議会での質問・討論(詳細)
2018年10月12日

■教育委員会(古谷やすひこ) 2018.10.12

◆古谷委員 日本共産党、古谷靖彦です。どうぞよろしくお願いいたします。
 委員長、スライドの許可をお願いいたします。
○有村副委員長 はい。
◆古谷委員 まずハマ弁について伺います。
 先日の基本計画特別委員会に引き続いて、ハマ弁事業が事業目的をかなえているのかという点について幾つか伺いたいと思います。
 国では、平成28年度から始まっている第3次食育推進基本計画で掲げられている目標を達成するために、文部科学省は学校給食に対して、中学校での実施率を90%以上に、地場産物使用比率を30%以上に、国産食材の使用比率を80%以上に、そして朝食の欠食をゼロにと、この4点で実現しようとしています。そもそも中学校での学校給食実施率を90%以上にするということに関しては、全国では達成しています。しかし、大都市横浜が神奈川県の実施率を引き下げています。さらに、地場産物、国産食材の使用比率、それぞれ25%、75%から増加をしていません。横浜市が国の基本的な施策である中学校給食を実施しないことで、食育基本計画の目標達成にも足を引っ張っているという状況について教育長の見解を伺います。
◎鯉渕教育長 国の第3次食育推進基本計画では、学校給食の実施率を90%以上にすることとしておりますが、地方公共団体ごとに状況には違いがあり、本市では施設整備費に多くの費用がかかることや、給食室や給食センターの設置に必要な用地がないことから給食実施は難しいと考え、ハマ弁を実施しております。国の示す目標は承知しておりますが、横浜市の実情に合わせた対応をとっております。
◆古谷委員 それでは、スライドをごらんください。(資料を表示)国産食材の使用比率でも、ハマ弁は学校給食の実績にも及んでいません。地場産物使用比率は把握していないという事態です。せめてハマ弁で地場産物使用比率30%や国産食材の使用比率80%を目指すべきではないかと思いますがどうか、伺います。
◎鯉渕教育長 ハマ弁は事業者が食材を購入しておりまして、食品衛生法などにのっとった一般に流通している食材を使用しているため安全が確保されております。地産地消、地場産物の使用につきましては、小学校の給食でも供給量の問題があることから目標達成が難しくなっておりまして、ハマ弁事業者に求めることは困難と考えております。国産の食材を使用することにつきましては、食材の確保や製造の都合などを考慮した上で事業者にできるだけの協力を依頼しており、委員がおっしゃるとおり62.9%ということになっております。なお、ハマ弁で使用している食材の産地につきましてはホームページ上で公表しております。
◆古谷委員 次にハマ弁の栄養バランスについて伺います。
 次のスライドをごらんください。これは、選択ができるというハマ弁の組み合わせごとの注文割合の表です。ハマ弁を食べている方全体の中で、ハマ弁で設定している栄養バランスを満たしている割合はどのぐらいでしょうか。
◎前田人権健康教育部長 ハマ弁の栄養価指標につきましては、日本人の食事摂取基準2015年版に基づき作成しております。牛乳を含んだセットについてはこの基準を満たしております。牛乳を含んだセットを利用している生徒の割合ですが、今年度の4月から9月までで3割となっております。牛乳を除いて利用することもできますが、こうした場合は、ハマ弁の栄養価指標を若干下回っておりますので、この点については栄養価の改善を今後検討してまいりたいと思います。
◆古谷委員 つまり、ハマ弁を食べている方の3割しか栄養バランスを満たしていない。これは問題だというふうに思いますが、教育長、見解を伺います。
◎鯉渕教育長 私もそのように考えておりますので、栄養価の改善を検討してまいります。
◆古谷委員 注文する方に、先ほどから栄養バランスがいいのだという話をしておりましたが、フルセットの場合は栄養バランスを満たしているということはお知らせすべきだと思いますがどうか、伺います。
◎鯉渕教育長 今後、牛乳とフルセットで栄養バランスがとれているということで、推奨してまいりたいと考えております。
◆古谷委員 ハマ弁を始めるときに選択ができるようにするというのがハマ弁の売りの一つでもあったというふうに思います。選択させることによってハマ弁では必要な栄養素を満たさなくなる可能性が出てきたということについては、これは実施前からわからなかったのでしょうか。
◎前田人権健康教育部長 横浜らしい中学校昼食のあり方では、栄養バランス、温かさ、また食べる量や好みに配慮した昼食が求められていると考え、御飯、おかず、汁物、牛乳を個々の状況に合わせて選択できることになっています。他都市の給食でも牛乳の選択制をとっている市町村がございますが、そのような市町村でも牛乳を含めたものを栄養価の基準としていますので、ハマ弁においても牛乳を含んだ内容を栄養価の基準としてございます。
◆古谷委員 次にハマ弁の栄養価そのものについて伺います。次のスライドをごらんください。(資料を表示)ハマ弁は学校給食摂取基準に比べても低い基準の栄養価の基準となっていますが、それを採用した理由はなぜでしょうか。
◎前田人権健康教育部長 学校給食摂取基準は、国が定める日本人の食事摂取基準を参考に、不足が考えられる栄養素を考慮し算出したもので、カルシウムや鉄について極めて高い目標値となっております。ハマ弁の栄養価指標は日本人の食事摂取基準2015年版に基づいて作成しております。エネルギーやたんぱく質については、学校給食摂取基準とほぼ同様となっています。食に関する課題は、家庭も重要な役割を有していると考えているところから、選択制の昼食の中では、1日のうちの1回の食事として昼食を捉え、基本的には日本人の食事摂取基準2015年版の3分の1の量を基準としているところでございます。
◆古谷委員 厚生労働省の基準がもとになっているということですが、文部科学省はそれに学校給食摂取基準は上乗せをしているわけであります。ハマ弁は低いほうの基準をとっているわけですが、厚生労働省の基準ではなくて、文部科学省がわざわざ上乗せ基準を学校摂取基準でつくっている理由を説明いただけますか。
◎前田人権健康教育部長 学校給食摂取基準は、国が定める日本人の食事摂取基準で示されました1日分の食事摂取基準から、朝食、夕食、間食など昼食以外で摂取する栄養価を差し引いて、昼食で摂取すべき栄養量を算出しているため、不足が考えられる栄養素については3分の1の量よりも高い目標値となっています。
◆古谷委員 学校給食摂取基準は実情に合わせて改定を行っています。ハマ弁の栄養価指標は今まで改定されたのでしょうか。せめて学校給食摂取基準が改定されるごとにハマ弁の栄養価指標を考えるべきではないかと思いますがどうか、伺います。
◎前田人権健康教育部長 ハマ弁は、お話ししたとおり日本人の食事摂取基準2015に基づいて作成しているところですから、栄養価指標については現在改定をしてございません。
◆古谷委員 次に食品ロスの観点から伺います。
 SDGsにも指標として出され、横浜でも食品ロスは、市を挙げて食品ロスをなくすのだというふうに言われています。教育長は、ハマ弁においても食品ロスをなくすという立場に立つのか立たないのかを伺います。
◎鯉渕教育長 食品ロスにつきましては、極力なくすよう努力すべきと考えております。現在、保護者からの当日注文を求める声に応えるために当日注文の試行を実施しております。当日注文のニーズを把握する必要があるため、試行実施期間中は売り切れが出ないように製造数を一定程度多くしております。実績を踏まえながら製造数を調整し、食品ロスが減るよう努めております。
◆古谷委員 その点で、通常に注文されているハマ弁から1日当たり何キロの残食が出ているのか、伺います。
◎前田人権健康教育部長 ハマ弁の残食量ですけれども、事業者が献立作成の参考にするためにスタッフが目視で確認をし、それぞれのおかずが少しでも残っていればカウントし、提供数に対する残食があった割合として把握してございます。数量的に記録しているものではないために、1日当たりの残食量は把握できていません。
◆古谷委員 把握していないのです。それで、ハマ弁の当日注文方式で今までもう1000食以上が廃棄されているわけですが、これも何キロだか把握していませんか。
◎前田人権健康教育部長 当日注文の9月までの実績では1249食のロスが出ています。残食量の記録をとっていないため、キロ数での把握はしてございません。売り切れて生徒に提供ができないことがないように製造数を一定程度多くしてきたために、当初は5割程度のロスとなっていましたが、現在は1から2割程度までの減少となっています。引き続き食品ロスの減少に努めてまいりたいと思います。
◆古谷委員 毎日毎日廃棄が出続けている当日注文方式なのですが、今おっしゃられたとおり少しずつ予測数を補正しているというふうには聞いています。その中に先生の数も予測しているのでしょうか。
◎前田人権健康教育部長 通常の事前注文のハマ弁と同様に、教職員を当日注文の製造見込み数として含んでおりまして、7月の生徒、教職員の喫食実績をもとに予測を立てて、8月以降の注文実績をもとに適宜製造見込み数を修正しているところでございます。
◆古谷委員 なぜ当日注文まで先生を入れるのでしょうか。
◎前田人権健康教育部長 想定喫食率につきましては、平成26年に実施しました中学校の昼食に関するアンケート調査をもとに生徒の約20%としていましたけれども、実際の提供は生徒、教職員を対象にして提供しておりまして、目標設定とした場合に現状の提供状況に合わせて、生徒、教職員の喫食率で20%としているところでございます。
◆古谷委員 全く答えていないですけれども、当日の注文に先生まで入れると、それはやはり事業としてはおかしくなりますし、実際は、先生が残った廃棄予定の弁当を注文している様子が数で見ると見えます。ですから、これは入れないでしっかり計算すべきだというふうに思います。廃棄が前提となっている当日注文方式は、全校展開などということはとんでもないことだというふうに思います。今すぐにでもやめるべきだと思いますが、やめることがあるのかないのか、教育長に伺います。
◎鯉渕教育長 当日注文の試行につきましては、試行実施結果を踏まえて今後の展開を検討いたします。当日注文のニーズや全校に展開した場合の課題等につきましては、一定期間行わないと把握できない部分がありますので、試行実施を当面継続いたします。私どもも強い要望を受けて当日注文の試行に入っておりますので、その成果をどう考えたらいいか、検討しているところです。
◆古谷委員 昼食が食べられない生徒対策について伺います。
 実際に支援している生徒は少ないと述べられております。では、現在昼食を食べられない生徒はいなくなったのかどうか、伺います。
◎鯉渕教育長 昼食を食べられない生徒をなくすことは重要なことだと考えております。学校に対しては、昼食時間の生徒の状況を観察し、必要とする生徒のサインを早期に把握し支援につなげていただくよう、学校へのガイドラインの通知や各種研修等を通じて周知しております。まだ支援の件数は少ない状況であることから、昼食提供を必要とする潜在的なニーズはあるものと考えており、支援が必要な生徒がいた場合には学校から相談していただきたいと考えております。
◆古谷委員 抜本的に改善を考えないといけないと思います。私が伺ったところでも、昼食の場面を見ると、食べていない生徒がいたということもあります。ですから、ぜひ改善を図っていただきたいと思います。
 先ほどもありましたが、昼食時間が15分しかない問題を伺います。ハマ弁を食べている生徒にとっても、とりに行って返す時間を考えれば、ハマ弁を推進する立場の市教委としても昼食時間は延ばすべきではないかと思いますがどうか、伺います。
◎直井指導部長 昼食時間につきましては、昼食時間の前に準備時間を確保しており、生徒はその時間を利用してハマ弁や業者弁当を受け取ります。昼食にかかる時間は多くの生徒は15分で食べ終わっており、昼休みに入ろうとしますが、個人差もあるため、時間内で食べられない場合は引き続き食事が続けられるように配慮もしております。昼食時間は、各学校の判断で授業時間や部活動などとの関係も踏まえて配分されており、必ずしも一律で昼食時間を延ばすことは難しいのではないかと考えております。
◆古谷委員 実態がそうなのだとおっしゃっていますが、食育の観点から見ても余りにも短過ぎると思います。市教委としては、昼食は15分で早く食べることを推奨しているのでしょうか、伺います。(私語する者あり)
◎前田人権健康教育部長 昼食の時間につきましては、生徒同士の交流でありましたり、社会性の涵養を図ることも含めて、時間をしっかりと使って食べることを指導しています。食事が終わらない場合には、その時間以降も引き続き食べていいことになっています。一方で、昼休みを楽しみにしている生徒が多いこともありまして、早く食べ終わった生徒を教室で待たせておく時間を延ばすということは難しいという現状もございます。昼食時間は、各学校の判断で授業時間、また部活動などとの関係を踏まえて配分されております。必ずしも一律で昼食時間を延ばすことは難しいというふうに考えてございます。
◆古谷委員 先日の私の中学校給食を求める質問に対して、毎日全員で同じものを食べる給食について、刑務所のようだと給食を中傷するようなやじが飛びました。本当に私はひどいやじだと思いますし、給食を実践している小学校給食も否定するような発言だと思います。教育長は給食についてどのような施策だと理解していますか。
◎鯉渕教育長 本市でも小学校では学校給食を実施しておりますが、適切な栄養の摂取を図るとともに、共同生活の中で食事の大切さやマナー等の社会性を学ぶ場であると考えております。
◆古谷委員 次に、多くの方にハマ弁デーを知ってもらうというハマ弁デーについて伺いますが、ハマ弁の認知度について教育長の認識を伺います。
◎鯉渕教育長 ハマ弁という名称につきましては、多くの生徒、保護者に認知されていると思っておりますが、実際にハマ弁を食べたことがない方やハマ弁がリニューアルして献立内容や注文方法が改善されたことなどを御存じない方も多くおられるのではないかと思っております。
◆古谷委員 昨年のハマ弁デーのアンケート結果について、次のスライドをごらんください。これは無料が前提なのですが、ハマ弁デーは、設定した日に希望者に無料で提供するというものですが、不参加の方にもアンケートをとっています。設問1では、このように無料であるにもかかわらず7割近い方が不参加というふうになっています。
 次のスライドをごらんください。これはハマ弁デーアンケートの設問5です。「ハマ弁をどのぐらい使っていますか。」という設問で、62%の方が「今は注文していない」と答えて、その理由のトップに「おいしくないから」とあります。これについて、先ほど残食の話もしたのですが、メニューごとの残食のチェックをまともにしていないのは改善もしようがないというふうに思うのですが、残食チェックをなぜしていないのですか。
◎鯉渕教育長 アンケートのことを話させていただきますが、今回のアンケートは、ハマ弁デーの実施31校、9666人の回答をまとめております。委員がおっしゃるとおり、ハマ弁を食べたことがあるが、「今は注文していない」と答えた生徒のうち「おいしくないから」が4割と最も多い理由ですが、その回答者数は157人となっております。別の問いでは、ハマ弁デーでハマ弁を食べた生徒の71%、2215人が「おいしかった」と回答していることもあります。ハマ弁はこの秋からリニューアルを実施し、メニューを刷新し、献立内容を充実しております。引き続き生徒から選ばれる献立作成に努めております。
 また、残食のチェックのことにつきましては、ハマ弁の残食のチェックは先ほど申したとおり目視で事業者が確認しておりますが、これは献立作成の参考にするために、提供数に対して残食があった割合ということで把握しております。
◆古谷委員 次のスライドをごらんください。設問8です。今後ハマ弁を「注文してみたいと思いますか。」という設問に85%の方が「注文してみたいとは思わない」と答えていることについて、教育長の所感を伺います。
◎鯉渕教育長 「注文してみたいとは思わない」と答えた生徒の理由として、「家のお弁当が好きだから」というのが一番多く、「注文が面倒だから」という理由がその次に多くありました。こうした声を踏まえるとともに、15%の生徒が「注文してみたい」と回答していることから、この秋から一括注文の導入や当日注文の試行など、より使いやすくなるような注文方法を改善したものです。今後は、毎月の献立表の配布や試食会、新入生の保護者説明会など、さまざまな機会を通じてハマ弁のよさをしっかりとPRしていきたいと考えております。(「頑張れ、教育長」と呼ぶ者あり)
◆古谷委員 この間メニューを変えたり、注文方式を変えたり、当日注文方式を試行したり、一括注文方式ということを始めています。温めることも試行しようとしているようですが、これは冷たいものでも温めるということなのでしょうか、伺います。
◎鯉渕教育長 現在、おかずは冷ました状態で提供しております。これについて、温めることができないかと思って検討している最中でございます。
◆古谷委員 結果が、今までさまざまやって苦労されているのも承知しています。ハマ弁工場にも私も行って来ましたから、業者も非常に丁寧につくられているというのも認識しています。しかし、結果が出ていないということについて、ハマ弁事業は、やはり私はどこかで失敗を認めてやめる決断も必要だと思いますがどうか、伺います。
◎鯉渕教育長 現在、鋭意モニター校で試行しております。そうした成果も踏まえまして、また、モニター校では喫食率が6.5%にもなってきております。これを全体に広げていく中で10%を目指して努力していきたいと考えております。
◆古谷委員 改めて、ハマ弁はやめて中学校給食の実現を求めます。
 最後に、学校と放課後等デイサービスの連携について伺います。
 学校と放課後等デイサービスの連携についてなかなか進んでいないことについて、特に学校側に対してもっと努力するようにと促す通知が文部科学省から出されています。学校と放課後等デイサービスの連携について現在どういう課題があるかと認識しているのか、伺います。
◎直井指導部長 平成30年4月に放課後等デイサービス事業の内容理解と送迎時の協力依頼、個別の教育支援計画の情報共有などについて、こども青少年局と連名で全校に通知するとともに、5月には校長会において通知の趣旨説明を行いました。また、学校からの相談に対し適宜助言を行ってきているところでございます。しかし、学校と放課後等デイサービス事業所によっては連携や相互理解が十分とは言えない状況もあると認識しております。
◆古谷委員 通知が文部科学省から出されて学校側に対して言われているわけです。ですから、ここはやはり教育委員会がもう一歩足を運んで改善を進めるべきだと思いますが、教育長、伺います。
◎鯉渕教育長 学校に対しましては、さまざまな機会をいただいて、放課後等デイサービス事業の制度や取り組み内容等についての周知徹底を図ってまいりましたが、このたび、文部科学省から学校と福祉関係機関との連携についての通知が出されたことを踏まえまして、学校の対応状況を把握するとともに、特に個別の教育支援計画の情報共有を具体的に進め手順を示していきます。引き続きこども青少年局と情報や課題を共有しながら連携をさらに推進してまいります。
◆古谷委員 これは本当にぜひ前向きに進めていただきたいというふうに言って、質問を終わります。


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