議会での質問・討論(詳細)
2009年10月1日

【2008年度決算特別委員会】「総合審査(2日目)」 中島文雄

中島議員:日本共産党を代表して、昨日に引き続き、質問します。

全国1多い国民健康保険証の取り上げをやめよ

 最初は、市民税や国民健康保険料等の滞納処分のあり方等についてです。
 急激な生活危機から、「払いたくても払えない」滞納者が全国的に急増しています。
 まず、本市の国民健康保険料の2008年度における滞納世帯数の状況、所得階層別の滞納世帯数を、健康福祉局長から伺います。

立花健康福祉局長:2008年平成20年度の滞納世帯数は、10万飛んで9437世帯となっておりまして、国保世帯全体の17.7%でございます。
 また、滞納世帯で所得階層別にみますと、200万円刻みで申し上げますが、所得が200万円以下の世帯は約5万7000世帯、滞納世帯全体の52.3%を占めております。また200万以上400万以下の所得階層では約2万4000世帯が滞納しておりまして、滞納世帯の21.8%。400万を超える世帯では約8000世帯が滞納しておりまして、同じく7.4%となっております。このほかに所得が不明の世帯が約2万世帯ございまして、滞納世帯の18.5%となっております。

中島議員:滞納世帯の大半が低所得者層、特に200万円以下と、そういう方が多いというふうに思います。それでは、昨年10月1日および本年4月1日現在の資格証明書の発行、いわゆる国民健康保険証取り上げの状況について、これも健康福祉局長から報告して下さい。

立花健康福祉局長:2008年平成20年の11月1日時点では3万4128世帯、21年の4月1日時点では3万飛び581世帯に対して、資格証明書を交付しております。

中島議員:本市、3万世帯以上に国保証がないわけですね。私、調査して、さいたま市では0件だとか、広島市では1件だとか、そういう他都市に比べて、あまりにも異常だと思うんです。横浜だけが、いわゆるこの「悪徳滞納者」が多い、こういうことは考えられないと思うんですが、市長としてこういう現実、どういうふうに思われますか。

林市長:中島委員、交付数が多いというふうにおっしゃっておりますけれども、本市は人口が多くてですね、全国最大の加入者を有する保険者として取り組んでいるということも、結果と考えています。加入所帯に対する資格証明書交付世帯の割合でみれば、政令市のなかで、福岡、千葉に次ぐ3番目であり、その意味では本市の交付数が飛びぬけて多いとは考えておりません。

中島議員:0件、1件のところ、3番目といってもこの数の問題についてよく精査してみてください。時間がないのでこれ以上いいませんけども。
 私が報告したなかでの多くの自治体では、すでに「特別な理由」を準用し、借金等がある生活困窮、あるいは生活保護に準ずる生活困窮、こういう基準を明確にして、納付の猶予や滞納処分の執行停止、こういう措置ですね。また、現在失業中や経営難に陥った世帯から国保証を取り上げないという、こういういわゆる「支払能力のない者」への規定を設けて対応しているんですね。本市でも、これに習うべきじゃないかと思うんですが、市長の見解を伺います。

林市長:中島委員のおっしゃる所帯につきまして、区役所にご相談いただいて、保険料を納めることが困難であるという状況が確認できましたら、短期被保険者証を交付するなど所帯の状況に応じた対応をしているところでございます。引き続き、個々の所帯のご事情をよくお聞きしたうえで、保険料の減免などを含めてきめ細かな対応に努めてまいります。

中島議員:私いっているのは、本市できちっとした規定がないもんで、区役所の窓口の対応者でばらばらなんですね。これを他都市のように、きちっと物差しをはっきりさせたほうがいいと、そうすればもっともっと、本当に支払い能力がない者が明確になるということですから、ぜひ研究してください。

払いたくても払えない!市民税の実効ある減免制度を

 次は、市民税についてですが、これについても滞納処分について、差し押さえ件数の推移を3年間で、これは行政運営局長から報告して下さい。

鈴木行政運営局長:市税の差し押さえ件数ですが、18年度が1万6872件、19年度が1万9845件、20年度が2万4123件となっております。

中島議員:2008年度、滞納世帯のうち、減免が適用された内容の件数についても、局長からお願いします。

鈴木行政運営局長:20年度の実績で申し上げますと、災害を受けた件数が79件、公私の扶助を受ける場合というのに該当するのが499件、失職等により所得が減少したという場合が1108件となって、合計1686件を減免をしております。

中島議員:先ほどの報告の差し押さえ件数、2万4000件以上ね、それで失職等、いま大きな問題になってこういう減免は、わずか1000件余ということですからね。私、これ改善する必要あると思うんです。
 その原因に、本市の市税条例で、失職等による減免が規定されてはおるんですが、適用については「資産・預金等の調査や親族の所得状況を加味して判断」、こういう規定になっていますので、ほとんどが減免の適用除外とされているのが実態です。減免の趣旨は、失職等により本人の急激な所得減少に対するものではないかと思うんです。これ、行政運営局長の見解を求めます。

鈴木行政運営局長:市民税の納付が困難な事情というのは様々だと思います。その判断にあたりましては、個々の納税者の方々の資産や生活状況等個別事情を踏まえる必要があるということでございまして、それがまた法の趣旨にもなってございます。公平な税負担の観点からも、適当であるというふうに考えております。

中島議員:ここに、川崎の条例で、減免をうたった部分あるんですね。当然ご存知だと思うんですが、これ本市といまの局長の見解と違うんです。「資産や親族の所得状況を加味する」こういう規定はないんですね。いわゆる本人の所得減少に対して、急激な所得減少に対して適用されていると。これが、私はあるべき減免制度ではないかと思うんです。本市の減免制度の改善を求めますが、市長の見解を伺います。

林市長:地方税法では、貧困により生活のため公私の扶助を受ける場合等に、市民税を減免することができるとされております。従って、これら扶助を受けることができないような収入や資産がある場合なども含め、収入枠のみをもって一律に減免を行うことは、公平な税負担の観点からも適当ではないと考えております。中島委員のご指摘のとおり、経済や雇用の環境は依然厳しい状態が続いており、納税が困難なケースも多くなっていると考えておりますので、法の規定を踏まえつつ、個々の納税者の方々の事情をきめ細かく勘案し、適切な運営に図ってまいりたいと考えています。

中島議員:ぜひ、実効ある減免制度を行ってもらいたいと思います。

「税金のムダづかい」新市庁舎建設計画策定は凍結して再検討を

 最後に、財政再建にむけた不要・不急な事業の見直しについてです。
 中田前市長は、いわゆるとんでもない「税金のムダつかい」、こういう置き土産まで残して辞職したわけですが、その一つに30年間で1506億円もかけて、効率も疑われるような離れた北仲通地区に高層ビルを建設して、現庁舎と併用して使うと、そういう計画です。
 市長は、再三にわたって財政危機強調されて、先の一般質問でも「景気動向、財政状況等を加味して検討する」と答弁されていますが、だとすれば、年度内に計画策定をするような拙速をやめて、一時凍結したうえで検討をすべきだと思うんですが、見解を求めます。

林市長:今年度中で計画を進めていく、作っていくということでございませんで、まだ地元の方々ともお話をしながらやっていくということでございまして、新市庁舎の整備は周辺のまちづくりと整合性をとって進めていく必要があると考えております。
 関内関外地区の活性化を進めるとともに、新市庁舎の検討も合わせて行っていくべきと考えていますので、様々な機会を通して幅広く市民のみなさまからご意見をいただいて、市会にご説明をしたうえで、景気動向・財政状況および地元状況を考慮して進めてまいります。

中島議員:都市整備局が示しているのは、年度末に策定ですよ、計画。ちょっと認識違うんじゃないですか。

林市長:議論を進めるか、それから経済状況・地元の調整をして、進めるかどうかを検討しているということで、計画をつくるということではないということです。

中島議員:時間もまいりましたのであれですが、ちゃんとよく後で見ていていただきたいと思います。


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