横浜市の古谷やすひこです。通告に従って、阿部広域連合長に順次質問いたします。
「社会保障と税の一体改革」で廃案になりそこねた後期高齢者医療制度
国会では、昨夜、野田内閣の問責決議が参議院で採択されました。その問責理由の中で、「国民の多くは今も消費税増税法に反対しており今国会で成立させるべきではないという声は圧倒的多数となっていた。最近の国会運営では民主党・自由民主党・公明党の三党のみで協議をし、合意をすれば一気呵成に法案を成立させるということが多数見受けられ、議会制民主主義が守られていない」と述べられ、この決議には、野党7会派と自民党も賛成しています。
またその前には、消費税増税を含む「社会保障と税の一体改革」関連法案が成立した際、廃止法案が提出される流れになっていた後期高齢者医療制度が、そのまま継続されてしまうことにもなったとも報道で流れています。
そこで、改めて現制度の廃止に向けた進捗の状況、あるいは今後の見通しについて伺います。
あらゆる方法を使って保険料を下げる努力を
この後期高齢者医療制度は、そもそもすべての高齢者から死ぬまで保険料を取り続け、その保険料も際限なく上がり続ける仕組みとなっております。ですから、あらゆる方法を使って保険料を下げる努力をしていかなければなりません。今年度は、また一人当たりの月額保険料が7547円と上がりました。この金額は、一番低い岩手県の3113円の保険料の2.4倍。神奈川県の水準は東京都についで全国で2番目に高い保険料となっております。国民健康保険料は年々上がり、介護保険料も年々上がる一方で、年金は切り下げられ、75歳以上の高齢者の生活はそれでなくとも圧迫されています。
今回の後期高齢者医療制度の保険料を決めてきた過程の中に、どれだけ75歳以上の高齢者の生活実態をつかむ努力をしてきたのか、またその生活実態をどう評価しているのか、伺います。
また、上がり続ける保険料を抑えるためには、国庫負担を増やすような働きかけが必要ですが、当連合会としてどのように働きかけをしてきたのか、また国からはそれに対してどういうリアクションがあったのか伺います。
この夏から短期証発行に踏み込んだ理由は?
次に、短期証の発行について伺います。神奈川県の後期広域連合として、この夏初めて約2000人の方に対して正規の保険証から短期証へと切り替えるとしています。厚生労働省からの各種通達の中で、短期証や資格証の発行について機械的な発行を行うことなく、特別な事情の有無の把握を適切に行ったうえで行うことなどとされています。
そこで伺います。今回なぜ、今まで発行してこなかった短期証の発行に踏み切ったのか、その理由について伺います。そしてその正規の保険証を取り上げた約2000人の方々に対して、「保険料を納付できない特別な事情」などの事情の確認をしたのか、あるいは本人との面接なしに意思表示を確認することなく短期証を発行したのか、伺います。また、面接なしに意思表示を確認することなく発行したというのであれば、その数は何人なのか、伺います。
医療を受ける受療権と滞納整理の問題は別にすべきで、ペナルティーのように本人の弁明も聞かずに、機械的に正規の保険証から短期証へと切り替えてしまうやり方は、結局一番医療が必要な高齢者から医療を遠ざけ、結果的には医療費が増えることにもつながります。保険料滞納への制裁措置として、75歳以上の方の受療権を奪うようなことは許されることではありません。
今回初めて短期証の発行に踏み切った先には、後期高齢者医療制度上での資格証の発行などを行うことに踏み切ろうとしているのかどうなのか、これもまた伺います。
高い保険料に苦しむ高齢者を増やす後期高齢医療制度の廃止を
現制度・後期高齢者医療制度の廃止の日が一日伸びれば伸びるほど、高い保険料に苦しむ高齢者が増えることになります。したがって、現制度の廃止と老人医療制度の復活を要望して、質問を終えます。