2010年8月9日
横浜市長 林 文子様
都市経営局基地対策担当理事 藤田 格様
日本共産党横浜市議団 団 長 大貫 憲夫
今年も、横浜市と教育委員会が主催し小中学生が様々な仕事を見学・体験できる「子どもアドベンチャー2010」の一環で、8月19日に、今年で3回目となる小中学生親子見学会「横浜港の米軍基地に行ってみよう」が予定され、すでに80組の募集を行いました。この見学会は「よこはまの未来を担う子どもたちが、普段入ることができない米軍施設横浜ノース・ドックの見学等を通じて、市内米軍施設の現状を知り、関心を持っていただく機会にしたい」(記者発表資料より)として、都市経営局基地対策課が主催し、在日米陸軍、防衛省南関東防衛局が協力します。
横浜ノース・ドックは、日本と北東・東南アジア全体の軍用貨物を扱う本州最大の海上輸送基地であり、貨物には国内外の演習に使用するりゅう弾砲や弾薬等の危険物も含まれます。また、上陸用舟艇などを運用する舟艇部隊の本拠地とされ、ミサイル観測艦や潜水艦の動向をつかむ音響測定艦の出入りもある、まさに戦争展開基地です。
日米安保条約に基づき置かれている米軍基地ですが、その是非については意見の分かれるところです。親子見学会を基地の現状を知り関心を持つ機会とするとしていますが、小中学生に戦争を展開する軍事施設を見学させることは問題です。
また、憲法9条を守る主権者を育てる立場からも、小中学生を見学させることは、極めて不適切です。
昨年の見学会に参加した保護者から、「記念品の米軍ロゴ入りコップコースターが配られ、米兵との記念撮影もあり、米軍のPRの場にもなっているようだった」と感想が寄せられています。今回、どのような実施方法であっても、米軍のPRの場になることが危惧されます。軍隊のPRに横浜市・教育委員会が関わることはあってはなりません。
親子見学会は、ピースメッセンジャー都市として平和を願い、横浜ノース・ドックをはじめとする市内米軍基地の早期全面返還を求めている市是に相反するものです。
そこで、次の事項を申し入れます。
1 小中学生親子見学会「横浜港の米軍基地に行ってみよう」の実施は中止すること。