自閉等と要配慮ということが分かります。
この増加についての見解を伺います。
佐藤インクルーシブ教育担当部長:障害というようなことで、対象としてきたお子さんたちの広がりというふうなことだろうと考えております。特別支援学校で学ぶお子さんだけではなく、通級指導教室、個別支援学級、そういったところで学ぶお子さん、また、一般学級でも、非常に配慮を要するお子さん方が増えているというところは、こういった知的な遅れを伴わない発達障害等のお子さんが増えているというところをまさに示しているものだと考えております。
みわ委員:次のグラフは、その4666人の今述べられました知的遅れのないとされる割合が水色のところとオレンジのところを合わせて約70%と示しています。自閉的傾向や要配慮の子供たちが安心して学ぶことができるように、学校の種別を超えて特別支援教育関連の研修を子供理解の観点からさらに拡充していくべきと考えております。管理職の研修も実施していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
佐藤インクルーシブ教育担当部長:特別支援教育関連の研修ということでは、これまでも実施をしてまいりましたけれども、実際に特別支援教育に従事をしている教職員の研修だけではなく、全ての校種の教員に対する研修も充実しております。また、管理職につきましては、児童生徒一人一人のニーズに応じた適切な指導、支援を行っていくために、また、先ほども申し上げましたとおり、一般学級においても特別な支援を必要とする児童生徒が増加しているということで、今年度から新たに管理職向けの研修を実施しておりまして、校内支援体制の一層の充実を図ってまいります。
みわ委員:高等学校ではどうですか。
直井学校教育企画部長:高等学校につきましては、現在、市立の高等学校については例えば通級指導教室等についての指導は行っておりません。ただ、各学校では、やはり生徒一人一人に応じた指導とか支援を行うために、教職員全体で情報共有をしたり、障害特性を理解したりというような研修を各学校で取り組んでいるところでございます。特別支援教育のコーディネーターを中心といたしまして、校内支援体制の充実や、各教科等の授業でどういう指導を工夫できるのか、発達障害のある中高生を対象とする相談機関との連携等、通級指導教室等は設けておりませんけれども、各学校で取り組んでいるところでございます。
みわ委員:ぜひ充実をお願いします。
最後は、中高一貫教育校における連携問題ですが、中高一貫教育校の中学校から進学してくる生徒の個別の課題について高校ではどのように情報を共有していますか。
直井学校教育企画部長:高等学校及び附属中学校の合同職員会議等において、生徒に関する情報交換を密に行うとともに、中高同一のスクールカウンセラーが配置されておりますので、校内における中高の生徒指導組織の一体化等、教職員が組織的に指導に当たる体制を整えております。また、高等学校への進学に当たっては、担当者同士が情報交換の場を持つなど、生徒の個別の課題についても共有することで、きめ細かい生徒指導につなげるようにしております。
みわ委員:中学校でカウンセラーを受けていた方が高校に行ったらその対応がなくて大変不安になったという事例を聞いています。そのようなきちんとした連携ができいない場合もあったのではないかと思いますが、連携のための新たな取組がありますか。
直井学校教育企画部長:中高同一のスクールカウンセラー等の配置につきましても、現在も直近で進めているところでございますので、今までの中では少し不安なところも実際の取組としてあったとは思いますけれども、今後そうならないように、連携するような形で今進めているところでございます。ぜひ学校にも相談していただきながら、また、難しい場合には私どものほうにも相談していただきながら、うまく子供たちを導いて支えていかれたらというふうに思いますので、よろしくお願いします。
みわ委員:せっかく連携をつくってある中高一貫教育校ですから、本当に子供たち一人一人の心身の発達や個性の確立など、正面から向き合って対応していただくように求めまして、質問を終わります。