水道局の委託契約でも低入札価格制度を廃止せよ
大貫議員:水道局の委託業務について、質問したいと思うんですけども、いただいた資料では、2008年度では940件で83億円にのぼるっていわれていますね。大変な金額なんですが、私は水道局の委託契約にかかわる低入札価格制度ですね、これがある意味ではというか、私は官製ワーキングプアですね、働いても働いても年収200万以下のそういう層ですね、それを作り出してしまっているんじゃないかと思っているんですけども、局長はどう思いますか。
齋藤水道局長:いま、大貫議員がご指摘された点は、私ども業務を進めるうえで、直接的にそういうようなことがあってはいけないというふうには思っておりますが、現在の契約制度を適正に運用するなかで、そういうことがないように、私どもは努力しているつもりでございます。
大貫議員:ないようにするっていうふうにおっしゃっていましたけども、2008年度、たとえばですね、業務委託、検針とそれから料金整理の業務ですけども、鶴見・神奈川地域で株式会社宅配っていうところが受けて、事業を始めましたけども、この実例でいきますと非常に、たとえばですね、この宅配の場合ではパートのみなさんは789円の最低賃金、これで時給を受けているというふうになっているんですよ。これは、年間にすると百九十数万円ですね。こういう事実があるんですけど、いかがですか。
齋藤水道局長:私どもは具体的に受託企業が従業員に対していくら給与を支払っているのかと、そういうことを知る立場にないというふうに考えておりまして、いまの数字がそうであるかどうかについてはちょっと確認ができないということでございます。
大貫議員:それは、いただいた資料で、そういうふうに聞いているんですね。で、実際にこの場合、年間の人件費は64億なんですけども、この宅配の場合には27億5000万円、これ委託契約受けているんですね。そうすると、当然企業の利益もあるわけですけども、その金額になってしまうわけですよ。
私、一番問題だというのは、低入札価格制度だというふうに思うんですけどね、これはいわゆる行政運営調整局ではもうすでにWTO以外はやらないようになっているんじゃないですか。
齋藤水道局長:私どもは、水道局委託契約に関する低入札価格取扱要領というものに基づいて、必要な場合においては審査をするということをやっております。
大貫議員:先ほどいった横浜市の方は、昨年の11月28日に低入札価格制度は廃止して、最低制限価格制度を導入しているんですね。その理由は聞いていますか。
齋藤水道局長:契約制度が適正に運用されるようにということでやられたんだと思うんですが、具体的に私は直に特に聞いておりません。
大貫議員:そこを聞いていないところが問題なんですね。要するに、低入札価格制度というのはですね、下限がありませんでね、決まっていませんね。そのために、どんどんどんどん、競争によって入札価格、落札価格が下がっていきますよね。そのことは確認してますか、わかっていますか。
齋藤水道局長:いわゆる競争性をただ単に追及していくということだけでは、必ずしもいい契約が実現できないということは承知しておりますし、低入札価格制度もそのためにあるというふうに理解しております。
大貫議員:結局いままでそのために調査価格がありますよね。調査価格をやったとしても、いままで調査価格によって失格になったところないんですね。ほとんどいわれたとおり、どんどんどんどん下がっていくというのが、例えば先ほどの宅配のようにね、時給789円、最低賃金程度でしかないんですよ。こういったときに、そういうなかで、横浜市の方の行政調整運営局の方は、WTO以外は、そういう危険性があるので、低入札価格制度をやめたというんですけどね、水道局もそういうふうにしなきゃいけないんじゃないですか。
齋藤水道局長:いま具体的にご指摘のあった鶴見・神奈川区のメーター検針・料金整理業務委託については、私どもが運用している低入札価格制度のなかで審査をして、契約をするに至りました。その審査の際には、もとより設計金額・設計価格を出す際に、適正な数字になるように、たとえば民間企業の水準を調べたり、さらには業務内容によって雇用形態を意識したような形を前提にした数字を積算をしています。そのうえで、低入札の数字、一定の率を設定しておりますけれども、その率を下回った場合には審査をすると。その審査の際にも、適正な契約が履行できるようなこれまでの実績を踏まえた失格基準というものを設定をしたうえで、それに照らしても判断をしているということでございます。ですから、私どもなりにきちんとした契約と、それからいわゆる人件費についても適正な水準で契約ができているというふうに考えているところでございます。
大貫議員:何回もいうのあれですが、やっぱり低入札価格制度、これはそのために弊害でているわけですよ。実際に宅配の場合、そういう実情で出ていると。
野田市で定めた公契約制度を横浜市でも制定を
これ、副市長にききたいんだけども、野田市では、公契約制度が制定されましたね。その意味はどういう意味持っているんですか。
阿部副市長:私も報道で野田市の取り組みを拝見しました。野田市、今回公契約条例制定したということで、工事を受注する企業に対して一定水準以上の賃金支払いを義務付けるということで、まあ予定価格1億円以上の工事または製造の場合、それから1000万以上工事または製造以外の請負の契約を対象ということで、市長が国の労務単価等を勘案して最低額を定めるという条例だというふうに認識しております。
大貫議員:やっぱり、どんどんどんどん、先ほど水道局がやっている入札方式では、やっぱり賃金が下がってしまうんですね。ですから、公契約条例というのは必要なんですよ。公契約条例によって、一定の金額を横浜市が決めて、それをきちっと確保する。そういうことのなかで契約もすると、こういうことがいま非常に求められていると思うんですね。少なくとも、そこまで私はそれ要求します。しかし、そこまでいかなくても低価格入札制度ですね、これは廃止すべきだと思っています。意見、聞いて終わりにします。
齋藤水道局長:適正な契約制度については常にいろんな角度で検討・研究して、改善すべきところがあれば改善すべき必要があるというふうに考えておりますので、いま委員のご指摘も踏まえまして、今後どういうふうな契約が一番よろしいのか考えていきたいと思います。