◆宇佐美委員 日本共産党を代表し質問します。よろしくお願いいたします。
委員長、スライドの使用許可をお願いします。
○望月[高]副委員長 はい、どうぞ。
◆宇佐美委員 ありがとうございます。
まず初めに、高速横浜環状道路北線シールドトンネル工事に伴い、港北、鶴見、神奈川の3区の区境にある馬場出入口付近で起きた地盤沈下の現状について伺います。
2017年8月に報道された神奈川区内で起きた地盤沈下ですが、私が2018年度の予算審査で質問した際、首都高速道路株式会社の相談窓口への問い合わせは120件、2018年2月までに補償工事を実施した件数は26件ということでした。報道から3年7カ月がたちました。現時点での問い合わせの件数と首都高が行った補償工事の件数をあわせて伺います。
◎高瀬横浜環状道路調整担当理事 首都高速道路株式会社の相談窓口でこれまでに約140件の家屋被害に関する相談を受けており、それら全てに同社が個別訪問を行っているところでございます。お一人お一人の御意向を伺った上で最終的な補償に先立ちまして応急補修が必要な場合は補修を行っておりまして、その件数は約50件となってございます。
◆宇佐美委員 ことし2月19日に収束宣言が出されたと聞きました。詳しい御説明をお願いします。
◎高瀬横浜環状道路調整担当理事 地盤変動につきましては、本年の2月19日に開催された横浜環状北線地盤変動監視委員会において収束が確認されております。今後は、首都高が家屋被害を受けられた皆様に対し工事損害補償手続を進めていくことになります。本市としても地域の皆様の御不安や御心配が解消されるように、引き続き同社に丁寧な対応を行うよう働きかけてまいりたいと思います。
◆宇佐美委員 収束宣言が馬場出入口の開通前に出されましたが、地盤沈下していた最中に家屋と土台となっている軒下の間に亀裂が入りまして、周りの敷地が沈むような状態になったお宅は首都高による補修工事が行われましたが、現在も補修したコンクリートにひびが入っています。収束宣言されたとはいえ、今後も地盤の監視を続けるべきと考えますが、見解を伺います。
◎高瀬横浜環状道路調整担当理事 昨年2月の地盤変動監視委員会で地盤の変動の安定を確認してから、この間約1年、監視を継続してこのたびの第三者委員会での収束の確認ということになってございます。首都高速道路株式会社からは、今後、補償の手続を進めていくことが大事と伺っておりまして、計測は終了する予定と聞いてございます。
◆宇佐美委員 私が見たところは、ひびが入っている状態のままになってしまうということのないようにぜひ、今後、もし万が一地盤が沈下するようなことがあった場合、しっかりと最後まで首都高速が責任を持つように局から要望することを求めます。
次の質問に移ります。北線に関しては、関連街路大田神奈川線の整備に伴いもう一つ問題が起きています。こちらのスライドをごらんください。(資料を表示)一見したところ何が問題かわからないと思いますが、次のスライドをごらんください。赤く丸く囲った部分が主に地域住民の皆さんが危惧している危険な場所です。住民の皆さんが何を危惧しているのか御説明いただけますか。
◎高瀬横浜環状道路調整担当理事 馬場ランプ付近の状況でございますが、沿道の地域から大田神奈川線に出入りする側道におきまして、1つは馬場七丁目方面からの交通、スライドでいきますと、上からピンクの矢印で示した交通と、神奈川区西寺尾一丁目方面からの交通、右下の青矢印で示した交通が赤い丸印の箇所で合流して大田神奈川線に接続することとなってございます。地域の方々から、合流部での車の流れなどに関しまして安全対策を求める要望をいただいているところでございます。
◆宇佐美委員 青く見えているところが歩道橋で、その向こう側にある道路が鶴見区から来る道路、一方通行だったところを寸断して崖になったのを、新たな道をつくったということで、ピンクの矢印の道路になる。新たにつくった道路とこちら側、神奈川区方面から来る車、そして大田神奈川線から右折、左折してくる車が行き違う、ふくそうするということで危険だということなのですが、当然、このままにしておくことはないと思いますが、改善する予定があるのか、また、改善する予定があるとしたらどのような改善をするのか、伺います。
◎高瀬横浜環状道路調整担当理事 より安全に通行できるように対策を検討してございます。車のすれ違いがスムーズになりますように出入り口を広げるなどの対策を検討してございます。
◆宇佐美委員 ぜひ事故が起きる前に早期に改善していただくことを要望します。
次の質問に移ります。道路修繕、交通安全施設等整備と生活道路費について伺います。
2020年度の各土木事務所への予算は合計幾らですか。
◎井上副局長兼総務部長 令和2年度予算案では、道路修繕や交通安全施設等整備など土木事務所への当初配付予算として約148億円を計上してございます。
◆宇佐美委員 2015年からの4年間の決算を見ると、150億円前後で土木事務所への配分は横ばいとなっています。なぜ横ばいなのか、その理由を伺います。
◎井上副局長兼総務部長 土木事務所の事業は、区ごとにそれぞれ道路や河川の延長が異なり課題も一律ではないことから、予算編成の過程でヒアリングを行っているところでございます。厳しい財政状況の中、各土木事務所の事業の優先度を考慮して、それぞれ必要な配付予算を計上し、約150億円で推移しているところでございます。
◆宇佐美委員 滋賀県大津市での事故を受けて、国からの緊急対策の2月補正予算の7億円を除くと、道路局は交通安全対策にかける予算を約1割減らしています。なぜ約1割減らしたのかその理由を伺います。
◎山浦道路部長 委員御指摘の1割でございますが、交通安全施設等整備費の令和2年度当初予算は4億9193万円でございまして、令和元年度の5億5500万円と比べて6307万円減少しています。これは通常予算に追加されました東京2020オリンピック・パラリンピック関連の事業が大半でございまして、令和元年度までに進捗したため減額となっているものでございます。
◆宇佐美委員 東京オリンピック・パラリンピックの予算がなくなったから、終わったからということなのですけれども、2020年度の予算で歩道を整備すると何メートル整備できるのかと事前調査で伺ったところ、100メートル、工夫次第では200メートルということでした。この短さは本当に驚くのですが、市民から、北線が完成し北西線も完成が近づいてきた、今度は身近な生活道路に予算を使ってほしいという声が寄せられています。私が昨年行った神奈川区民要望アンケートでも、歩道がなくて危険、でこぼこの歩道を直してという声が寄せられました。この声に応えるために歩道の整備などの交通安全施設のための予算をふやすべきと考えますが、見解を伺います。
◎乾道路局長 予算編成に当たりましては、これまで横浜の経済活性化や市民生活の利便性に資する高速道路などの新たな整備、また、市民生活を支える都市インフラの維持管理や交通安全対策、さらには河川改修や無電柱化などの防災・減災対策、地域交通、バリアフリーなどのソフト対策などにそれぞれバランスよく予算を配分し、取り組んでおります。その中、令和2年度予算案におきましても、市民生活の安全安心に向け交通安全対策を初め道路、橋梁の維持、管理、保全など市民生活に身近な予算についてもしっかりと確保してございます。また、さきに議決をいただきました補正予算におきましても大津市の事故を踏まえた緊急交通安全対策事業、また橋梁の老朽化対策なども計上しているところでございます。歩道の整備は歩行者の安全性を高める有効な方策です。一方で、歩道の用地取得のためには地権者の協力を必要とすることもあり、整備に時間がかかるなどの課題がございます。引き続きあんしんカラーベルトやガードレールの設置も含めまして安全安心な歩行空間の確保に努めていきます。
◆宇佐美委員 各土木事務所への予算や交通安全施設等の予算、いろいろと理由をつけて減らしていないということも言っていますけれども、私が問題としているのは減らしていないということではなく、ふやしていないということです。市民生活に密着している既存の道路に予算をふやしていただきたいということで、先ほどバランスよくというふうにおっしゃっていたのですけれども、やはり高速道路のほうが圧倒的に桁が違う額を使っているわけです。高速道路ではなくて本当に市民生活に密着した道路こそ先に直していただきたいということを要望し、次の質問に移ります。
旧上瀬谷通信施設跡地利用計画の新たな交通システムについて伺います。
2020年度の予算で旧上瀬谷通信施設の地区関連事業化検討として計上している約10億円の使途を伺います。
◎清水上瀬谷担当部長 取り組み内容としましては、新たな交通の導入に向けた設計、測量及び地質調査等を進め、さらに周辺道路のネットワーク強化のため設計及び測量等を進めていきます。また、事業化に向けた環境影響評価や都市計画の手続を進めてまいります。
◆宇佐美委員 関連している道路は別の機会に議論するとしまして、今回は新たな交通システムの取り組みを取り上げます。さきの予算関連質疑で、市長は大規模な土地利用転換に伴い発生が予測される交通需要に対応するためと答弁されています。大規模な土地利用転換とは、土地利用基本計画(素案)で示されている土地利用ゾーンの配置を指しています。このゾーン案には、全体の面積242ヘクタールのうち125ヘクタールを観光・賑わいゾーンとしています。この基本計画はいまだに確定していません。当然のこととして都市計画決定もされていません。既定のものとして予算化するのは無理があります。なぜ確定後にしなかったのか、既定のものという考えなのか、伺います。
◎清水上瀬谷担当部長 旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画の素案では、テーマパークを核とした複合的な集客施設が立地し、将来的には約1500万人が訪れる郊外部の新たな活性化拠点の形成を実現していくというふうに示されておりまして、その土地利用転換を想定し、新たな交通の導入を図ることとしています。
◆宇佐美委員 新たな交通システムを利用する来訪者は何人と予測しているのか、伺います。
◎清水上瀬谷担当部長 旧上瀬谷通信施設の土地利用で想定される年間約1500万人が訪れる新たな活性化拠点が形成された際には、そのうち約4割から5割程度が新たな交通を利用して来訪することを見込んでおります。今後、検討を深度化させる中で需要予測の精度を高めていく予定です。
◆宇佐美委員 ことし1月15日から2月14日まで旧上瀬谷通信施設土地利用計画基本計画(素案)に対する意見募集が行われました。素案の概要版には新たな交通と書かれ、瀬谷駅を起点とした新たな交通の導入を図りますと書かれています。寄せられた意見の集約がまだ終わらない中、既定路線で進もうという市長の答弁は、届いた意見を取り入れる気などないという態度に見えます。市民意見を募集したのですからその意見をしっかりと聞くべきと考えますが、見解を伺います。
◎乾道路局長 まちづくりを行う上では、土地利用と交通基盤の連携を図りまして一体なものとして効果を発揮し得るよう土地利用の検討を深度化していく現時点から、交通基盤の計画を一体的に進めなければなりません。このため令和2年度予算案に必要額を計上いたしまして土地利用基本計画素案での市民意見も踏まえまして、新たな交通の検討を進めてまいります。
◆宇佐美委員 順番が逆ではないかと思うのです。先に聞いてから計画を立てるべきではないかと私たちは思っているのです。新たな交通システムについては、国際園芸博覧会の事業の中で予算を賄えばいいと思うのですけれども、国から何らかの補助を求めているのかどうか、考えを伺います。
◎乾道路局長 旧上瀬谷通信施設では国際園芸博覧会の開催が予定されていますが、新たな交通につきましては、その先の将来的なまちづくりに伴う交通需要を見据えて導入の検討を行ってございます。新たな交通の整備に当たっては、公共交通として国の補助制度を活用しながら事業費を確保していくことを想定しております。
◆宇佐美委員 私は8日に現地を視察してきました。地元の方々が本当に自然を大事に守って稲作や畑などの耕作をし、自然の恵みを本当にいただきながら、自然に感謝して暮らしていました。絶滅危惧種のクロメダカや猛禽類のノスリ、オオタカなども見ることができる本当に貴重な場所です。今残っている自然を壊すということは地球温暖化対策を進めようという世界の流れに逆行しています。新交通システム、道路整備に当たっては大規模開発でない方向への転換を求め、質問を終わります。
議会での質問・討論(詳細)
2020年3月10日