議会・委員会のたびに支給の費用弁償が復活?
調査特別委員会で自民・民主・公明・みんなが賛成表明
いま、横浜市議会で費用弁償を復活させる動きが浮上しています。
「費用弁償は税金の無駄遣い」だったのでは?
横浜市議会における費用弁償は、議員が議会や委員会などに出席するたびに支給されていたもので、2006年に1日1万2000円から1万円に減額され、2007年4月に廃止されました。廃止の理由は「現下の社会情勢、本市の行財政改革への取り組み等を総合的に勘案し、議会の裁量、判断により日額の費用弁償を廃止」というものでした。
当時の新聞には、「横浜市は交通網も発達しており、費用弁償は税金の無駄遣い」(自民のベテラン議員、2007.1.7付神奈川新聞)、「長く続いた制度だが、時代の変化により市民の理解が得られなくなった」(各会派の議員、2007.1.7付読売新聞)と報じられています。
タクシー代?高速代?市民の理解得られるか
ことの発端は、2011年設置の「横浜市会基本条例の制定に関する調査特別委員会」での検討項目として、費用弁償を復活する提案があったことです。その理由は、「通常ルートによる交通手段を設定し、実費相当の交通費を支給すべき」(民主党)、「議員活動の制度的支援(議員活動費、秘書制度、交通費の支給)」(公明党)というものです。
特別委員会の任期終了間際の今年5月の委員会で、議会局からたたき台として示された費用弁償の支給方法について議論。しかし、費用弁償復活の理由については議論されず、いきなり具体的な支給方法を検討するという乱暴な審議方法です。
調査特別委員会は議決機関でないため、今後、議決機関である議会運営委員会でこの特別委員会の議論をベースに検討され、最終的には本会議で議決されます。早ければ9月議会で決まる可能性があります。
「横浜市会基本条例の制定に関する調査特別委員会」5月13日の議論から
費用弁償の支給額案
案1:交通費実費支給
案2:居住地の区分により1,000~3,000円の定額支給
案3:案1、2に加えて日当を支給
各会派の意見
自民党「案1は費用弁償とはあまり言えないような感じ」
公明党「電車がとまってタクシーに乗った場合はどうするのか」
民主党:「(車で来る場合)渋滞解消しようと思うと高速を使う」
みんなの党:「費用弁償については実態に鑑みて支給というのがあり得る」
日本共産党「高い議員報酬と政務活動費がある中で、改めて費用弁償を支給するのはいかがなものか」
どの案がいいか
自民党・公明党・民主党⇒案2
みんなの党 ⇒案1
日本共産党 ⇒復活すべきでない
日本共産党は費用弁償そのものに反対
日本共産党は、横浜の高額な議員報酬(月額95万3,000円)のもとで、費用弁償そのものに反対です。そのため、2006年3月に費用弁償の廃止を提案しましたが、否決されたため、同年4月より受け取り拒否していました。
そもそも、議会基本条例制定の議論のなかで、費用弁償の復活を議論すること自体、筋違いです。議員報酬、政務活動費(月額55万円)、海外視察費など、議員の処遇に関する全体像を議論すべきです。議員のふところにかかわることについて、一度決めたことを数年で反故にし、減額するとはいえ復活させることは横浜市会の見識が問われ、議会の信用失墜と政治不信の増長が危惧されます。
市民のみなさんが議会・議員を厳しく監視することがますます必要となっています。
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「こんにちは横浜市議団です」2013年6月12日(PDF版)