林市長は、横浜の将来の発展にとってIRカジノが必要だとして、市民に一度も是非を問わないまま、山下ふ頭への誘致計画を押し進めています。しかし、IRカジノに頼らず将来性のある山下ふ頭の再開発、街づくりは十分可能として、具体的な提案を発表している市民がいます。
4月8日、日本共産党市議団は、横浜市が2019年に山下ふ頭の再開発に向けて事業者に構想案を募った際に、「非カジノ構想」を提案した山本理顕設計工場の山本理顕氏(建築士・名古屋造形大学学長)と、共同提案者の株式会社アーキネット代表取締役の織山和久氏(学術博士)らと懇談しました。
山下ふ頭に文化花開く「世界町家」を
山本氏は、世界の歴史的な観光地は全て、住民自らの経済活動によって生み出されたもので、住民たちがつくり上げた魅力的な生活環境が多くの観光客を引き寄せていると指摘。横浜の中心部にある山下ふ頭は、「市民が住みながら働くまち」「横浜市民のためのまち」にしていくことを提案しています。
具体的には、イタリアの水都・ヴェネツィアを成功モデルとし、京都の伝統的な「町家(まちや)」―居住しながら、商店、飲食、宿泊、手工業等が営まれる居住空間―を現代的な4階建てで構成し、5千戸・2万人が暮らす職住一体型の居住空間をつくる。上層部は4千室のホテル、下層部は商業など大型施設、北側にはMICE施設を配置するというもの。また、文化形成をする上で「住民自治」が要であり、この視点が計画には不可欠だと強調しました。
世界的な港はシンボルがある
横浜のシンボルがカジノで良いのか
山本氏らは、世界的に有名な港には、その地の歴史や文化を代表するシンボルがあると話します。ニューヨークには自由の女神像、シドニーにはオペラハウス、ハンブルグにはエルプフィルハーモニー(コンサートホールにレストラン・居住空間を設けた総合施設)など。横浜のシンボルは、本当にカジノで良いのかと疑問を投げかます。
また、コロナを受け、「三密」を基本とし莫大な建設投資を必要とするIR型のカジノは、すでに斜陽産業になっていると述べ、そんな未来の見えない計画を押し進めることは、全く理解できないと話しました。
カジノ反対の新市長で
カジノはストップできます!
山本氏の提案は、カジノ施設なしの構想のため、横浜市が現在行っているカジノを中核としたIR事業の事業者募集には応募できないと話します。なぜカジノありきなのか、カジノの無い再開発の検討も合わせて行うべきだと強調しました。
懇談を終え、あらき由美子団長は、市民からのこういう提案があるのに、林市長はIRカジノは「国家的プロジャクト」だからと遮二無二に推し進めている。夏の市長選挙で、カジノ反対の新市長が誕生すれば、国への申請が行われずカジノ誘致計画をストップできる。市民と力を合わせて頑張り抜くと決意を述べました。
PDF版はこちらです