◆河治委員 河治民夫です。日本共産党を代表し、質問します。他の委員と重なるところもありますが、よろしくお願いします。
まず、新型コロナウイルスにかかわって、市長の政治姿勢についてです。
新型コロナウイルスはまだ終息の見通しも立たず、社会生活、世界経済に大きく影響しています。小中高の全国一斉休業で、学校や保育園、労働現場では大変な状況に陥っています。また、さまざまなイベントが中止になり、市民利用施設などは閉館しています。市長のメッセージがあることは承知していますが、ホームページ等でしか感じられません。市民の不安に寄り添い、行政としてできることは何でもやる、安心してほしいとの強いメッセージが、多くの市民が実感できるよう発信を求めています。
そして、国に対して責任ある対応を求めるべきですが、市長の所見を伺います。
◎林市長 新型コロナウイルス感染症については、これまで私から市民の皆様に対して、5回にわたりメッセージを発信してまいりました。具体的には、感染防止の呼びかけ、イベントの中止や学校休業等への御理解と御協力をお願いするとともに、中小企業への御支援の実施などをお伝えしてまいりました。これからも市民の皆様の御不安に寄り添い、全市が一丸となって暮らしを守り、社会、経済活動をお支えしていくことをしっかりと発信してまいります。
◆河治委員 なかなかそれが市民からは実感できないというのが実態です。
次は、教育現場に関してです。安倍首相が政治判断で、小中高、特別支援学校に臨時休業を発信し、文部科学省などが本市にも要請しました。新型コロナウイルスの感染のある地域とない地域地域ではおのずと対策は異なります。学校保健安全法の第20条は、学校の臨時休業を定めていますが、それを判断するのは学校の設置者です。横浜市は国の要請を受け、3月3日から3月13日まで臨時休業を決め、各教育現場に通知しました。教育委員会は判断するに当たり、教育現場の状況をどのように掌握し、どのような会議で判断したのか、その経緯を伺います。
◎鯉渕教育長 臨時休業の決定に際しましては、学校現場において想定される問題や、児童生徒、家庭や教職員等に与える影響などについて、学校側の意見も参考に議論を行いました。国からは、3月2日から休業を開始するよう要請がありましたが、土日に休業期間に向けた準備をするなど、児童生徒等への影響最小限にとどめるための対応が必要と考えまして、2日の月曜日を登校日とし、翌3日から休業期間とすることにいたしました。
◆河治委員 一斉休業を続けていた全国の小学校のうち、一部自治体が16日から学校を再開しています。その一つ、浜松市では、担当課が市内で感染拡大を制御できていること、児童生徒が生活リズムを取り戻し、落ちついた気持ちで春休みを迎えることが大切、卒業式や終業式は児童や保護者にとっても大切な学校行事であり、その準備期間として、学校を再開することが必要としています。本市は3月9日、新型コロナウイルス感染症に関する警戒対策会議が、市長、副市長、危機管理監初め、関係する区局職員で行われ、臨時休業を3月16から3月24日まで延長が決定されました。現場の声や状況をどのように掌握し、休業延長を決定したのか伺います。
◎鯉渕教育長 臨時休業を開始して以降、市内の患者発生状況や国の動向などを注視してまいりました。また、緊急受け入れについて毎日学校から報告を受けるなど、現場の状況の把握にも努めてきました。この間、児童生徒や教職員が罹患することはありませんでしたが、保健所の知見も交えて慎重に検討を重ね、児童生徒の健康安全を第一に考え、休校の継続が妥当と判断し、警戒対策会議において全市的に確認したものです。
◆河治委員 ほとんどの子供が自宅で過ごしている現状をどう認識されましたか。
◎鯉渕教育長 この感染動向の状況を踏まえますと、やむを得ないものかと考えております。なお、17日から校庭開放などの措置をとっております。
◆河治委員 この困難を抱える家庭の子供には、家庭任せでは何が起きるか、予断を許しません。虐待対応の要援護児童生徒のリスクは高まっていると考えますが、いずれも手厚い対応が切実に求められています。どのように対応しているのでしょうか。
◎鯉渕教育長 一、二、三年生の低学年につきましては、緊急受け入れということで受け入れをしておりまして、現在約1万人ほどの子供が、この緊急受け入れを受けております。なお、小学校の高学年につきましても、御相談があったお子さんがあったということをきっかけにいたしまして、10名ほどのお子さんを受け入れております。
◆河治委員 休業期間中の子供の学習は自習が原則とのことですが、突然の長期休養です。その間、子供たちの学習のフォローはどのようにするのか、伺います。また、教職員も児童や保護者との連絡や、さまざまな負担が懸念されます。新学期に向けた準備などはどのように指示されていますか。
◎鯉渕教育長 学習フォローですが、各学校では休業期間中の家庭での学習として、3月に学習するはずだった内容を課題として課しておりまして、また家庭での学習内容を含めた児童生徒の学習状況については、新年度の担当者に確実に引き継いでまいります。次の学年の学習の支障となるようなおくれが生じることのないように、各学校の状況に応じて、新年度のなるべく早い時期に補充のために授業を行うなどの必要な措置を講じます。また、新学期に向けた各学校の準備につきましては、学校再開に向けての準備は当然各学校において現在行っておりますが、それに加えまして、この休業期間に、3月に学習するはずだった内容を補充するための授業の準備をしております。また、万が一再開できなかった場合の対応については、学校に対して速やかな情報提供できるよう、教育委員会で現在検討しております。
◆河治委員 休校措置で、当初、文部科学省は人の集まる場所などへの外出を避け、基本的に自宅で過ごすよう求めていました。その後、児童の健康保持、運動機会確保などについて、感染拡大防止措置を講じ、学校の状況に応じて校庭開放の実施が始まっています。市教育委員会はおおむね90分程度していますが、開放時間の延長はできないのでしょうか。学校図書室、市の図書館の開放などはできないでしょうか。文部科学省も認める体育館はなぜ開放していないのか、伺います。
◎鯉渕教育長 校庭の開放時間につきましては、学年によって時間帯を区切るなどして、一度に大人数が集まらないように行っており、現在の時間の設定に御理解をいただきたいと思います。また、体育館や学校図書館は屋内であるため、感染拡大防止の観点で、より一層の配慮が必要と考えております。市立の図書館では不特定多数の児童生徒の利用は感染拡大につながるおそれがあるため開放は難しいと考えておりますが、現在実施しているおすすめの本の貸し出しなどのサービスにより、児童生徒が読書を楽しめるように努めております。
◆河治委員 退屈している子供の居場所条件を積極的につくるべきだと思います。もうじき入学式や新学期を迎えます。子供たちもいよいよスタートの時期になります。子供たちや保護者の状況をよくつかみ、休校を解除するのかどうか学校設置者として自主的な判断が重要です。
教育長及び市長の見解を伺います。
◎鯉渕教育長 現在、国を挙げて感染拡大防止に取り組んでいるところです。また、市内の感染状況などを勘案し、引き続き全国の状況や国の動向を注視し、学校側の状況も踏まえて、安全な再開に向けて慎重に検討していきたいと考えております。
◎林市長 今回、初めて一斉臨時休校を実施して、改めて子供たちが学校に行きたい、もう大好きなんだということを言っていることも実感いたしました。本当に一日も早く学校に行けるような体制を整えてほしいと願っております。新学期から子供たちが元気に登校することができるように、教育委員会には、子供たちの健康、安全を第一に考えて、保健所にも意見を聞きながらしっかりと準備を進めてほしいと思います。
◆河治委員 あくまでも自主的な判断をされることを強く求めるものです。
次は、医療現場についてです。感染症にかかわって市民の不安が広がっています。横浜市は帰国者・接触者相談センターを設置しています。相談センターに相談した後、PCR検査をする仕組み、流れがどのようになるのか、検査対象はどのような人なのか、説明してください。
◎田中健康福祉局長 帰国者・接触者相談センター等において症状等の聞き取りを行った上で、新型コロナウイルス感染症の疑いがある場合には、帰国者・接触者外来への受診調整を行い、PCR検査を実施いたします。PCR検査の実施目安として、渡航歴や発熱、呼吸器症状などのほか、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症と疑う方も検査対象としております。
◆河治委員 本市の新型コロナウイルスのPCR検査の状況はどうでしょうか。帰国者・接触者相談センター、相談受け付け件数や衛生研究所でのそれぞれの検査人数、総検体数はこれまでどれくらいあったのか、また陽性者は何人でしたか、伺います。
◎田中健康福祉局長 3月17日時点の数字でございますが、帰国者・接触者相談センターの相談件数は5455件でございます。市内における新型コロナウイルス感染症が疑われる方への検査人数は242件でございます。なお、本市の陽性患者数は13人でございます。
◆河治委員 相談受け付け件数に対して、総検体数が極端に低い状況です。改善が必要ではないでしょうか。10日の参議院予算委員会の公聴会で、我が党の小池晃議員が、政府が37.5度以上発熱しても4日までは経過観察としていることに対して、中国の報告では、入院時に発熱したしていた患者が4割程度とされており、このままでは重症患者を見落とす危険性はないかと質問、それに対し政府の感染症対策本部の専門家会議座長の尾身茂氏は、高齢者は2日の感染で相談受診を案内しているとしつつ、少し説明が悪かったと思う、高齢者は放っておいたら悪くなる、早目に相談受診をやるのは賛成ですとの答弁です。これは、国の目安にこだわらなくてもよいとの宣言です。早期発見が重要です。昨日の国会での論議になりますが、検査件数は現行の接触者外来に限定する方法を改めるべきです。衛生研究所の検査能力もまだ余裕があります。
横浜市として独自の目安を設け、検査件数をふやし、市民の不安を解消すべきですがどうか、伺います。
◎荒木田副市長 重症者の発生をできる限り防ぐためにも、国の基準に基づきながらも柔軟に対応しているところであります。現時点では高齢者や基礎疾患がある方には必要な検査が実施できているものと考えております。なお、症状はないのだけれども心配なので検査をしてほしいといった検査だけを希望される方の要望には応じられないこともございます。専門家会議見解案の概要が一部報道されておりますが、本日その詳細が示される予定でございますので、それを踏まえた国の対応を見きわめながら、横浜市としても対応していきたいと考えております。
◆河治委員 先ほどの報告もあるのですけれども、本当に検査件数が受け付けするよりも少ないのですね。やはりそこをふやして市民の不安を解消すべきだと思います。
次は、経済対策についてです。先日、党市議団に洋菓子屋さんからのメールが届きました。コロナショックにより日々の売り上げが大きく落ち込み、4月末に予定の消費税及び社会保険の支払いのめどが立ちません。鎌倉市内にある3店舗も観光客の大幅減少で3月は売り上げが40%ダウン、一般客の落ち込みで減産や日曜日の生産中止、パートさんの労働時間を短縮しています。また、市内の旅館の聞き取りでは、送別会などの宴会は全てキャンセル、2月の下旬からはキャンセル続き、6月までの予約があった修学旅行12校はキャンセル、秋への変更依頼が続出、予約キャンセルで800万円以上の減収は確実、銀行に融資の相談に行っているが、借りるだけでは先が見えないとのことです。私の地元でも、飲食店などの客足が大きく後退、売り上げが半減との声も聞きます。さらに、就職の内定取り消し、母子家庭や非正規労働者、フリーランス、市内業者は深刻です。直ちに実態を掌握し、国に対し支援を求めるべきです。
また、横浜市もコロナ対策として、本年度予算を組みかえて、PCR検査体制の拡充、医療機関支援、学童保育や保育園への財政支援など緊急対策を早急に打つべきです。第2回定例会では遅いと思います。
市長の所見を伺います。
◎林市長 今、河治委員がお話になったこういう痛切な、中小企業を初め各いろいろな分野の方々のお声も私は聞いております。この新型コロナウイルスの影響による厳しい状況を受けまして、3月6日に指定都市市長会を代表しまして、中小企業等に対する支援制度などについて万全の措置を講ずるとともに、必要な財政措置を講ずるように直接国に要望してまいりました。引き続き国とも連携しながら、経済的影響を最小限にとどめるように、あらゆる可能性を検討して、補正予算案を編成するなど市を挙げて支援策を講じてまいります。
◆河治委員 市民の不安を解消するためにも、市民に寄り添うことを求めます。
次は、IR、統合型リゾートについてです。
3月6日より横浜IRの方向性素案についてのパブリックコメントが始まりました。カジノについての是非について市民の声を聞く機会があるにもかかわらず、市長は誘致の是非を決めるものではないとしています。是非について、なぜ聞こうとしないのですか。市長、反対する市民の声が怖いのですか。
市長、はっきり答えてください。
◎林市長 IRという統合型リゾートは、日本にはないためなかなか御理解が難しい部分もあるのでないかと思います。横浜市としても、日本型IRや本市が目指すIRなど十分に市民の皆様に伝え切れていない状況だと考えます。委員も御承知のように、昨年12月から市民説明会を12区で行ったわけでございますが、丁寧に説明を行ってまいりました。会場から多くの御意見や御質問をお受けいたしまして、多様な御意見を私としては真摯に受けてまいりました。また、パブリックコメントや事業の節目ごとに開催する説明会などの機会も通じまして、市民の皆様の御意見をしっかりと今後も伺ってまいります。
そのような御意見を踏まえながら区域整備計画を作成して、二元代表制のもと議会にお諮りをしてまいりたいと思います。
◆河治委員 私は、是非について求めています。原稿読むのではなく、市長の思いを聞かせてください。再度伺います。
◎林市長 私、今、御答弁申し上げたと思います。私自身が--済みません、ちょっと外れてしまうと申しわけないですけれども、賛成の方もいらっしゃるし、多くの反対の方もいらっしゃいます。その両方の御意見を丁寧に私自身伺ってまいりました。その上で、こういう議会制民主主義の中で、二元代表制のもとに、皆様にしっかりと議論していただいて、決められていくものだと思っております。(「そのとおり」と呼ぶ者あり、その他私語する者あり)
◆河治委員 さまざまな意見があります。ですので、その是非を求める、私はそのことを求めています。
実施方針案の骨子が示されました。IR区域への主要道路、交通手段などのアクセス関連インフラについては関係機関と協議しながら検討すると記されています。第1次の事業提案時には臨港幹線道路や、みなとみらい線の延伸、首都高との直結を事業者は要望していますが、実施方針案にはどこまで盛り込むのか、また、このことについて、大阪府や市のように、IR事業者に負担を求めないのか本市の考え方を伺います。
◎平原副市長 IR整備法では、IRによる周辺地域への効果をより高めるために、自治体として必要な施策を行うことが責務として定められております。その一つとして、現在交通対策などIR区域以外のインフラ整備等に関する検討を進めております。これを踏まえまして、実施方針において本市が行う内容、それから民間事業者に提案を求める内容をそれぞれ明らかにしてまいります。
◆河治委員 実施方針案骨子にはIR施設の種類、機能を規定しています。中核施設として国が定めているのは、MICE施設、魅力増進施設、送客施設、宿泊施設の4施設です。骨子はそれに加えて、観光、旅客の来訪、滞在の促進に寄与する施設設置を求めています。進出を意図する海外IR事業者3社のうち、このエンターテインメントを最も得意としているのがラスベガスサンズと言われています。同社は、米大統領と首相と特別の関係を有していることが取りざたされています。特定事業者が結果として有利となるようなことはあってはなりません。
なぜこの機能をあえて追加したのか、伺います。
◎平原副市長 今、委員から御指摘いただきました施設でございますけれども、これは国の基本方針案において、国内外からの観光旅客の来訪、滞在の促進に寄与する施設とされておりまして、例えばエンターテインメントを実現する劇場等のほか、遊園地、テーマパーク、水族館、ショッピングモール等の集客施設が想定されております。海外のIRにおいても、一流のパフォーマンスや世界の有名アーティストによるコンサートなどが開催されておりまして、IRの魅力を高めております。
横浜のIRでも、これまで横浜では体験できなかった世界一流のエンターテインメントを実現いたしまして、日本国内はもとより世界中から観光客を集めるため、事業者に提案を求めているところでございます。
◆河治委員 貸金業の禁止について平原副市長は、IR整備法で位置づけられていると明言されました。IR整備法第85条で、カジノ事業者による特定資金貸付業務において、一定の金銭を預託する者に金銭貸付を認めています。そして、第88条では、取立てに当たっては人の仕事や生活を脅かすような脅迫や過酷な取り立てをしてはならないとまで書かれています。この事実を承知しておきながら、あえて貸金業はやらないということは市民をだましているとしか思えません。このようなことがあってはなりません。
市長、ただしてください。
◎林市長 IR整備法第85条第1項によりまして、カジノ施設において、日本に住居を有しない外国人や、一定の金額以上の金銭をカジノ事業者の口座に預け入れている者以外の者に対して、カジノ事業者が金銭の貸付を行うことは禁止をされています。このことをもって、貸金業が禁止されていると表現したものと私は認識をしております。
◆河治委員 いろいろな捉え方がありますけれども。先進国では右肩上がりのGDPです。しかし、日本は横ばいで成長できない国となっています。特に新型コロナウイルスにかかわって、航空交通網の縮小や、株価の暴落、海外から観光客を呼び込むというインバウンド政策、IRも方向性が問われています。
今からでも遅くありません。市民の多くが反対しているIRは断念し、市民生活への強力な支援と市内中小・小規模業者への支援を拡大し、内需を拡大する政策に切りかえるべきです。見解を伺います。
◎林市長 日本型IRは我が国の魅力を高めて誰もが楽しめる新たな観光資源を創造する公共政策という考えに基づき、国家的なプロジェクトとして進められているわけでございます。民間事業者ならではの創意工夫を生かして、観光立国を目指す日本における成長戦略の一翼を担うものです。横浜市においても、観光消費額や宿泊客が少ないという観光の現状、そして生産年齢人口の減少などの課題に対応するための重要な政策の一つとして私はこれを導入していくことを御提案したわけでございます。今現在、コロナウイルスの問題だとか、世界的な経済不況がもう本当に予測をされて、現在も非常に厳しい状態でございますけれども、長期的な横浜市の将来を考えてやることでもありますし、国もこのことを断念するわけではございませんので、国が基本方針案で示しているスケジュールを踏まえて、今しっかり粛々とやっているというところでございます。
◆河治委員 IRは、カジノ抜きでは成り立たないものです。多くの市民が反対しているカジノ何が何でも進めるなど民主主義ではありません。やめるべきです。市長が市民の是非を問わないなら、私たちは直接請求署名で市民の意思を示していきます。
次は、旧上瀬谷通信施設跡地の活用についてです。
都市整備局は、旧上瀬谷通信施設の土地利用について、まちづくりの方針や土地利用の考え方をまとめた土地利用基本計画素案を昨年12月に公表しました。素案についての市民意見募集に702件の意見が寄せられました。都市整備局は、寄せられた意見に基づき検討を加え、土地利用基本計画原案を取りまとめました。基本計画原案についての報告では、当初の素案から市民意見を一定反映されているように感じます。そこで、具体的な内容について伺います。
まず、基本計画素案について、報告に明記されている国有地の配置換地についての市の考え方を述べてください。
◎小池技監兼都市整備局長 この地区は国有地や民有地等の混在を解消するために、土地区画整理事業を実施することを前提に検討を進めております。国有地の配置につきましては、今後、土地区画整理事業の検討を進める中で、国との協議等も踏まえて決めていくことになりますが、公共性の高い公園・防災ゾーンや将来の道路等の公共施設を中心に配置することを前提に検討を進めてまいります。
◆河治委員 旧上瀬谷通信施設跡地は総面積242ヘクタールです。そのうち国有地は110ヘクタール、市有地22ヘクタール、合わせて132ヘクタール、55%、半分ちょっとです。そのうち公園・防災ゾーンは50ヘクタールですから、残り82ヘクタールも当然公益性の高い公共施設に使われると読み取りました。
それでは、都市計画素案について報告されている大型テーマパークのような民間企業の営利目的の開発はせず、地域住民の生活に役立つ土地利用としてほしいとの意見に対する市の考え方を述べてください。
◎平原副市長 この地区では、地権者の皆様の意向も踏まえまして、大規模な民有地の土地利用の検討を、民間企業の協力を得ながら進めてまいりました。その結果、地権者の皆様は民間企業の提案を踏まえまして、テーマパークを核とした土地利用の検討を深度化したいということになってございます。また、本地区では、広く市民の皆様が利用する公園等の土地利用も行ってまいります。
◆河治委員 民有地は110ヘクタールです。農業振興振ゾーンは50ヘクタール、物流ゾーンも民有地だと思います、15ヘクタール。ですから、残る民有地は45ヘクタールです。
つまりテーマパーク用地として使うのは45ヘクタール以内と受けとめましたが、その捉え方は間違いありませんね。(「間違ってるよ」と呼ぶ者あり)
◎平原副市長 数字の上ではそういうことになりますけれども、区画整理で土地を整理しますので、民有地を今、委員が御指摘になった42ヘクタールだけのテーマパークということには限りません。
◆河治委員 道路はだって公有地です。そのほかにテーマパーク、何があるのですか。
◎平原副市長 全体242ヘクタールの中で、国有地、民有地のほぼ同じぐらいの量がございます。横浜市有地は道路、ごく少ないことでございます。その中で農業を続けたいという方には農業振興ゾーンを割り当てていきたいと思っていますし、公園をつくるところには、先ほど局長が言いましたように、国有地を中心に集めて、公園をきっとつくっていきたいと思っております。残りの土地については、地権者の皆様の意向を踏まえて有効活用を図りたいということでございますので、テーマパークを中心に検討を進めていきたいと思っております。
◆河治委員 テーマパーク、民有地と言いました。先ほど公有地82ヘクタールは公共性の高い公共的な使い方をすると言われました。
ちょっとわかりません。もう一度説明してください。
◎平原副市長 区画整理事業でございますので、国有地も土地利用ゾーンの中で活用いたしますので、国有地もテーマパークの中で一部使う可能性は出てくると思います。(私語する者あり)
◆河治委員 いずれにしても、テーマパークそのものはあくまでも民有地としているわけですから、そこの中の公有地はそのテーマパークのどういう部分に使うのですか。
◎平形副市長 まだこれからわかりませんけれども、公有地をお借りする、あるいは売っていただく、そういうことも含めて、テーマパーク、これは地元の皆様が希望されていることが大変多い内容でございますので、その実現に向けてきちんと整理をしていきたいと考えております。
◆河治委員 観光にぎわいゾーンは125ヘクタールであり、そのうちテーマが45ヘクタールとすれば残りの80ヘクタールの公有地は公共性の高い用途になるわけです。どんなことに使われるかとなるわけですけれども、意見募集でまとめられた基本計画についての報告はどのように変えられたのでしょうか。
◎小池技監兼都市整備局長 意見募集を踏まえて原案に対して変更を行った点ですが、災害に備えて防災ゾーンを広く確保してほしいといった御意見を踏まえまして、地区全体で防災機能の強化が図られるよう、土地利用基本計画の一部を修正いたしました。また、緑豊かな空間を残してほしいといった御意見を踏まえまして、都市的土地利用を含めた地区全体において自然環境を生かしていくことを明確にするため、土地利用基本計画の一部を修正しました。
◆河治委員 先ほども述べました意見募集についての市の考え方を、土地利用基本計画の土地利用ゾーンに反映すべきだと思います。
具体的には観光にぎわいゾーンを改編し、民有地部分は地権者の要望に沿った用途に、公有地部分は公共公益に供するものに分けるべきですが、どうでしょうか。
◎小池技監兼都市整備局長 旧上瀬谷通信施設のまちづくりにつきましては、4つのゾーンから成る土地利用ゾーンを基本にいたしまして、各ゾーンが連携することにより、人や物が行き交う郊外部の活性化拠点の形成を実現していきたいと考えております。このことを前提といたしまして、今回市民意見を踏まえまして、地区全体において、防災機能の強化や豊かな自然環境を生かした土地利用の検討を、土地利用基本計画の原案に位置づけたものでございます。
◆河治委員 観光にぎわいゾーンとして125ヘクタールが示されています。しかし一体になっています。どれが民有地で、どれが公有地、国有地なのかわかりません。
この辺はしっかり示してもらわないと、先ほど述べられたことが明確に示されて示されないのではないでしょうか。
◎小池技監兼都市整備局長 先ほど副市長からも御答弁申し上げましたが、この地区は区画整理事業で行ってまいります。ですから、これから具体的にそれぞれの土地をどうやって換地するか、ゾーンの配置とその所有というのは必ずしも全てが一致するというものではございませんから、そのあたりを、これから事業の進捗に合わせて整理をしながら取り組んでいきたいと考えております。
◆河治委員 私は決定される今は素案、原案ですけれども、決定される基本計画は、公有地132ヘクタールは市民の意見を反映した公共公益に供するものになってほしい。そのことを期待します。
最後は、地域交通政策についてです。
高齢化が進む中で、市民の交通権の保障はますます重要になっており、行政の積極的な取り組みが求められています。横浜市の敬老パスなどは評価するものです。しかし、バス路線のない郊外部など交通不便地域の解消には地域交通サポート事業そのものの充実が必要です。
そこで、そもそも地域交通サポート事業とはどのような制度なのか、説明してください。
◎乾道路局長 地域のニーズに合った交通手段の導入に向けまして、地域の方々の取り組みをスムーズに進むよう、活動に対してさまざまな支援を行う事業でございます。支援内容といたしましては、検討のアドバイスをするための職員の派遣、また利用者の意向調査、運行事業者との調整、実証運行費の補填などを行ってございます。また、今年度、令和元年度よりワゴン型車両への補助など、制度の拡充をしているところでございます。
◆河治委員 市の支援、これは運行費、つまりランニングコストへの支援はどうなっているのでしょうか。
◎乾道路局長 実証運行におきましては、赤字の補填について最大500万円の補助をさせていただきます。本格運行に移行した後につきましては、ワゴン型車両等々につきましては、車検時の補助、あるいは事業者の方々の保険等の補助をさせていただいています。
◆河治委員 運行のための補助、ランニングコストへの補助、ここが一番肝心なのですね。ここを支援してほしいと思うのですが、どうでしょうか。
◎乾道路局長 いわゆる地方都市で行われています赤字補填をしていますコミュニティーバス。これは地域交通の一つの方策でございますけれども、これにつきましては継続的な赤字を補填を伴うものでございまして、本市の導入に多くの課題があると考えてございます。
◆河治委員 この5年間、本格運行、それから実証運行、登録地区数、相談地区数の推移はどうでしょうか、伺います。推移の変化がわかるように答えてください。
◎乾道路局長 この5年間で本格運行は7地区ふえてございまして、平成19年の事業開始から合計で15地区で実現してございます。実証運行は9地区ふえてございまして合計13地区、グループ登録地区数は10地区ふえています。合計で33地区でございます。相談地区数は16地区ふえておりまして、合計で39地区となってございます。
◆河治委員 2017年度以降はどうでしょうか。
◎乾道路局長 新規の登録地区数でいきますと、年間大体2件ずつ普通の登録をさせていただいています。現計画でいきますと33地区、中期計画では2021年37地区の登録数を目指しておりまして、ほぼこのままで推移しますと、中期計画の目標数に達するという考えでございます。
◆河治委員 本格運行ふえていますか、2017年以降。
◎乾道路局長 2017年以降につきましては、本格運行は7の地区ふえてございます。
◆河治委員 本格運行、本当にふえていますか。2017年以降、7地区。
◎乾道路局長 失礼しました。2017年、ちょっと今データを持ち合わせてございませんが、今年度につきましては、2地区本格運行に移行してございます。
◆河治委員 私も調べました。ふえていないのです。私の地元旭区、四季めぐり号は、地域交通サポート事業として運行されていますが、採算がとれなく、一昨年10月廃止になりました。その後、地域交通サポート事業の検討が行われ、先ほどもありました車両代など初期投資費用が補助されるようになりました。運行の再開を求める地域住民の声に押され、地域自治会や区役所、道路局の尽力で四季めぐり号は新しい交通事業者のもと昨年6月から実証運行が開始されています。本格運行を目指して今いるわけですけれども、本格運行には採算に見合う利用者の確保は決定的です。四季めぐり号の料金は1回300円。利用者から、夫婦で出かけて往復すると1200円、ちょっと高い、もう少し安ければと話されます。
再開された四季めぐり号では、一日の採算ラインは75人と聞きます。現在は約60人前後です。本格運行として安定的に持続するのか非常に私は心配しています。ますます高齢化が進む中で、ランニングコストの支援のない現在の仕組みでは、地域の要求を満たせない仕組みだと思います。地域町内会などが必死に取り組んでいても採算が確保できなければ実現せず、主体となって取り組んでいる人たちの意欲をそぐことになれば、市長の求めておられる市民力をそぐことになりませんか。
郊外部の足の確保としては、地域が主体とする現在の制度設計の見直しをすべきだと思いますが、市長の見解を伺います。
◎林市長 持続可能な地域交通を確保するためには、地域の皆様の交通の課題を共有するとともに、その課題をどのように解決するかについての合意形成を図ることが非常に重要です。そこで、区と局が連携してニーズを受けとめ、誰もが移動しやすい地域交通の実現を目指して、地域の皆様や交通事業者とともにしっかりと取り組みを進めます。
河治委員の今の御指摘でございますが、本当にこれは大きな課題でございまして、少しでも解決するために、これからも意見交換をしっかりやりながら、できるだけのことはやらせていただきます。(私語する者あり)
◆河治委員 ランニングコストへの支援というのは本当に地域住民の意欲そのものを引き継いでいくかどうか、私はそのことを強く思うのです。
再度、済みません、市長伺います。
◎林市長 これはもう本当に高齢化社会が進んでいく中でも大変に突き当たっていく課題でございますので、しっかり取り組んでまいります。
◆河治委員 郊外部の交通利便性が向上すれば、高齢者にとっても安心できます。若い世代も呼び込めばコミュニティーが増し、まちが活性化すると思います。市民の交通権を確保、保障し、安心できるまちづくりしていくためにも、地域の人たちの意欲が実ることが、次の新たな意欲につながると思います。よろしくお願いします。
終わります。(拍手)
議会での質問・討論(詳細)
2020年3月19日