横浜水道長期ビジョンは「福祉の水」の精神で
横浜市議会は15日、追加議案審議のための本会議が開かれ、宇佐美さやか議員が日本共産党を代表して横浜水道長期ビジョンの策定について質問しました。
横浜水道長期ビジョンとは、持続可能な水道事業を行うために20年後から30年後を見据えて将来像とその実現に向けた取組の方向性を示すものです。
水道法では「清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする」と謳われ、横浜市水道事業及び工業用水事業の設置等に関する条例でも「公共の福祉を増進するように運営されなければならない」と規定されています。宇佐美議員は、これらに盛りこまれている「福祉の水」の精神こそ高く掲げなければならない基本理念であるとして、これらについてビジョンに明記すべきと主張しました。
ビジョンでは、「人口や水需要が減少する経営環境にあっても、必要な財源が確保される適正な料金体系に見直され」と明言しています。これは、使用水量が多くなるほど単価が高くなる現在の逓増型の料金体系をやめるということで、圧倒的多数の少量使用者にとって大幅な値上げになることを意味しています。
また、大地震や自然災害への対策があげられていますが、耐震化は2016年度末予定で基幹管路67%、送・排水管24%で、市内管路の総延長9,100キロのうち新年度予算案では110キロの更新耐震化として214億円の計上だけです。
宇佐美議員は水道料金の値上げを心配する市民の声に応えるとともに、水道施設の耐震化を急ぐために2014年に廃止された水道管路耐震化等推進事業への補助金の復活などを国に求めるよう提案しました。
水道局長は、ビジョンの基本理念は水道法を十分基本にしている、水道料金については将来への事業環境の変化を見据えて市民の意見も参考にしながら、検討を進めていく、国への補助金や繰り出し制度の拡充などの要望については大都市水道事業管理者会議等のメンバーとして行っていると答えました。
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