議会での質問・討論(詳細)
2018年10月12日

■建築局(岩崎ひろし) 2018.10.12

◆岩崎委員 スライドの使用許可をお願いします。
○酒井[誠]委員長 はい。
◆岩崎委員 それでは伺っていきますが、ちょっと質問順位を変えて、中外製薬の開発計画から伺います。
 スライドをごらんください。(資料を表示)戸塚区戸塚町の中外製薬の開発計画の予定地です。次は、4年前の台風18号のときの周辺地域の浸水被害の状況です。これは区役所の近く。これは戸塚小学校の前です。
 10月10日、浸水被害増大を懸念する住民の会から署名1124筆を添えて陳情が市長宛てに提出されています。そこには、この地域は昔から大雨が降るたび水の脅威にさらされ続けてきましたと述べています。また、この地に3代にわたって住む86歳の方は、企業が来ることに反対ではない。大きな会社が来て、自分のところは2メートルかさ上げして安全を図り、もともとこの地に住んでいる我々住民が被害の心配をしなければならないのは余りにも理不尽だと話しています。これが地元の切実な声です。(「わかっているのだから、説明しなければだめだよ、そんなの」と呼ぶ者あり)
 そこで、局長はこの陳情をどう受けとめているのか、伺っておきます。
◎坂和建築局長 この写真は、2014年10月6日、まさしく台風18号ですね。このときは108カ所、横浜市でも崖崩れがあって2名の方が亡くなった日、まさにその日でございます。横浜各地で崖崩れや浸水があった。そうした中で今の状態になったということは、やはり市民生活を考える上では非常に重要な対応が必要になってくるものと考えております。
◆岩崎委員 9月初めに中外製薬が主催する地元説明会がありました。私も参加しました。事業者と市の関係部門が地元意見を踏まえて協議した上で、当初計画を一部変更したことが説明されました。しかし、説明を受けた地元の参加者からは、その説明では心配は解消しないと次々と意見が出ました。私は、2018年3月、予算審査で浸水被害の未然防止対策を求めました。渡辺副市長から、周辺の住民の方々からの御意見や御要望があればしっかりと受けとめて、それぞれの手続の中で皆様に安心していただけるよう指導や要請を行っていくよう努めますとの答弁がありました。
 そこで、それぞれの手続の状況を伺います。
◎漆原宅地審査部長 現在、横浜市開発事業の調整等に関する条例や都市計画法の開発許可で雨水調整池の容量、道路の幅員、排水施設の設置及び提供公園の面積、配置などの指導を行っております。事業者は、環境影響評価審査会の意見を踏まえまして、事業計画や周辺状況を与条件としました内水氾濫及び柏尾川氾濫シミュレーションを行い、この結果を地元に説明しております。なお、環境影響評価につきましては、準備書の縦覧を10月9日まで行いまして、住民の皆様から御意見をお聞きしました。今後、御意見に対する事業者の見解をお示しすることとなります。
◆岩崎委員 次に、この地域の過去の浸水の状況と計画地を含む周辺の地形の特徴を伺います。
◎漆原宅地審査部長 柏尾川の周辺は広がりのある低い地域でございまして、開発事業区域及び周辺部は、横浜市ホームページの浸水ハザードマップで公開されているように、浸水想定区域になっております。市内各地域に被害をもたらしました平成26年10月の台風18号では、開発区域が含まれている戸塚区戸塚町と上倉田町の住宅で床下浸水がそれぞれ1件、住宅以外では上倉田町で1件の浸水があったと認識しております。
◆岩崎委員 それでは、この中外製薬の開発計画の概要、どういうものでしょうか、伺います。
◎漆原宅地審査部長 開発計画では、開発面積が約18ヘクタールございまして、建築用途は新薬、新しい薬に関する研究所でございます。建物最高高さは31メートルで、提供公園が東西敷地にそれぞれ設置されます。また、造成計画では、西側敷地に約2メートルの盛り土がされる計画となっております。
◆岩崎委員 次に、西側敷地にかかわる4つの地点。1つは旧日立正門前市道道路面、これは北側になります。2つ目、区域内の中央部、3つ目、区域内の南門付近、4つ目、区域の南東角、外側付近、これは南側になります--の地盤高は幾つか。また、敷地の北側と南側との高低差はどれぐらいあるか、伺います。
◎漆原宅地審査部長 旧日立正門になります北側の敷地の高さでございますけれども、海抜11.5メートル、中央付近で11.5メートル、それから旧日立南門の近くでやはり11.5メートル、道路面につきましては少し高くなっておりますので12.1メートルになっておりますけれども、そのような形です。さらに、西側のほうの道路面につきましては11.5メートルになります。全体としましては、開発区域北側の旧日立正門から南側へ約200メートルの中央部付近で、20センチメートルほど下がりまして、その高さが南門付近まで続いているという状況になってございます。
◆岩崎委員 南側の柏尾川沿いの敷地のすぐ外のところはどれだけですか。
◎漆原宅地審査部長 地形図によりまして、ここが委員御指摘の場所か、確実にそこだということはちょっとわかりませんけれども、地形図で近くの海抜につきましては11.9メートルということになってございます。
◆岩崎委員 うん。それより、もうちょっと南です。10.9というものがあるでしょう。(「教えてくれよ。どこだよ。わからない」と呼ぶ者あり)
◎漆原宅地審査部長 もう少し南側ということですか。一番低いところでよろしいでしょうか。
◆岩崎委員 10メートルほど南になるのだけれども、10.9です。それで、現状地盤は北側から南側に水が流れるだけの高低差があるということに、今の説明でなります。部長の説明でも20センチあるというのだから、このことをちょっと確認してください。水が流れる、そういう高低差があるということを確認できますか。
◎漆原宅地審査部長 緩やかですが、高低差はございますので、水の流れることにはなると思います。
◆岩崎委員 はい。水は流れると。そこで、敷地全体を2メートルかさ上げすれば、それは市水壁となって水の流れを完全にとめます。説明会では、それを回避するために敷地西側に緑地帯を整備する旨の説明がありました。敷地が浸水状態になったとき、この緑地帯は水の通り道になると確認できますか。
◎漆原宅地審査部長 緑地の高さにつきましては、まだこれから決めていくところでございますけれども、道路と同じ高さに設定する予定でございまして、そういった意味では水が流れていく可能性はございます。
◆岩崎委員 これは一番大事なところなのです。現在検討されている状態で北側から南側に水が流れるとしたら、そこしか通り道がないのです。だから、これは住民の一番心配しているところなのです。これは流れるのか流れないのか、ちょっとはっきりさせてくれませんか。(私語する者あり)
◎漆原宅地審査部長 委員のおっしゃっているのは、具体的にどこの場所の緑地の部分なのか、ちょっとわからないのですけれども、御質問してもよろしいでしょうか。
○酒井[誠]委員長 岩崎委員、ちょっと説明してください。ポインターがあるのではないか。
◆岩崎委員 はい。図面ですけれども、ここです。(「こっちは?」と呼ぶ者あり)この緑になっているところです。
◎漆原宅地審査部長 先ほど御説明申し上げましたけれども、この緑地につきましては、これから道路局等と協議しながら、道路面の高さに合わせた形で高さを設定していくということになりますので、こちらのほうにこれまで流れていた水につきましては、この緑地も含めまして流れていくことになるかと思います。
◆岩崎委員 流れていくと思いますでは困るのです。確実に流れなかったら水害が起こってしまうのだから。だから、これはもう何回もやってもしようがないからね。建築局だけでは現時点では答えられないということでいいのですか。(「質問がわからない」と呼ぶ者あり)
◎漆原宅地審査部長 この緑地のところにつきましては、排水溝などを設けまして、下に、先ほどの雨水流出抑制施設などもつくります。調整池です。こういったものをつくります。そういったところにも流れていきますので、その辺につきましては、今後、建築局、道路局等、あるいは環境創造局など、あわせまして一緒に指導してまいりたいと思っております。
◆岩崎委員 これは本当に大事なところなのでもう一回言いますけれども、流れるか流れないかが問題なのです。これからこういうことでやりますというのは、それは当たり前の話であって、だから、流れるか流れないかは、まだわからないというのが建築局の答えではないのですか。これはどうですか。
◎漆原宅地審査部長 道路拡幅もこの部分で行われますので、その道路に設けます側溝と集水ますによりまして、その中に入っていく、吸収される雨水もあるかと思います。
◆岩崎委員 議論している余地がないので先に進みますけれども、要するに、今の部長の答えは、北側から南側に水が流れるということは確認していないのです。ここをはっきりさせておいてください。建築局だけではそういう準備をしているわけではないということも言われましたので、これを確認しておきます。
 では、開発許可を所管する建築局としては、浸水増大防止のためにどう取り組むのですか。
◎坂和建築局長 今の都市計画法の開発許可の対象になる施設でございますので、開発区域内に、これは18ヘクタールございますが、1万2000立方メートル、1万2000トンの雨水調整池を設置いたします。これは、規模で申しますと、小学校のプールに換算しますと約60個分の調整池を設けます。また、開発区域に接する既存道路の幅員が今7メートルぐらいになっていますけれども、開発によりまして12メートルの幅員に拡幅いたします。これにあわせまして、側溝とか集水ますなどの排水施設の整備計画となっております。さらに、開発区域の3%以上の公園及び建物の敷地の10%以上の緑地、合計で約2ヘクタールの雨水の自然浸透に効果のある緑地などを確保することにより、浸水拡大防止を図る計画となっております。建築局といたしましては、都市計画法の開発許可に当たりまして、これらの計画が確実に行われるよう指導してまいります。
◆岩崎委員 ここまでの議論では、この緑地が浸水状態になったときに水が北側から南側に流れるという保障は議論できませんでした。これはできていないです。水の通り道を確保するためには、建築局、道路局、環境創造局の下水部門など、複数の市の部署が事業者とよく協議して、連携して、相談をして、これから詰めないと、それは仕事ができないということではないですか。どうですか。
◎坂和建築局長 都市計画法の開発許可といいまして、今言った調整池だとか公園だとかは環境創造局。道路の拡幅は道路局。こういうものを取りまとめまして建築局が最終的に開発許可をするということですので、これは都市計画法32条協議と申しますが、それをしっかりやった上で許可をするということでございます。
◆岩崎委員 住民の皆さんが安心できるように努めるとの渡辺副市長答弁を確実に履行するためには、市としてどのように対応していくのか、これは他局もかかわることなので、副市長、きっちり答えてくれませんか。
◎平原副市長 周辺の住民の皆さんがいろいろ御心配を持っていることは、我々も事業者も聞いておりまして、そのお聞きした上で開発計画の一部を変更するというみずからの対応もしております。ただ、周辺へ、委員は水があふれるのではないかという御心配だと思いますので、公共下水道としては環境創造局でございますし、河川としては道路局という問題もございます。それから、今回の開発の受付窓口である建築局、この辺が具体的な早期の対応が図れるように連携して取り組んでまいります。
◆岩崎委員 地元も物すごく心配しているのだから、もう一回しつこいけれども言いますけれども、安心できるようにちゃんと市は指導、要請するというふうに、もう一回、いいですか。
◎平原副市長 どこの開発でもそうですけれども、横浜市はできるだけ、できるだけといいますか、市民の方々に迷惑をかけないように(私語する者あり)、しっかり指導しております。この件についてもしっかり指導してまいります。
◆岩崎委員 次に、市営住宅の有効活用について伺っていきます。
 借り上げ住宅を除く空き住戸の総数とその内訳を伺います。
◎古木住宅部長 借り上げ住宅を除く市営住宅の空き住戸の総数は、10月当初時点で2300戸あります。その内訳は、募集用として入居が予定されている約1100戸のほか、低層階への入居変更や災害一時使用として確保されているもの、また、現在予定している金沢区内3住宅の建てかえや住戸改善等のために仮移転先を確保しているものなどがあります。
◆岩崎委員 今、答弁あったように、管理戸数が約2万7000戸あって、そのうち1割近い2300戸が空き家状態というのは非常に問題があると思います。これは多過ぎると思います。そんなに空き住戸を置いておいたらだめだと思います。1戸でも多く入居希望者に提供できるように工夫、努力すべきだと思いますが、考えを伺います。
◎坂和建築局長 おっしゃるとおりだと思います。空き住戸の大半は、今も部長から申し上げましたように、使用目的、募集に回すとか、建てかえ用の仮住居にするとか、そういう利用目的が決まっているので、空き家を少なくして募集戸数分を大幅にふやすということはなかなかできない状況なのですが、しかし、空き家が生じた場合、修繕して、その上で募集します。未修繕の住戸については、次回以降、募集する部屋を中心に修繕をより速やかに実施するなど、少しでも多くの住戸を募集に回せるよう進めてまいります。
◆岩崎委員 ぜひよろしくお願いします。
 次に、市営住宅の日常的な修繕や維持管理等について伺いますが、これもちょっとスライドを見てください。(資料を表示)これは川辺町住宅の非常階段の劣化とその踊り場、デッキのところです。これがデッキの腐食部分で、これは上から見たところです。これは下から同じ場所を見ました。穴があいています。これは腐食で貫通しているということです。これは野庭住宅のベランダの柵です。そして柵の支柱の根元が腐食して、破断して分離しています。ここをもうちょっと拡大したのがこれです。それだけすき間ができているということは、鉄骨が下と上とで切れてしまっているということです。それから、次は野庭住宅です。フローリングの床が落ちてしまっています。これは畳の部屋です。落ちているので、真ん中がもうくぼんで、こういう状態になっています。
 ここで私が見てきた事例は、いずれも市の責任で修繕すべきものだと思いますが、法なり条例なりの条文で確認を求めます。あわせて、どう対応するのか伺います。
◎坂和建築局長 今、写真で提示していただきました修繕の関係でございますが、費用負担は大家としての横浜市が対応するものもございます。建物の劣化をどうしていくかということなのですが、通常、建物の劣化状態に着目して、まず法で定められたもの、その次に安全にかかわるもの、その次に、長期的に見て今やったほうがトータルコストとして安くなるもの、さらに計画修繕的なもの、4つに分けて修繕の対応をしています。それが基本となっております。
 それから、大規模周辺のほか、住戸改善、建てかえなどにより計画的な施設管理に努めている状況もございます。そういうものが修繕の基本的な考え方でございます。
◆岩崎委員 ちょっと聞いていることに答えていないのだけれども、私の持ち時間がないので、次に行きます。
 修繕費とか原状復旧費は、ともに居住者負担ということになっていますが、これは法定されたものですか。
◎坂和建築局長 先ほどちょっと冒頭申し上げましたが、詳しく申しますと、公営住宅法の中で第21条でございますが、修繕の義務ということがございます。それについては、公営住宅の家屋の壁、基礎、土台、柱、床、はり、屋根及び階段及び排水施設等については、遅滞なく修繕しなければならないということになってございます。
◆岩崎委員 いや、だから、法定されているかどうかを聞いているのです。
◎坂和建築局長 今写真で出ているものも家の中と外がございまして、法定されているものというのは、おのおの今言ったように違うということをお答えしたまででございます。
◆岩崎委員 法定されていないです。これは法第21条で、市の責任でやらないといけないものです。一言だけ言っておきますが、低所得の居住者に高額の負担を求める現行の諸規定、これは改める必要があると思うのですけれども、どうですか。
◎坂和建築局長 ちょっと先ほどと重なる部分がございますが、公営住宅法第21条におきまして、床、壁、給水管、排水管などを事業主体の負担とし、国が定めた公営住宅管理標準条例案において、畳の表がえ、破損ガラスの取りかえ等の軽微な修繕は入居者の負担としています。本市では、受益者負担の考え方に基づきまして公営住宅法管理標準条例案をもとに、日常的に生じる軽微な修繕については入居者の負担と定めており、現行の規定は適切だと考えております。
◆岩崎委員 その第21条、床は事業者負担です。だから、さっきのは床の落ち込みなのです。このことを申し上げておいて、終わります。


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