議会での質問・討論(詳細)
2009年10月2日

【2008年度決算特別委員会】「安全管理局」 大貫憲夫

横須賀の米軍基地での原子力災害を想定した防災計画を

大貫議員:共産党の大貫でございます。
 私は、本市防災計画の都市編の放射性物質の災害対策について質問したいと思うんですが、これみてましたら大変な不備があることに気がついたんですね。というのは、想定災害のところに、横須賀の米軍基地が入っていないんですね。そこで、私はこれは非常に重大な問題だと思っていますので、そこにかかわって質問したいと思うんですけど、まず、本市で計画のなかで、放射性物質等の想定災害、これどこに対象を当てているのか、そしてもうひとつは対象に物質について何を対象としているのか、伺います。

上原安全管理局長:想定災害でございますが、先生ご指摘の都市型災害の防災計画でありますが、想定災害として3つありまして、ひとつは原子力施設における災害、二つ目が核燃料物質等輸送中の災害、三番目が放射性同位元素保有施設における災害、こういうものを想定しております。

大貫議員:そのなかで原子力施設における災害ですけれども、具体的にどこを想定していますか。

上原安全管理局長:市内には原子力施設はございません。県内では、川崎市にございます東芝原子力技術研究所と横須賀市のグローバルニュークリアフエールジャパン、この2つがございます。

大貫議員:その両方とも市内にないわけですよね。市内にない施設に対して、どうして想定災害にするんですか。

荒井危機管理室長:いずれの施設も隣接している市でございまして、もしそちらで災害が起こった場合においては、市内への影響を心配する市民の方もいらっしゃいますでしょうし、そういった市民対策を主に、たとえば相談窓口の設置だとか、健康管理の相談・ケアをするだとか、そういったことを対策の主眼として対応するようになっております。

大貫議員:要するに隣接だからということですよね。それで、197ページにその点で、本市の地域特性を十分に考慮し、必要な対策を求めると書いてありますね。本市の地域特性というのは、放射性物質についてはどういうことを示しているのでしょうか。

上原安全管理局長:本市の地域特性でございますが、人口が集積しているという一般的特性のほか、原子力施設は市内にはございませんが、研究開発施設、病院など放射性同位元素RIを使用している施設が数多く存在すること、隣接する横須賀市には、先ほど申し上げました核燃料確保施設がございまして、そのために核燃料の輸送経路の話が該当しているという点でございます。

大貫議員:そうしますと、本市の特性として、横須賀に隣接していると。横須賀には米軍基地がありますよね。その米軍基地をなぜ想定災害の対象施設として取り扱わないんでしょうか。

上原安全管理局長:ご指摘の本市の防災計画の放射性物質災害対策でありますが、これは一般的に日本に駐留している在日米軍の基地は一切対象としない、しておらないと、前提として考えていないということでございます。

大貫議員:なぜ、考えてないんですか。現実にですね、横須賀には核を積んだ艦船、原子力を推進とする艦船が空母、それから原潜ありますよね。それをどうして、実際にそこにある危機というか核事故の可能性があるところについて、どうして想定しないんですか。

上原安全管理局長:16年8月に国で定めております原子力艦の原子力災害対策マニュアルというのがありますが、これによりますと、原子力艦の原子力災害が発生した場合、屋内退避する原子力艦からの距離は原子力空母で半径3キロメーター、原子力潜水艦で1.2キロメーターとされております。従いまして、米海軍横須賀基地からのこの範囲に含まれるのは、横須賀市の一部だけでございます。

大貫議員:原子力空母の原子炉というのは、ニミッツ級では2炉積んでいますよね。これがメルトダウンしたらどうなりますか。

上原安全管理局長:原子力艦の安全性につきまして、アメリカ政府が作成しましたファクトシートというのがございますが、これによりますと、日本国における米海軍基地の外の地域では、艦船から放射能が漏出するというきわめて想定しがたい事態が発生したとしても、いかなる防災措置もとる必要はないとされておりますので、その事態は想定していないということであります。

大貫議員:想定していなくたって、チェルノブイリだって、スリーマイルだってそういう事故が起きたわけですよ。ないっていうメルトダウンが起きないという理由はないわけですね。ですから、そこについての本市の対策というのですかね、それとらなきゃおかしいんじゃないですか。実際にそういう脅威があるということは認めませんか。

上原安全管理局長:危機管理の一般論としては最悪の事態に備えるべきだと思っておりますが、しかしながら本市で把握しております横須賀に停泊しております原子力空母の情報、あるいはファクトシート、国の見解等々考えますと、横浜市内に影響がおよぶような事態は想定していないと、こういうことであります。

大貫議員:それは、最悪の場合を考えるのが安全管理局の仕事でしょ。なぜ、最悪のことを考えないんでしょうかね。同時に、昨年のジョージ・ワシントンが5月に火災発生しましたよね。ジョージ・ワシントンには核が積まれている可能性がありますよね。これは密約があったということで、核を積んでいる可能性が十分にあるわけですね。核がそこで引火するなり、さらには高性能のジェット燃料が爆発したり、たいへんな事態が起きる可能性があることは、昨年の5月にジョージ・ワシントンの火災ではっきりしているんですよ。それなのに、なぜとらないんですか。

上原安全管理局長:本市の防災計画、都市災害対策編の放射性物質災害対策の項は、横須賀にあります米軍の艦船の事故を想定はしていないことは、繰り返しお伝えしているところでございますが、一応アイソトープ等の運搬時に横浜市内で起こる事故を前提としておりますが、組織体制・応急対策・医療対策・災害復旧対策などの必要な事項は定められておりますので、先生おっしゃるように、万一万一の時は、この対策を緊急的に適用するんだろうというふうに思います。

そもそも原子力空母が横須賀に入港しなければリスクはない

大貫議員:この問題は、おっしゃるとおり国の政策もあって、防災計画にいれなくってもいいというふうにおっしゃっているけども、そういうリスクがあることは事実ですよね。そういったときにリスクを無くすことがまず第一だと思うんですね。ですから、簡単にいえば、原子力空母、それから原潜、これが横須賀に入ってこなきゃいいんですよ。そう思いませんか。

上原安全管理局長:原子力空母の配備につきましては、国の安全保障にかかわることでございまして、国の専管事項だと考えております。私としましては、日米安保条約は必要なものであると考えております。

大貫議員:そういう状況のなかで、政権も変わりましたよね。それから世界の流れは核の問題では廃絶の方向に動いているわけですよ。金田さんね、こういう時期のなかだから、やはり横浜市として非核平和都市宣言をして、その立場からこの核艦船の入港を反対するという立場が必要ではないですか。いかがでしょう。

金田副市長:米軍艦の入港そのものは、日米安保保障条約上の国家間の取り決めによって行われておりますし、そのことについては国の専管事項だと思います。ただ、先生おっしゃったような、できるだけ核のない世界をつくることは、そのことについては、現在世界全体の流れではないかと思っております。

大貫議員:専管事項だとしても、本市の立場をいうことは出来ると思うんですよ。それ、言わなきゃいけないと思う。安全管理ですからね。そういった点で、やっぱり非核平和都市宣言、まずすることが大事だともうんですけども、金田さん、どう考えますか。

金田副市長:当然、基礎的自治体として、安全であるということは、先生おっしゃるとおりだと思います。ただ、これは安全保障条約と一体となって起こるものでありますから、このことについては神奈川県のその他のいくつかの都市も同じでございますが、当然そのことは申し入れしますけれども、そのこと事態については国の側でやっぱりしっかりと責任を持って対応していただきたいと思っております。

大貫議員:(委員長、非核都市宣言をやらなきゃいけないんじゃないかということを私は聞いたんです。答えていないんです。)同じ質問です。

上原安全管理局長:それは先生のご意見として承っておきたいと思います。

大貫議員:安全を考えたときに、やっぱり横浜市が毅然とした態度をとることが必要だというふうにいっておきます。

消防職員の感染防止衣を個人貸与に

 時間もあれですから、次に、消防職員の感染防衣の貸与について伺いたいと思いますが、消防職員の委員会の設置目的、説明してください。

上原安全管理局長:消防職員委員会の設置目的でございますが、消防職員間の意思疎通を図るとともに、消防職員の意見を消防事務に反映しやすくすることで、消防職員の士気を高め、消防事務の円滑な運営に資することを目的としたものでございます。

大貫議員:その審議のなかで、20年度の委員会の25番で、感染防衣の個人貸与についてというのがあるんですが、その意見概要について説明してください。

上原安全管理局長:25番、感染防止衣の個人貸与について、意見概要。現在、消防隊に配付されている感染防止衣は、不織布のため耐久性に欠け、縫い目がほつれやすく、補修しながら使用している状況である。また、車両に積載して両番で供用しているため不衛生であり、管理状態がよくなく、適するサイズがないことから、見た目もわるい状況である。PA連携等で感染防止衣の使用頻度が高くなっている現状から、救急隊と同じ感染防止衣として個人貸与について検討してもらいたい。以上です。

大貫議員:ありがとうございました。新型インフルエンザがでてきましたよね。大変な状況ですね。それから、感染症というのは色々なこれからも消防隊、それから救急隊、大きな働いている人たちの命を守らなければいけないわけですね。その命を守るためのいわゆる感染防止衣の問題で、こういう内容が出てきたこと事態、私、大きな問題だと思っているんですが、具体的にどういう防止衣を着用しているのか、伺います。

上原安全管理局長:小隊に現在貸与されている感染防止衣でありますが、ポリプロピレン製の不織布を素材とする3層構造となっている感染防止衣の上衣を配付をいたしております。

大貫議員:ここに書いてあるように、耐久性に欠けているというふうになっているけど、具体的にどういうような使い方をしているんでしょうか。

上原安全管理局長:先ほどお話しました感染防止衣でございますが、配付している感染防止衣でございますが、ウイルスや細菌、さらに血液や嘔吐物などの浸透を防ぐディスポタイプでございまして、ある程度の耐久性がございます。複数回の使用も可能でありまして、10回程度の洗濯は可となっております。

大貫議員:洗濯するっていうんですけど、感染症の場合には洗濯するということでいいんですかね。もっと消毒をきちっとしなきゃいけないというのと、ディスポタイプというのは1回ごとに捨てないといけないんじゃないかと思うんですね。洗濯をした場合、排水はどうするんですか。

上原安全管理局長:お答えします。鳥インフルエンザのようなウイルスが付着した場合ちょっと別でございまして、活動後これを感染症廃棄物としてすぐ廃棄をいたします。それから、ということでございます。

大貫議員:ここに書いてあるように、即刻やっぱり対応すべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。

上原安全管理局長:25番、感染防止衣の個人貸与についての局長措置でございますが、個人貸与等について検討してまいりたいと思います。

大貫議員:個人貸与について検討していくと。それは要するに緊急の対応の防止衣でいいですね。

上原安全管理局長:消防隊員の感染防止衣の個人貸与につきましては、現在救急隊に貸与している同様のものを配付できるように検討したいということであります。

大貫議員:検討というのは具体的に動くわけで、お金がいまない状況だけども、やっぱり隊員の命を守るためにも即やるべきだとおもうんですけれども、いかがでしょうか。

金田副市長:できるだけそれはやりたいと思いますけれども、現下の財政状況ですから、そういうことも加えながらできるだけそういう努力をしていきたいと思っております。

大貫議員:時間ないからいわないけども、やっぱり命の問題ですからね、早くやることを要求します。

緊急輸送路の電線地中化計画を早くつくって災害に備えよ

 最後、電線の地中化について。昨年の決算で、私、電線の地中化、緊急輸送路で電柱が倒れたら大変なことになるんじゃないかということで、各局間で相談するというふうにいってましたけど、具体的になりましたか。

樋高安全管理局次長:先般、確かに委員からご指摘いただきました危機管理の観点からも、緊急輸送路沿道の建築耐震化進めていく、あるいは電線を地中化して電柱を撤去することについては、減災効果が高いものという具合に認識しているところでございまして、関係するセクションにはすでに申し入れを行って、検討しながら促進に努めていきたいと考えています。

大貫議員:それでは、去年の言い方とまったく同じなんですね。私は計画をつくってくれと、あの時言ったんです。計画、なぜ作らないんですか。

樋高安全管理局次長:計画の策定というふうなことは言われましたけれども、その先の計画を私どもが直接つくるというよりは、事業を所管しているところと相談していきたいという趣旨で、この話については申し入れしたいというふうに申し上げたつもりでございまして、その点については、それぞれ申し入れをしているというところでございまして、これからもその点についての働きかけは引き続きやっていきたいということでございます。

大貫議員:所管局というふうにいうけどね、安全管理っていうのはそのおおもとで方向性をきちっとやんなきゃいけないんですよ。そういう意味では、時間がありませんから、この問題については、やはり具体的にいついっかまで相談をして、たとえば今年度中やるとか来年度中やるとかね、まず計画がなければ、地震で物が倒れる、緊急輸送路に電柱が倒れて、動かなかったらどうにもならないという事態だというのに、なんでそういうふうに認識がされないのかね。それが心配なんですよ。だから、計画はきちっと早くつくることを要求します。

樋高安全管理局次長:横浜市の危機管理戦略というのが昨年4月できているわけですけれども、そこにおける私どもの認識として書かれているものがございますが、緊急輸送路の機能確保、これについては図っていきたいということをそこでは明記してございます。ただ、現実の問題として、電線地中化ないしは共同溝の整備というものは莫大な費用がかかるというのはご存知だと思います。そうした面も含めて、何が必要なのかというふうなことを合わせて今関係局と議論させていただいているということをご理解いただきたいと思います。

大貫議員:また、来年やりますから、よろしく。終わります。


新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP