2016年5月31日
防衛大臣 中谷 元 様
外務大臣 岸田文雄 様
日本共産党神奈川県委員会 委員長 田母神悟
日本共産党神奈川県会議員団 団長 井坂新哉
日本共産党横浜市会議員団 団長 大貫憲夫
5月16日の朝日新聞横浜版は、横浜港の米陸軍施設の横浜ノースドックとその周辺で、大型連休中の4月29日に米空軍横田基地所属のヘリコプターUH1が、日本側へ通知せずに特殊訓練をしていたと報道した。同紙によれば、在日米軍司令部は、空軍横田基地のヘリUH1がノースドックで訓練をしたと回答し、さらに4月25日にも昼と夜に同型ヘリが訓練したことを公表した。在日米軍によると、この訓練は特殊任務飛行班によるもので、夜間は暗視ゴーグルも用いて難易度が高いものとされる。
ノースドックの南西側は観光施設が集まるみなとみらい地区であり、北東側は工場や発電所が、西側には横浜駅周辺の商業施設がある。このような地域でかなりの危険が伴う訓練を行うことは絶対に容認することはできない。
そもそも、横浜ノースドックは港湾施設として米側に提供されたものであり、横浜市も神奈川県も港湾施設であり訓練施設ではないと位置付けている。また、ノースドックの周辺海域を含む上空に訓練空域の設定もされていない。したがって、ここでの訓練は日米地位協定に違反する疑いが極めて強いものと言わざるをえない。
さらに、米軍は主な訓練等については日本側へ事前通報し、情報は国から自治体へ伝えられるのが通例であるが、今回は日本側に訓練の通報はなく、防衛省も横浜市、神奈川県のいずれも一連の訓練を把握していなかったことも問題である。
日本共産党神奈川県委員会は今回の米軍ヘリの横浜港での特殊訓練に強く抗議するとともに、防衛省に対して以下の点を強く要請するものである。
1、防衛省及び外務省は、今回の米軍のノースドック及びその周辺での米軍の特殊訓練について、事実関係を確認したのか、また確認しているのならその内容を明らかにされたい。
2、今回のような訓練施設以外での訓練は絶対に行わないよう米側に要求すること。
3、日米地位協定の抜本的改定は、渉外知事会や神奈川県の県市連絡協議会が毎年の国への要望にも掲げている要求であり、また日弁連も2014年10月に「日米地位協定の改定を求めて」と題する提言を発表している。日米地位協定の運用改善ではもはや対応できないのは明らかである。米側と直ちに日米地位協定の抜本改定に向けた協議を開始されたい。
以上