2019年9月20日
横浜市長 林 文子 様
日本共産党横浜市会議員団
団長 荒木由美子
台風15号による甚大な被害に対して、連日、昼夜を分かたず対応されている関係部局、職員のみなさんに敬意を表します。
危機管理室の発表によれば9月19日現在、人的被害3件(軽傷)、住家被害719件、非住家被害114件、崖崩れ・土砂流出48件、倒木740件などであり、さらに、金沢区工業団地では高波と護岸崩壊による浸水等被害471事業者となっています。金沢区工業団地は、横浜市が埋め立て・造成、分譲した団地で護岸は港湾局が管理しています。横浜港では橋、道路をはじめ重要な施設が使用不能になるなど港湾機能が大きく破壊されました。
日本共産党横浜市会議員団は、それぞれの議員は地元における個々被害に懸命に対応しています。また、9月13日には、工業団地福浦の護岸崩壊現場と被害状況を視察しました。護岸崩壊によって浸水被害が拡大した事実から目を背けることはできません。
こうした活動を通して判明したことは、住家被害では「暴風雨で屋根が飛ばされ家の中は水浸しで生活できない、とりあえず住むところが欲しい」、また、金沢区の工業団地の被災事業者は「浸水被害で生産設備が使えなくなり、仕事の再開のめどが立たない、事業再開への支援が欲しい」、「事業者の場合は、操業できなければ、従業員と家族で数千から1万数千人の市民が路頭に迷う」など悲鳴が上がっていることです。
このように、台風15号の被害実態は、想像以上に深刻かつ大規模であり、被災した市民、事業者に、迅速な行政の支援が必要です。
本市は、9月8日に「15号台風警戒本部」を設置し、その後、9月13日に「台風第15号に伴う被害対策会議」を立ち上げています。
9月18日に第2回対策会議が行われ、「被害状況、各区局の対応状況を共有するとともに、今後の対応等を検討・・・市民生活への影響を最小限に抑えるべく、庁内一丸となって・・・必要な対応を迅速に行っていく」ことが確認されたと聞いています。また、林市長が、9月18日・19日、国に対して「災害復旧に関する緊急要望」を行ったことも承知しています。
しかし、台風通過後すでに11日間が経過していますが、本市における被害の全体状況・実態が見えてきません。あまりにも、対応が遅く、不十分と言わざるを得ません。
被災者への支援対策が一気に行われるために、以下の項目に即刻、取り組むよう申し入れます。
記
1、「台風第15号に伴う災害対策」を、全庁一丸でおこなうために災害対策本部を立ち上げるなど体制を充実強化すること。
2、市内全域における被災状況の正確な把握とともに、市民、被災者に対する支援制度等の情報が確実に行き届くようにすること。
すべての被災者(世帯)に、本市の「被害に対する支援施策」を周知し、被害届の提出に対しては、被災者に寄り添い、迅速に支援を提供すること。
3、産業被害、住宅被害に対する支援に万全を期すこと。その際、市民生活の再建、事業者操業再開への支援を最優先すること。
4、護岸崩壊について、専門家の協力を得て、調査・分析し、行政責任を明確にすること。あわせて、再発防止策についても直ちに具体化すること。
以上