2016年6月3日
日本共産党横浜市会議員団
団 長 大 貫 憲 夫
1.はじめに
5月17日から開催されていた第2回定例会は、初日に議会の新構成を決め、本会議、常任委員会の審議を経て、本日、神奈川区の臨海部での新たな研究開発拠点の整備・運営にかんする条例など市長提出の一般議案33件と1件の会計予算補正、議員提案の3本の意見書を賛成多数で可決し、閉会。本日実施された市選挙管理委員の選挙には、候補者を擁立し、議員OBの指定席の実態を批判。議案関連質問を白井まさ子、一般質問を北谷まり、討論を宇佐美さやかの各議員が行いました。
2.議案関連質問
白井議員は、新たな研究開発拠点整備、マイナンバー利用事務拡大、新総合事業(介護)、寿町市営住宅建て替えについて、林文子市長に質問。
新たな研究開発拠点は、神奈川区の守屋・恵比須地区に立地。市は、土地を貸すだけで、あとは民間資本まかせ。この方式では、中小企業や起業家が入居できなくなり、市の中小企業振興基本条例に反すると、事業手法の見直しを要求。市長は「研究開発機能の集積で市内事業活動が活発化し、市内中小企業の振興にも寄与」と答弁。
マイナンバーを小児医療助成事務等に市の判断で利用拡大することに対し、「他の自治体との情報連携に使用されることで、個人情報漏えいのリスクが高まる」と指摘。市長は「法令に厳格な取扱いが規定、システム対策も講じている」と国の言い分を繰り返すだけ。
要支援1・2(介護)に人に対する訪問型サービス(新総合事業の一つ)をホームヘルパーの資格のない人が担うことが10月から可能となります。市は総合事業にかかる費用の伸びを、75歳以上高齢者人口の伸び率実績以内に抑えることを方針としています。そのためにコスト優先で無資格者による新サービスに誘導される危惧を指摘、市長は「本人と相談のうえで、ホームヘルパーを必要としない場合に本サービスを提供」と答弁。
3.一般質問
北谷議員は、米兵犯罪と池子米軍住宅建設計画、オバマ米大統領の広島訪問と市の平和施策、熊本地震と市の防災対策、発達障害児教育、北綱島特別支援学校の存続をそれぞれ取り上げ、行政の役割と責務を果たすよう市長に求めました。
沖縄の元米兵犯罪で、米軍基地の危険が浮き彫りに。横浜市内では、米軍住宅建設事業が池子の森で国によって実施中です。米軍基地の撤去、縮小を求める世論に逆行するとして、これまでの実質的な建設容認姿勢を改めるよう市長を追及、市長は「これまで通り協議に応じる」と答弁。1984年に横浜市会は非核兵器平和都市宣言決議をあげています。しかし、横浜市の非核平和関連施策予算は、昨年度も今年度も27万1千円です。市民向けの平和推進事業は予算上皆無に近く、議会無視の典型です。北谷議員は、日本非核宣言自治体に加盟すること、ポールや垂れ幕で平和都市宣言都市をアピールすること、他都市並みに広島・長崎への市民派遣、平和のつどいや平和展の実施などを提案。市長は平和市長会等のメンバーとして取り組むと答えるだけでした。
国の発表では、横浜市の今後30年以内に震度6弱以上の地震発生確率は78%で全国の都市で最高です。しかし、この認識は市の防災計画には反映されていません。熊本地震とこの危機意識から市の防災政策の抜本的で現実的な強化策を住宅の耐震化、崖地対策の分野で提案、市長は、「住宅の耐震化の取り組みを強化する、総合的な崖地対策を積極的に取り組む」と答弁。
4.請願・陳情審査
学童連協から家賃補助や移転補助に国費投入を求める意見書提出など2本の請願が、民商からは事業者の家族労働報酬を必要経費に算入しないとの所得税法56条を廃止するよう国に意見書提出をもとめる請願が審議されましたが、ともに自公民によって不採択とされました。党市議団は、最終日の討論で、不採択の不当性を告発し、請願内容の正当性を主張しました。
5.議会の新構成について
常任委員会には、大貫議員は温暖化対策・環境創造・資源循環委員、岩崎ひろし議員は建築・都市整備・道路委員、あらき由美子議員は政策・総務・財政委員と議会運営、白井議員はこども青少年・教育委員会副委員長、古谷やすひこ議員は健康福祉・医療委員と議会運営、かわじ民夫議員は国際・経済・港湾委員、みわ智恵美議員はこども青少年・教育委員、北谷議員は市民・文化観光・消防委員、宇佐美議員は水道・交通委員に、県後期高齢者医療広域連合議会議員には、みわ議員が再選出されました。特別委員会では、基地対策に古谷(副委員長)、かわじの2名が所属し、昨年度と同様に米軍基地問題での追及力を保持しました。
以上