議会での質問・討論(詳細)
2018年10月17日

■交通局(宇佐美さやか)

◆宇佐美委員 日本共産党の宇佐美さやかです。党を代表し質問します。よろしくお願いいたします。
 まず、バス乗務員のトイレの設置状況についてです。
 この間、私たちは何度もこのトイレ問題を取り上げ、少しずつ局も改善してくださってはいますが、トイレの設置状況で、バス起終点数66カ所のうち、詰所施設内や公衆トイレなどが設置されているのが45カ所と聞いていますが、コンビニや公共施設などの近隣施設をお借りしているところも少なくないと聞いています。近隣施設をお借りしているのは何カ所になりますか、伺います。
◎瀧澤自動車本部長 今委員がおっしゃったとおり、バス起終点である66カ所のうち、詰所施設のトイレや公衆トイレがある箇所は45カ所でございますけれども、近隣施設等のトイレを借用している箇所は21カ所となってございます。
◆宇佐美委員 21カ所お借りしている状況となっているということですが、私はこのままでいいとは思えません。なぜならば、この21カ所のうち4カ所が利用時間に制限があるからです。早いところでは16時に近隣の商業施設が閉まってしまうところもあります。16時以降にバスがそこまで行かないということではないということですから、時間に制限のあるところには早期にトイレを設置していくべきと考えますがどうか、伺います。
◎城交通局長 トイレの利用時間に制限がある起終点については、現在は、同じダイヤの中でトイレの休憩時間を別に確保できるようなダイヤも組んでいるところですが、おっしゃるとおり乗務員にとってトイレというのは非常に切実な問題と考えておりますので、今後、乗務員の利用できるトイレの設置に向けて、実はさまざまな課題があります。土地の問題であり、権利関係の問題等いろいろありますが、調整は粘り強く進めていきたいと考えています。
◆宇佐美委員 切実な問題というふうに捉えていらっしゃるということですが、トイレに行かれないことで水分を控えると、尿管結石や熱中症、脱水症状といった水分補給不足にかかわる病気だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞も多くなり、さらに水分をとらずに長時間同じ姿勢でいることから、血栓ができやすくなると医師が警鐘を鳴らしています。いつでも安心してトイレに行かれるように環境を整えるのが交通局の仕事です。運転手の命と健康を守ることは利用客の命を守ることにつながるのですから、責任を持って設置するべきと考えますが、見解を伺います。
◎城交通局長 先ほどもお答えしたとおり、乗務員にとってトイレは切実な問題で、ダイヤも今までは、中には3時間以上トイレ休憩がないというようなダイヤもありました。そういうものをダイヤの工夫によって短縮していくというようなことも取り組んでおりまして、さまざまな取り組みの中で乗務員が乗務しやすい状況をつくっていかなければいけない。その中にトイレの問題があるわけで、さまざまな努力をしていきたいと思っています。
◆宇佐美委員 ぜひ、努力を重ねていらっしゃることは存じておりますけれども、先ほど申しました心筋梗塞や脳梗塞などで健康を害したことが起因となった運転中の事故は全国で3年間に450件起きているという報道がされています。このことからも、トイレの設置を重ねて要望します。
 そして、私が以前からお願いしていた神大寺折り返し場のトイレ設置は、環境創造局との協議次第と、あとは交通局がお金を出すかというところまで来ていると聞いています。ぜひお金を出して早期に設置していただきたいと思います。先ほどから申しますようにトイレは人権です。真剣に取り組んでいただきたいと重ねて要望し、次の質問に移ります。
 次はバス停の上屋とベンチについて伺います。
 まず、企業が出資し設置する広告つき上屋及びベンチの過去5年間の設置状況を伺います。
◎瀧澤自動車本部長 平成25年度から平成29年度までの5年間で、広告つき上屋を51基、広告つき上屋に附属するベンチを46基設置しております。
◆宇佐美委員 今、うちの神奈川区内の事務所前に広告つき上屋をつけていただきまして、多分利用する方は相当便利になったと思うのですが、それでは、過去5年間で局独自に設置した上屋及びベンチの数を伺います。
◎瀧澤自動車本部長 平成25年度から平成29年度までの5年間で局直営で上屋を11基、ベンチを104基設置しております。
◆宇佐美委員 それは受贈も足してということでしょうか。
◎瀧澤自動車本部長 こちらは局直営で設置したものでございます。
◆宇佐美委員 ちなみに更新も足していますか。
◎瀧澤自動車本部長 更新も足した数字でございます。
◆宇佐美委員 更新は新設ではないです。
 広告つき上屋はバス利用者や通行人、通行する車が多いバス停に企業側の設置したい思いと、上屋を設置したい局にとってお互いにありがたい話ですし、何よりもバスを利用される方々にとってもありがたいことですが、問題は、バス利用者も通行人も車通りも少ないバス停については企業側は設置するメリットがないとして設置してくれません。これは利益を求める企業にとっては当然のことです。しかし、先ほど、この5年間で局独自に設置した上屋とベンチの数を聞くと少ない気がします。なぜ局独自の上屋とベンチの設置が進まないのか、その理由を伺います。
◎城交通局長 委員御指摘のとおり、交通局では、平成16年度より広告つき上屋を採用いたしまして、交通局の費用負担なく上屋の整備、維持管理を行うといった取り組みをしているところでございます。限られた予算の中で上屋について、民間の力をかりながらできたという意味では非常に有効な取り組みだったわけですが、おっしゃるとおりかなり広告価値のある場所が設置の中心になるということは御指摘のとおりだと思います。一方で、そうでないところというのは、道路、歩道の下に埋蔵物等があったり、制限があったりということで、広告つき上屋がつけられるところでも、意外と実は物理的な制限が多かったりするわけで、さまざま優先順位をつけながら、広告つき上屋がつけられるところは広告つき上屋、そうでないところは直営でつけていくといった対応で今まで進めております。
◆宇佐美委員 一生懸命理由を言っていただいたのですけれども、そもそもの予算が広告つきを当てにしていないでしょうか。広告つきを当てにして予算が少ないことが問題だと私は思っています。広告つきを当てにしていませんか、伺います。
◎城交通局長 広告つき上屋を大変当てにしております。これまで非常に経営が厳しかった中で、お客様のニーズに少しでも応えていく。そういう意味では、民間の力をかりながら上屋を整備したというのは有効な取り組みだったと考えています。この間、224基の広告つき上屋が設置されておりまして、交通局が直営で設置した場合、9億円かかっていただろうと。そういう意味での費用削減効果はあったと考えています。こうしたことから、基本的には広告つき上屋は今後も推進してまいりますし、先ほど申し上げたとおり、広告つき上屋の設置の対象とならないような場所で物理的にそれが許される場所に直営での設置を今後検討していきたいと考えております。
◆宇佐美委員 ありがとうございます。ぜひ企業に頼りたくなるというか、断言されましたけれども、頼っているということですが、利用者を第一に考えるということでしたら、やはり利用者が少ないところも設置を進めるために、広告つきにこだわらず予算をふやしていただきたいということを要望し、次の質問に移ります。
 次はバス、電車や駅構内にある広告について伺います。
 バス車内や電車内、駅構内の広告については掲示について何かしらの制限があるのか、伺います。
◎吉田営業推進本部長 当局が取り扱う広告につきましては、表示内容や業種について広告の掲出審査基準を設けております。こちらに従いまして、公序良俗に反したり不適切な表現などお客様に誤解や不快感を与えるものは許可しないなど、事前に審査を行っております。
◆宇佐美委員 先日、市民の方から、市営バスの広告で怒っていますという電話が入りました。この方は、公営のバスにパチンコ店の広告があることが許せないとお怒りでした。ギャンブル依存症と疑われる人は、厚生労働省の調査で320万人いると言われています。ギャンブル依存症とパチンコ、パチスロの関係は誰もが認めるものです。国はIR実施法に先立って、ギャンブル等依存症対策基本法を成立させています。ギャンブル依存症対策が求められている中で、市がギャンブル依存症の患者をふやすことに加担していいのでしょうか。直ちに掲示をやめるべきと考えますが、見解を伺います。
◎城交通局長 パチンコ広告については交通局も規制はかけておりまして、例えば必ず勝てるかのような誇大な表現を禁止するとか、あるいは射幸心を著しくあおる表現をしないといった規制をしております。また、全体の掲出量についても枠規制をかけておりまして、過剰感がないように上限を設けております。そういう意味では、東京都は禁止をしておりますけれども、他の公営交通事業では全面的に許可をしているという中で、横浜市営交通の場合は、他事業者よりも厳しく取り扱っているという実態がございます。今後も他都市の事例を参考にしながら、公営交通として適切に対応してまいりたいと考えております。
◆宇佐美委員 他都市の事例を参考にするのでしたら、東京都の事例を参考にしていただきたいと思います。
 私がきょうバスに乗っていたときも、パチンコ店に来るとポイントがたまりますということを書いて動画で載せているのです。秒数も結構長いことやっているように思えるのですが、いかがですか。
◎城交通局長 パチンコの表現、私はパチンコはよくわかりませんけれども、例えば、出玉最高とか甘くぎだとか、必ず勝てるような表現とかはお断りをさせていただいていて、また、枠数も、先ほど申し上げましたけれども、例えば地下鉄の場合だと中づりは2枠までですというような、過剰感のないような事前調整を図っておりますので、今の基準の中で、広告業界からのニーズも一方ではある。そういった中で我々としては審査基準を持って対応していきたいと考えています。(「市営交通なんだから」と呼ぶ者あり)
◆宇佐美委員 もっと厳しくしていただきたいと思います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)広告料収入が欲しいのは理解できますが、バス、地下鉄も駅も子供や18歳未満の未成年も利用します。誰もが安心して利用できる空間にしていただきたいと要望し、次の質問に移ります。
 最後に、横浜駅西口バスターミナルについて伺います。
 今現在、横浜駅西口の工事が続いています。エキサイトよこはま22の計画で、西口のバスターミナルの再整備は計画区域に入っていますか、伺います。
◎城交通局長 エキサイトよこはま22の基盤整備の基本方針では、横浜駅西口駅前広場の再編として、路線バスの集約化、タクシーの分散配置が掲げられておりまして、西口バスターミナルの再整備は計画区域に入っていると聞いております。
◆宇佐美委員 先ほど言っていただいたのですが、2009年12月に都市整備局が作成したエキサイトよこはま22の冊子にはこうあります。先ほど局長がおっしゃっていただいたように、基盤整備の基本方針の2の駅前広場の施設整備の基本方針で、駅前広場の整備、バス乗り場は観光客を含む初めての利用者にもわかりやすいよう集約化とあり、取り組み内容では西口駅前広場への路線バス乗降場の集約化とまであります。局長、先ほど言っていただきましたが、交通局としてこの計画に意見を出すことをしなかったのか、伺います。
◎城交通局長 現在、駅前広場再整備が行われておりまして、現在工事中の駅ビル、それから馬の背解消事業に合わせた歩行者空間の整備ということで、西口駅前広場についてはできる範囲で最大限使いやすくするという形になっております。そういう意味では、現在の工事についてはバスターミナルそのものは対象となっておりませんので、私どもから意見を出しているということはございません。
◆宇佐美委員 残念ながらバスターミナルは入っていないのです。私は、毎日西口からバスで帰宅する利用者でして、現在のバスを待つ乗降場は本当に狭くて、夜は薄暗い中でバスを待つという状態になっています。バスの遅延時や三ツ沢総合グラウンドでサッカーの試合などがある日は、本当にバスを待つ人の列が階段の下まで続きます。今の乗り場の狭さでは、車椅子の方やベビーカーを押すママにとって、本当に混雑する中で目指すバス乗り場まで行くのは至難のわざです。本当に今の状態だと、階段を上らないと必ずバス乗り場に行かれないという、エレベーターはあるけれども、すんなりと陸上へ行くことができない。この状態はバリアフリーからほど遠い環境にあると思いますが、局長はどう思われますでしょうか、伺います。
◎城交通局長 横浜駅西口バスターミナルは、御利用のお客様が大変多く、なおかつスペースが非常に狭隘で、また、たくさんのバスがそこに集中をしているといった問題からさまざまな制約があり、課題があるということは十分認識をしております。交通局としては、今後バスターミナルそのものの再整備が進んでいくのであれば、その際には、関係事業者と協力して、計画段階から積極的に意見を出していこうというふうに考えています。
◆宇佐美委員 西口の駅前広場の再整備を機に乗降場も整備を検討していただきたいと思うのです。バスを利用されている方々の声もその際はぜひ聞いていただきたいと思います。毎日利用する方々の意見が反映されるようにしていただきたいと考えますが、見解を伺います。
◎城交通局長 私も、前の職場ではあそこのバスを使って市民病院まで通っていましたので状況はよくわかっております。そういう意味では、お客様にとって利用しやすいバス停がある。これは交通事業者がきっちり事業者に対して言っていかなければいけないことだというふうに考えておりますので、お客様の声を踏まえた議論をしていきたいと考えています。
◆宇佐美委員 一回階段を上って間違えてしまうと、もう一回おりなければいけないというこの状況を改善していただきたいと思います。西口バスターミナルは地下の工事も伴うことから再整備が簡単にできないということも承知していますが、利用者やバスの運転手の意見も聞きながら再整備することが望ましいと考えますが、副市長の見解を伺います。
◎平原副市長 委員がいろいろ西口のバスターミナルについて課題を御指摘いただきましたけれども、私どもも全くそのとおりだと思っているのです。それはきちんと認識しているところでございます。ただ、西口の駅前広場というのはあの大きさでしか今はなくて、限られたスペースということがございます。そこにいろいろな機能を詰め込んでおりますから、構造的にも難しい対応になっているというのが現状でございます。我々はエキサイト計画の中で、駅前広場を少し広げられないかということで、周辺の建物建てかえのときに、少し駅前広場の用地を確保できないかということで、実は建てかえの勉強会は始まっている街区もございまして、その辺の情報をつかみながら意見交換をしているところでございます。そういった意味では、委員御指摘の地下街の問題もございますので、本格的な改修には少し時間はかかると思いますけれども、粘り強く委員の御指摘をいただいた課題を解決できるように我々もやっていきたいと考えているところでございます。そうした意味では、エキサイト計画の中では、長期的な視点はきちんと持っているつもりでございます。
 それから、御質問にございましたバス事業者あるいはお客様の声をきちんと聞くべきだということでございますけれども、それは全くそのとおりだと思いますので、いろいろな意見を聞きながら課題を解決していきたいと考えております。
◆宇佐美委員 とても真摯なお答えをありがとうございます。観光で横浜に来ている方々も本当に大事ですが、横浜で税金を納めて毎日生活している市民のことも大事にしていただきたいと要望し、私の質問を終わります。


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