山下ふ頭を賭博場にしていいのか
日本共産党が山下ふ頭開発基本計画(素案)の白紙撤回を申し入れ
横浜市は、山下ふ頭開発基本計画(素案)を発表し、21日まで市民意見募集を行っています。日本共産党横浜市議団は13日、「山下ふ頭開発基本計画(素案)」を白紙撤回するよう、林文子市長あてに申し入れました。
例示にマリーナ・ベイ・サンズを多用
素案は、山下ふ頭の土地利用を見直し、国内外から多くの人を呼びこむ新たな賑わい拠点として「ハーバーリゾートの形成」を目指すというもの。導入する集客施設として、宿泊、会議、飲食、物品販売、エンターテイメントなどの施設を例示しています。これらの施設にカジノを加えたら統合型リゾート(IR)となります。
ウォーターフロントにおける都市を象徴する大規模な集客施設の例として、何回も出てくるのがIRとして有名なシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ。シンガポールでは、自己申告や家族申告などによるカジノ立入制限者が急増するなど、カジノによる弊害が除去し得ていません。
カジノ立地が前提の素案は問題
申し入れでは、素案の問題点を5つにまとめて指摘。1.開発のゴールをカジノを含むIRとしていること、2.IR導入を前提にした計画のため、カジノ法が成立しなければ計画は一から出直しになること、3.横浜でのカジノは国際観光業の柱とはなりえないこと、4.日本人がカジノの食い物とされること、5.カジノ収益はギャンブルを通じた金品の移動であり「ゼロサム」の経済活動であることです。
その上で、「いくら税収対策とはいえ、多くの市民を破滅においやる賭博場を貴重な港湾の公共用地に開設することは、福祉の増進を使命とする地方自治体が絶対にやってはいけないことだ」と強調し、計画を白紙撤回しゼロベースから検討し直すことを強く求めました。
大貫憲夫団長は、横浜が誇る山下ふ頭を賭博場にしていいのかと主張しました。
港湾局長は、IRを含めて山下ふ頭を今後どうするかということを審議会で審議してもらったものと答え、白紙撤回する考えがないことを明らかにしました。
申入書はこちら「カジノ立地を前提とする山下ふ頭開発基本計画(素案)の白紙撤回を求める申し入れ」をご覧ください。
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「こんにちは横浜市議団です」2015年5月20日(PDF版)