大型港湾MC-4の整備はもう少し慎重に考えるべき
決算特別委員会港湾局の審議で、日本共産党のあらき由美子議員は、南本牧に新たに建設予定のMC-4の必要性について質問しました。
MC-4は、南本牧ふ頭に建設予定の、コンテナ貨物の増加やコンテナ船の大型化に対応した大水深の高規格コンテナターミナルで、巨額の建設費用を要します。
あらき議員は、横浜港からの輸出量が減っており、特に輸出量の34%を占める自動車関係の輸出量が減っていること、特にアメリカ向けの落ち込みが大きいこと、現状でも大型コンテナの寄港はまれであること、日産自動車はじめ自動車産業が生産拠点を海外に移し始めていることなどを、数字を示して明らかにしました。
また、売上高世界一の海運企業マークスラインの最高執行責任者モルテン・エンゲルストウト氏が、「超大型船はどの地域に就航させるのか」との新聞社の問いに、中国、香港、マレーシア、シンガポールなどの名前をあげていますが、横浜港は入っておらず、「日本市場が大きな市場で、我々にとって重要だとしても、成長は中国にはかなわない」と述べていることを紹介しました。
そのうえで、あらき議員は「これでMC-4を着手するという方向性を出すこと自体、私は非常に危険な考えだと思う」と述べ、「(高規格の港湾整備は)今の時点でとどまるべき、もう少し慎重に考えるべき」と主張しました。
港湾局長は、船が大型化しているのに伴い岸壁の混雑や用地不足が起きており、大型コンテナ船を横浜港で受け入れないとなれば通過されてしまう、非常にテンポは遅いが景気は回復してきているとして、MC-4の必要性を強調。また、鈴木信哉副市長は、「厳しい部分があるが、だからといって何もしないのではなくて、逆にこういう状況だからこそしっかり成長につながるような手を打っていくことが、横浜の経済の発展につながっていく」として、世界の超大型船化の流れに合わせてMC-3とMC-4を一体で運用していくことが必要であると答えました。
◎あらき議員の質問と答弁はこちらをご覧ください。