議会での質問・討論(詳細)
2020年3月10日

■こども青少年局【白井まさ子】

◆白井委員 日本共産党を代表して質問します。よろしくお願いいたします。
 まず、学童保育、放課後児童クラブについてです。
 国の新型コロナウイルス対策としての学校休業に伴って、本市は全小学校での緊急受け入れ、そして放課後キッズクラブ開所とともに、民設民営の学童保育の解消を要請して、それに応えて、先ほど明らかになったように全225クラブ中203クラブが学校の緊急受け入れ終了時刻より早く開所しています。少なくない児童は、この学校の緊急受け入れではなく朝から学童保育が受け入れていて、大きな役割を果たしています。今回、突然の緊急開所要請に応えた現場の困難さは聞いておりますけれども、局として現場の困難さを共有することが不可欠だと思いますけれども、局長の認識を伺います。
◎齋藤こども青少年局長 今回、クラブの皆様にとっては、本当に急遽、午前中からの開所を検討していただくことになりました。多くの児童クラブにおいては、子供たちのために通常の時間よりも早くあけていただいているということでございます。改めて本当に感謝をいたしたいと考えております。開所を検討するときには、やはり人員の確保ですとか経費のやりくりですとか、あと感染症の予防が何よりやはり大事になりますので、そのようなものを徹底した上で、どうやって子供たちを過ごさせるかということ、プログラムといいますか中身のことについても、いろいろなことを念頭に置いた上で、それぞれのクラブで軽重はあろうかと思いますけれども、重い決断をしていただいてあけていただいた、延長していただいたと私どもは思っております。今回、学校の一斉の臨時休業も延長されましたので、引き続き区役所とともに現場の声にも耳を傾けながら御支援をしてまいりたいと考えています。
◆白井委員 局長からお話も出ました、現場からも感染を発生させてはいけないというすごいプレッシャーの中で見ていただいているということで、マスクや消毒液不足の不安な声を聞いています。感染防止対策をクラブ任せにすることなく、局としてマスクや消毒液などを提供すべきと思います。先ほど早く届けられるようにスピード感を持ってやるということでしたけれども、物の確保はできているのでしょうか。いつごろ届くことになるのでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 まず、このような状況になりまして、急になったということもございますので、とりあえず早期に、スピード感を大事にして、お届けをできるようにということで、総務局を初め、キッズクラブは学校の中にありますので、そういうものも含めて、どのような形でお手元に渡すかということをきちんと検討しているところでございます。物については、ある程度確保のめどは立ってございますので、あとはどのような形で市内全域に分散しております児童クラブに渡していくかについて現在準備を進めているところで、できるだけ早くお渡しができるような状況にしたいと考えています。
◆白井委員 物は確保できているということであれば、配るというのはもう本当に1日もあればできることですので、すぐによろしくお願いいたします。
 学童保育へのもともとの補助金では安定運営ができない、その上に年度末の時期ということで、運営資金で最も窮屈な時期に当たると聞いています。長期休業期間中に準じた開所に当たって緊急のローテーション配置が必要となって、人件費など新たな経費がかかるために、各クラブでは財政不安を抱えての決断だったと聞いています。昨日、休校は3月24日まで継続されることになって、さらにこの財政不安が拡充しています。あるクラブで聞いております。保護者からこんな問い合わせが来ているそうですけれども、3月は一度も利用していないのだけれども、減免や免除はありますかという話が来ていて、こういった場合の財政保障の不安もクラブから出ているということです。それで、先ほど朝から開所のクラブに2万円をと伝えてあるということでした。そして、国は財政支援として1支援1日当たり3万200円という基準額案を示しています。この学校休校に対応する開所により生じる費用は、クラブの持ち出しのないようにするべきだと思います。全額、国と横浜市の責任で財政措置することが必要です。この点をどう考えているのか、伺います。
◎齋藤こども青少年局長 御答弁が繰り返しにもなりますけれども、国から示された財政措置、それからクラブの実態を踏まえまして検討を進める中で、今おっしゃっていただいた2万円という数字をお示ししているところでございます。その後、国からさらなる財政措置ということでお話も来ておりますが、これについては具体的な中身がまだ把握できておりません。通知が来ておりませんので、この辺の中身を確認しつつ、私どもとしても、この追加のお金も含めて対応はさせていただきたいと考えています。
◆白井委員 あわせて、一斉休校しなければならない事態の中で学童開所要請をしたということですから、支援員さんへの危険手当のような何らか上乗せの支給も行うべきと思いますが、どうでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 本市の児童クラブに対して、まず私どものほうで原則開所するという国の要請を受けまして開所を依頼したというところから始まってございます。仮に支援員の方とか利用の児童の方の感染が発生した場合の対応等については、同じく国から利用を控えるとかクラブを閉所するという対応を行うようにという通知も来ておりますので、もしそういうことがあれば国の指導のもとにそのような対応をするとクラブにもお伝えをしております。全国的に国の通知を踏まえてこのような取り組みをさせていただいているところでございますので、本市のみ支援員への危険手当ということについては現在考えておりませんけれども、現場で本当に感染予防は大事ですので、これを適切に実施できるようにぜひ活動中にも留意をしていただいて、こちらのほうで国から来ます情報についてはいち早くお渡しができるようにスピード感を持って対応したいと思っておりますので、そのような取り組みの中でいろいろ大変なところはあると思いますが、取り組んでいただければと考えております。
◆白井委員 その点をよろしくお願いします。
 子供の詰め込みを解消するために、子供の人数と施設の面積について、5年間の経過措置期間内に条例基準に適合されることとした期限が3月末となっています。5年前に面積基準の不適合なクラブは66ありました。経年で徐々に適合をさせてきて、2019年4月1日時点で27クラブ残っていました。この3月末までには適合できると聞いております。分割して単位をふやして定員をふやしたところもあり、また、毎年新規開設のクラブもありながら、全登録児童数が5年前も1万人、今年度も1万人ということは、面積基準に適合させるために定員を変更したことで受け皿が減少したことになります。学童保育連絡協議会が実施した実態調査アンケートを見てみますと、2018年に回答した66クラブ中、5クラブが入所を断っています。そのうち10人から13人断ったというクラブが3クラブです。2019年に回答した58クラブ中、6クラブが入所を断っており、そのうち4人断ったクラブが2クラブ、10人断ったというクラブが1カ所あります。この面積基準を適合させたことにより新たな受け入れのための受け皿が減少したのではないですか。この点をどう見ているのか、伺います。
◎宮谷青少年部長 放課後児童クラブに対する利用の申し込みについてはクラブに直接行っておりますので、本市として何人というような数の把握はしておりませんけれども、面積の基準の適合、定員調整の有無にかかわりなく、特定の放課後児童クラブに多くの入所希望があり、クラブを利用できないといった御相談をいただいた場合には、周辺の児童クラブの利用の状況ですとか実地ですとか、必要な情報を集めまして、その御案内を行うなどしまして、子供たちに放課後の居場所が提供できるように区とともにきめ細かい支援をしているところでございます。
◆白井委員 3月末の期限ということですので。この場でこの適合がどんな影響を与えたのか、調査も改めてお願いしたいと思います。
 建物を耐震基準に適合される期限も3月末となっています。5年前に耐震基準の不適合が70クラブあり、経年で徐々に適合してきて、2019年4月1日時点で36クラブ残っていました。これまでこの移転支援はどのようにしてきたのでしょうか。また、耐震建物への引っ越しは全て完了したのかを伺います。
◎齋藤こども青少年局長 耐震基準の適合に向けましては、移転費の補助ですとか協定を締結したNPO法人と連携をしまして、新しい場所の御紹介をするとか、そういう相談支援も行ってまいりましたし、区役所が中心でございますけれども、何とか基準適合できるような物件を一緒になって探して、そちらに移転をいただく、もしくは現状の建物の耐震補強を家主さんと交渉してお願いするとか、さまざまな方法でこちらの基準をクリアできるようにということで取り組んでまいりました。今お話しのとおり、36クラブ、今年度4月時点でございましたけれども、そういう意味ではクラブの皆さんも危機感を持って何とかクリアしようということで頑張っていただいておりまして、ほとんど適合している、もしくは最終的な物件の選定ということでやっているところでございます。本市としても、区役所とともに全力で思いにかなうように支援をして取り組んでいきたいと思っています。
◆白井委員 ほとんど適合するということだったのですけれども、中には移転先の建物が3月までに工事完了予定だったのに、新型コロナウイルスの影響でトイレの便器など中国製の部品が入荷せず、工事が完了しないところが一、二カ所あると聞いております。現物件から出るに出られず、日割り家賃の発生を心配しているそうです。2020年度予算には移転上乗せ補助がありませんけれども、こういった事情で年度内に引っ越しできないクラブに対しても弾力的に、2019年度同様の移転上乗せ補助とすることが必要と思いますが、できないのか、伺います。
◎齋藤こども青少年局長 ただいま委員から御指摘いただいた点について、詳細がこちらは確認はとれておりませんけれども、聞いております範囲では、あと幾つかのクラブが何とか移転を年度末までにやろうということで汗をかいて頑張っているということでございます。物件上の支障でそういう状況が発生しているということは、またそういう形があるかもしれませんが、いずれにしましても、何とか年度内に頑張っているところに報いたいということで鋭意区役所と一緒に努力をさせていただいておりますので、何とか頑張りたいと思っております。
◆白井委員 この点にも実態をよく聞いてあげていただきたいと思います。
 第2期子ども・子育て支援事業計画において、放課後児童健全育成事業の放課後キッズクラブと学童保育の量の見込みと確保策はどのような考え方で策定をしたのか、伺います。
◎宮谷青少年部長 第2期子ども・子育て事業計画において、量の見込みと確保方策について、量の見込みについては、この5年間で御利用いただくであろう最大限のお子さんの人数について計算をして策定して、それを受け入れられるような確保方策について、あわせて計画をしたものでございます。実際の確保方策の考え方でございますが、今年度末にキッズクラブの全校展開が完了する予定でございますので、今後は地域の状況に応じて、キッズクラブと放課後児童クラブの2事業によって放課後の居場所を確保してまいりたいと考えております。具体的には、キッズクラブでは、ふだん授業で使っている特別教室を活動場所として位置づけて、兼用ルームといった形で新たな活動場所を確保してまいります。放課後児童クラブにおいては、新設の相談に個別に対応していくことで放課後の居場所を充実してまいります。
◆白井委員 それぞれの拡充、学童の新設希望に応えられるよう、よろしくお願いいたします。
 今回の新型コロナの対応から、学童保育というのは、子供と保護者を守る重要な社会インフラであるということが本当に明らかになりました。今後、発生が切迫する自然災害のときにも社会的役割を担いますから、本市による位置づけを高める必要があると思います。各学童保育では、キッズ全校展開後の学童保育ニーズが本当に見通せないまま不安定な運営が強いられていることもありますので、安定運営のためにも支援員の処遇改善が求められます。お考えを伺います。
◎齋藤こども青少年局長 第2期の子ども・子育て支援事業計画におきましても、キッズクラブと学童クラブでございますが、この2つを事業を車の両輪のように、大切な留守家庭児童の居場所となるように、両方ともしっかり支えていくと考えております。その中で、平成29年から国や県の交付金も活用いたしまして、支援員等の勤続年数とか研修実績に応じて処遇改善を得るための費用の一部を補助するということで、キャリアアップの処遇改善費の加算補助ですとか、令和2年度予算についても、必要な経費について計上させていただいていると思っています。財政状況が厳しい中、国とか県の財源も活用しながら、引き続き事業に必要な財源の確保にも努めてまいりたいと思っています。
◆白井委員 よろしくお願いします。
 続いて、児童虐待対策についてです。
 国は、2016年4月策定の児童相談所強化プランで、児童虐待に対応する児童福祉司や保健師などの専門職を2019年度末までに増員するとし、さらに2019年度から2022年度までの4年間で児童福祉司の配置基準を引き上げて2000人増員する緊急対策がとられています。こういった国の動きに伴って、本市での児童福祉司の増員が行われています。本市での4カ所の児童相談所での児童福祉司の2018年度からの増員状況と、どのように人材育成が行われているのかを伺います。
◎中澤児童相談所統括担当部長兼中央児童相談所長 児童福祉司につきましては、平成30年度8人、令和元年度には21人の増員に続きまして、令和2年度は44人の増員を図ります。人材育成の取り組みですが、児童福祉司には高度な専門性を発揮することが求められておりますので、配属時の法定研修のほか、経験年数に応じた階層別研修等、テーマ別研修などを実施してまいります。あわせて、児童福祉司のために質を向上するという必要がありますので、スーパーバイザーによる職場でのOJT、それから、常勤の弁護士や医師からの助言指導を行いまして、より一層質の向上に取り組んでまいります。
◆白井委員 2018年3月に東京都目黒区のアパートで5歳の女の子が親の虐待により死亡した事件、また、2019年1月に千葉県野田市の自宅で10歳の女の子が親の虐待によって死亡した事件、本当に胸が痛みます。この両方の事件とも、虐待とDVが1つの家庭で起きていた。そして、離婚、再婚の経過がある。また、転居しているという複雑な状況が明らかになっています。虐待対応には高い専門性と知識や技術が必要とされ、経験を積むには10年かかると聞いております。2020年度に本市の児童相談所でこれまで以上に、一気に44人ふえるということを伺いまして、これだけふえるに当たっては、経験のない新人職員が一気にふえることによるリスクも生じます。専門性を高める特別な対策が必要となります。人材育成のために、1つには、児童福祉司の異動に際しては特別の配慮が欠かせません。経験、未経験者のバランスいい配置が必要と思いますが、どうでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 各児童相談所の安定的な執行体制を確保できるように、経験年数のバランスを考慮した職員配置に引き続き取り組んでまいります。委員おっしゃるとおり、経験者が限られる中、未経験職員を多く配置せざるを得ない状況も当然ございますけれども、その経験の差によって支援に差が生じないように、各児童相談所は組織的に事態に対しては対応してきておりますので、そのような形で今後も頑張っていきたいと思います。
◆白井委員 処遇改善も待ったなしです。国では、児童相談所勤務の児童福祉司などに対して月額2万円の処遇改善を図るための地方交付税措置が予算づけされています。本市もその処遇改善をぜひ進めていただきたいと思います。児童福祉司は精神的な負担が大きい仕事ですから、困難な職務に向かい合える体制づくりが求められます。国基準を満たすだけでなく、それを上回るゆとりある配置が必要と考えます。どうでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 児童福祉司の法定基準の見直しには、令和3年度まで経過措置が適用されております。令和2年度は4万人に1人以上ということでそういう配置を基本といたしますけれども、増加傾向にある児童虐待相談対応件数への対応ですとか、令和4年度に経過措置解消後、令和4年度の執行体制を見据えまして、法定基準以上の増員を図ったところでございます。児童虐待対策を総合的に進める上で、引き続き児童福祉司の適切な配置に努めてまいりたいと思います。
◆白井委員 虐待相談、通告、情報提供を受けるのは、児童相談所とともに各区役所のこども家庭支援課も担っていて、この家庭支援課には2014年から担当係長1名、保健師1名、社会福祉職から成る虐待対応調整チームが置かれています。専任は保健師1名のみでしたけれども、2018年度に区の児童虐待対応強化のために増員されております。この人員配置の状況を伺います。
◎齋藤こども青少年局長 平成30年度は5区に担当係長、それから4区に職員を配置いたしました。令和元年度は3区に係長を増員いたしております。また、令和2年度に向けましては、新たに2区に係長を増員いたします。
◆白井委員 この配置で効果が出ていると思います。どういったものでしょうか。
◎細野こども福祉保健部長兼児童虐待・DV対策担当部長 係長が配置をされましたことにより、より組織的な対応が可能になってきていると考えております。また、地域や保育所、学校等の関係機関との顔の見える関係づくりも進み、連携しやすくなってきているという効果が出てきております。
◆白井委員 区の虐待対応調整チーム、児童相談所と同様に、速やかな実態把握、緊急受理会議で重症度とか緊急度を判断し、高いケースは児童相談所へ送致、そして支援方針の決定という専門性の高い対応を求められていて、社会福祉職の係長の配置は、2020年に10区10人ということですけれども、全区の配置を急ぐべきです。どう考えておられるのでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 各区への子ども家庭総合支援拠点の機能の設置に向けた準備を進める中で、必要な体制について引き続き検討を進めてまいります。
◆白井委員 児童虐待の通告があれば速やかに調査を行って子供の安全確認が行われることになっていて、2018年度は区役所で3202件、5年で3倍にふえています。さらに、区の機能強化がされれば児童相談所との連携が進みます。どのように進めるのかを伺います。
◎齋藤こども青少年局長 これまでも区の職員が児童相談所で通告に関する実務を学ぶ実地研修を実施するなどしてスキルアップを図るとともに、相互理解と連携を深めてまいりました。区の機能強化により児童相談所と連携をして、地域で生活する支援が必要な子供と家庭に対しまして、事前の進行管理や個別ケース検討会議をよりきめ細かく行うことで丁寧に支援を行ってまいります。
◆白井委員 副市長に伺いたいと思います。子供の命を守るための区の人員配置増に決意を持って臨んでいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
◎荒木田副市長 虐待の早期発見や未然防止のためには、やはり地域や関係機関との距離感が近い区の対応力の強化が非常に重要だと認識をしております。子供の命を最優先に可能な限り人員配置を行っていくとともに、人材育成も含めて、区の総合的な機能強化にしっかり取り組んでまいります。
◆白井委員 先ほど挙げた重篤な、もう本当に痛ましい例を見ますと、本当に人をふやして対応していただくことが必要だと思います。区の体制が強化されれば、よりきめ細かい家庭への支援ができやすくなります。家庭訪問や面接や日常の支援など、重篤とならない支援につながります。そして、人員増とあわせて、この区役所には面接室も整備するなど、環境整備をよろしくお願いして、終わります。


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