2019年9月30日
横浜市長 林 文子様
日本共産党横浜市会議員団
団長 荒木由美子
海上自衛隊は、10月14日に相模湾で行われる自衛隊観艦式を盛り上げるための行事を米海軍のイベントを模して「フリートウィーク」と称し、10月5日、6日の両日、海上自衛隊東京音楽隊による音楽演奏会、海自カレーフェア、テントブースでの制服着用体験等を赤レンガパーク(赤レンガ倉庫)で、ヘリ搭載型護衛艦「いずも」の一般公開を横浜港大さん橋国際客船ターミナルにおいて行うとしています。
防衛省は、2020年度概算要求で護衛艦「いずも」をF35Bステルス戦闘機の発着を可能にするため改修費31億円を計上しました。岩屋毅防衛相(当時)は改修後の「いずも」から米軍F35Bが空爆に出撃する可能性は「排除されない」と明言し、攻撃型空母化を宣言しています。そもそも空母は、敵地攻撃の武力であり戦力です。その保持、運用は憲法9条違反であることは明確です。
今回の「フリートウィーク」のメインイベントは、護衛艦「いずも」での一般公開です。防衛省は、同艦に搭載されている武器等の装備品などを間近で見るチャンスとして市民にアピールしています。それは、子どもたちをはじめ市民に戦争への抵抗感を薄め、なくそうとするものであり、平和な商業港として発展している横浜港で、自衛隊と艦船の戦闘能力を誇示する広報活動を行おうとするものです。こうしたイベントは戦争しないと誓った憲法9条をもつ日本では本来実施できないはずのものです。
2018年6月15日横浜市議会は、「横浜市国際平和の推進に関する条例」を全会一致で成立させました。その第2条は「市は、国際平和の推進に関する施策を策定し、及び実施するものとする」、「市は、国際平和に関し、市民の理解を深めるため、必要な啓発及び教育を行うものとする」と定めています。海上自衛隊のホームページにある観艦式特設ページ「フリートウィーク」では、ミニP-3C機動展示というイベントについて、「敵の潜水艦と対峙するストーリーが秀逸」とPRしています。横浜港湾管理者である林市長が、「フリートウィーク」の場として横浜港を提供すること自体、条例遵守の立場からも絶対に許せません。
今や自衛隊は、安保法制のもとで、南シナ海やインド洋で米軍との共同訓練が常態化しているように、9条の制約の下での自衛的措置・専守防衛からの逸脱は度を越しています。
以上の経過を踏まえて、市長におかれましては、下記の措置を講じられるよう求めるものです。
記
横浜港への護衛艦「いずも」入港・接岸による一般公開をはじめとする防衛省・海上自衛隊の「フリートウィーク」実施は、二重三重に平和に逆行するものであり、市として施設貸し出し許可を撤回し、国に中止を要求すること。
以上