発行物
2015年7月15日

「こんにちは横浜市議団です」7.15号

市立中学で陸上自衛隊演習の見学会
戦争法案の審議中、集団的自衛権が問われる今、なぜ実弾演習見学か?

「こんにちは横浜市議団です」2015.7.15号横浜市緑区の市立中山中学校では、社会科の夏季学習として、8月18日に自衛隊東富士演習場で行われる「富士総合火力演習」の予行演習の見学会を企画し、1年生10名の参加募集(申し込み期限7月3日)を行いました。2014年に続く2回目の企画です。17名が申し込みました。
 「富士総合火力演習」は陸上自衛隊の最大の実弾演習で、一般公開されています。今回、見学対象の予行演習は本番同様の実弾演習で、関係者のみが入場できる非公開の行事です。
 このような実弾演習という自衛隊の行事が、学校の夏季学習としてあたしてふさわしいものかと、疑問の声があがっています。

平和主義に関連する見学と位置付け
 学校で配られた募集要項では、見学会は公民的分野の教科書(育鵬社版)の「日本国憲法の基本原則」の中の「平和主義」に関連するものと位置づけています。しかし、公民的分野の学習は中学3年生で行うため、参加対象の1年生はまだ学んでいません。
 また、教科書では、自衛隊について「憲法の規定と自衛隊の実態との整合性については、今なお議論が続いている」とされています。このような中立性についての配慮が求められる問題があるのに、今回のような見学は中立性を損なう恐れがあるとも考えられます。

市民団体が見学会の中止を申し入れ
 「子ども・教育・くらしを守る横浜教職員の会」(貞光正二会長)は6月25日、横浜市の岡田優子教育長に見学会の中止を求める申し入れを行いました。
 申し入れでは、兵器使用の先に街や生身の人々がいることが想像できない中学生には、単に兵器の威力にだけ魅力を感じさせる可能性がある、社会的な知識と判断力が一層不十分な1年生にこのような演習をみせることは一面的な理解を助長する可能性が大きいなどと指摘しています。
 一方、市教委は何ら問題はないとしています。

担当教諭は予備自衛官
 この見学会の中心になっている社会科教諭は予備自衛官です。予備自衛官とは、普段は社会人や学生としてそれぞれの職業に従事しながら、自衛官として訓練を受け、防衛招集や災害招集などに応じて出頭する特別職国家公務員です。
 今回見学の予備演習は一般公開ではなく、入場券は自衛隊関係者でないと入手できません。
 市教委によれば、昨年は予備自衛官の社会科教諭が自衛隊神奈川地方協力本部市ヶ尾募集案内所に予行演習の問い合わせをしたところ、「席はある」ということで10人が参加。今年は、自衛隊側から「今年はどうでしょう」という話があり、昨年同様に企画したということです。

富士総合火力演習

陸上自衛隊が行う演習の一つで、静岡県御殿場市の東富士演習場で実施されます。一般公開の演習は、陸上自衛隊が行うイベントの中で最も人気があり、戦車やヘリコプター、様々な火砲などによる実弾射撃を間近に見る事ができます。観覧するには入場券が必要で、抽選により入手する事ができます。
  くわしくは、こちら富士総合火力演習のHPをご覧ください。

◇週刊ニュース「こんにちは横浜市議団です」は、原則として毎週水曜日発行です。PDF版は下記からダウンロードして、ご自由にお使いいただけます。なお、ご使用の場合には市議団までご一報いただけると幸いです。
「こんにちは横浜市議団です」2015.7.15号(PDF版)


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