2010年8月9日
横浜市長 林 文子様
都市経営局基地対策担当理事 藤田 格様
日本共産党横浜市議団 団 長 大貫 憲夫
日米両政府は7月21日、日米合同委員会第4回施設調整部会を開催し、横浜市金沢区と逗子市にまたがる米軍池子住宅地区の横浜市域での米軍住宅建設計画を進めるため、同地区の逗子市域一部返還の協議を開始することで一致しました。日本側から横浜市域での住宅建設の促進を図るため、(1)現時点での横須賀地区の家族住宅の不足数の検証と建設戸数の再検討、(2)逗子市側40ヘクタールの土地返還に係る日米協議の開始を要請。今後、この要請について検討・協議していくことで日米間の認識が一致し、本市に伝えられました。
これに対し、林市長は8月2日、防衛大臣宛に「住宅建設戸数の再検討にあたっては、国として更なる削減が可能となるように、最大限努力すること。平成16年の日米合同委員会で返還が合意されたものの、未だ実施していない施設の返還を速やかに実施すること」を要請されました。これは、国との協議入りを認めた中田前市長と同じく、住宅追加建設を事実上容認した上で削減努力を求めるものです。
池子住宅地区については、2007年6月に本市が国から受理した「基本構想」では、700戸程度の住宅、小学校、幼稚園、スポーツ施設などを建設するとしていましたが、金沢区を中心に市民が強く反対運動を進めています。また、逗子市長は反対し、逗子市議会は反対決議を上げています。「当初計画」が大幅に遅れ、いまだに環境アセスメントなど具体化が進んでいません。
米軍池子住宅は、横須賀基地の空母常時出撃態勢を支える後方支援施設であり、その追加建設は、米海軍の強化・恒久化を図るものであり、市是である「基地の早期全面返還」をいっそう困難にするものです。また、首都圏にとってかけがえのない貴重な池子の自然と緑を破壊することになり、周辺住民の生活環境に与える影響も重大で、生物多様性への配慮や本市の「みどりアップ計画」「CO-DO30」にも逆行します。これらのことから、次の事項を申し入れます。
1 逗子市と連携して、米軍池子住宅追加建設計画は中止し撤回するよう、国に求めること。