「市第88号議案 平成20年度横浜市一般会計予算」等について、市長は、別紙要領により速やかに組み替えを行い、再提出することを要求する。
2008年3月25日提出
横浜市会議員
大 貫 憲 夫 河 治 民 夫 白 井 正 子
関 美恵子 中 島 文 雄
(別紙)
1 組み替えを求める理由
貧困・格差拡大が進み、市民の暮らしと営業が底が抜けてしまったかのような不安と危機に見舞われている。その解消のために、国でも地方でも行政の果たす役割がますます増しているところである。しかし、国政での自公政権による「構造改革」路線は、財界・大企業応援の一方で、国民には容赦なく増税や社会保障の負担増と給付削減を押し付けるものとなっている。しかも、昨今の原油高・穀物高による生活必需品の値上げやコスト高が、国民の生活、中小企業などの経営をさらに圧迫している。いよいよ、横浜市政が、市民の暮らしと福祉を守るという自治体本来の仕事に真剣に取り組むことが求められている。
中田宏市長は平成20年度を「横浜開港150周年へのカウントダウンの年」とし、予算案で150周年事業について「市政のステージアップの重要な節目にすべき」と、格段の位置づけをし、大規模プロジェクトを新たに着手し、推進している。
しかし、福祉や暮らし、教育などの市民向け施策関連予算は抑え込み、市民要望の強い市営住宅の新規建設はゼロ、小児医療無料化年齢の引き上げと少人数学級実施は見送り、敬老パスや市立病院等分べん介助料の値上げなど「受益者」負担を強めている。
「国際競争力の強化」を名目にして、財界要望にそった高速道路、巨大港湾、羽田国際空港の大型公共事業には、巨費を投入している。
市民の切実な要求を実現するために、次の組み替えの基本方針及び内容により、平成20年度の予算の再提出を要求する。
2 組み替えの基本方針
(1)行政サービスの低下に歯止めをかけるとともに、高齢者福祉などに関する現行のサービス水準を維持するなど、市民の福祉と暮らしを優先した予算に転換する。
(2)小児医療、中学校給食、30人学級などこども施策の拡充と、国民健康保険料の引き下げ、市営住宅などに予算を配分する。
(3)不要不急の大型公共事業を中止し、市債発行を抑制することにより、市財政の健全化を図る。
3 組み替えの内容
(1)不要不急の大型公共事業の凍結・中止等の見直しで新たな財源を生み出し、子育て支援策、市営住宅建設等に振り向け、市民向け施策の拡充・推進を図る。
1)不要不急の大型公共事業等の見直し
みなとみらい21関連事業や、高速横浜環状道路建設事業等の凍結・中止、地下鉄など他会計への繰出金の半減化等、総額269億円の見直しで捻出した、一般財源145億円を以下のとおり、振り向ける。
2)平成20年度に予定している事業の見直しを中止する
(ア)敬老特別乗車証交付事業
(イ)施設への上下水道料金の減免の廃止
3)新たな事業展開と施策の拡充を実施する
(ア)子育て支援の拡充(お産、小児医療、幼稚園保育料助成、小児医療費無料化所得制限の撤廃と年齢引き上げ、学童保育)
(イ)教育条件の拡充・整備(30人以下学級、中学校給食の実現)
(ウ)国民健康保険料の引き下げ
(エ)市営住宅の新規直接建設
(2)不要不急の大型公共工事の凍結・中止で市債発行を抑制する
上記(1)1)大型公共事業の凍結・中止等の見直しの一方、(1)3)の(イ)及び(エ)の公共事業の市債発行もあり、その差額37億円の市債発行を抑制する。