開かれた会議で、先生の調査を尊重した平和憲法に則った教科書採択を
日本共産党横浜市議団は19日、「公正で民主的な教科書採択を実施することを求める申し入れ」を横浜市教育委員会に対して行いました。申し入れには、日本共産党の大貫憲夫団長、岩崎ひろし副団長はじめ9名全員の議員が参加し、教育委員会事務局の齋藤宗明教育次長、古橋正人総務課長、加納浩平委員会担当係長が対応しました。
今年の夏に4年毎実施の中学校教科書採択が行われますが、横浜市教育委員会では教科書採択の基本方針が策定され、教科書の調査・審議が教科書取扱審議会(以下審議会という)へ諮問されました。
横浜市では4年前に、侵略戦争を肯定し国への忠誠を強調するなどの内容の育鵬社の中学校歴史・公民教科書が採択され、それ以前にも戦争を肯定する内容の上に客観的事実に多くの間違いがある自由社の中学校歴史教科書が採択されています。
一方、2006年の第一次安倍内閣発足以降、教育の目標に「我が国を愛する態度を養う」ことなどが盛り込まれ、尖閣諸島と竹島についての領土問題の記述が増え、今年の教科書検定では日本軍「慰安婦」の記述の大幅削除など、「村山談話」「河野談話」で政府が表明してきた過去の誤りへの反省の立場が反映されておらず、看過できない状況です。
また、昨年の教育委員会での教科書採択は無記名投票で行われ、一部の教科で審議会の答申と異なる教科書が採択され、まさにブラックボックスの中で教科書採択が行われたに等しいものといえます。
これらのことなどから、申し入れでは、教科書採択の基本方針に「日本国憲法」を加えること、審議会の教科書調査員に現場をよく知っている教員を増員すること、教科書採択の基本方針に「審議会の答申を尊重すること」を明記すること、市民に開かれた採択とするために会議においては各委員の採択理由を明らかにさせ、投票となる場合には記名投票とすること、希望者全員が傍聴できるようにすることなどを求めました。
白井まさ子議員が申し入れ内容を説明。みわ智恵美議員は、子どもたちの使う教科書が、先生方がしっかり調査・研究したものであって、保護者の信頼に足るものであってほしいと述べました。
齋藤教育次長は、「話は承りました。教育長に伝えます」と答えるにとどまりました。
申し入れ書は、こちら「公正で民主的な教科書採択を実施することを求める申し入れ」をご覧ください。