“みんなでつくるホンモノの地方自治”に共感
日本共産党横浜市会議員団の大貫憲夫団長と古谷康彦議員は21~23日、静岡県浜松市で開かれた第54回自治体学校に参加しました。政務調査員1人も同行しました。
自治体学校は、“みんなが先生、みんなが生徒”の精神で、自治体問題研究所と全国の地域自治体研究所が中心になって実行委員会をつくり、毎年行っているものです。今年の学校には、全国の地方公務員、地方議員、研究者に加えて浜松市の市民団体を中心とした市民も参加し、参加者数は1000人を超えました。
21日:みんなで力を合わせてホンモノの自治を
21日は、中嶋信学校長(徳島大学名誉教授)の「ホンモノの自治をつくる力を磨こう」と題する開校あいさつから始まりました。
まず、「問題はあなたの地元で起きているんです!」というテーマの全体会が開かれ、浜松市の学校給食の民間委託、東京都大田区の生活保護受給の実態、愛知県稲沢市の商工業者からみた地方自治、大震災被災地・福島の原発被害者の実態について4人のパネリストからの報告のあと、討論が行われました。
次いで、静岡大学の川瀬憲子教授が「『分権改革』と地方財政」のテーマで、国際的にみた日本経済や社会保障、市町村合併の弊害等について、総括講演を行いました。
夜にはナイター企画があり、政務調査員が「生活保護抑制策にどう対抗するか」の企画に出席。生活保護に関して、申請すら受け付けない実態や、生活保護バッシングが当事者に「死んでしまいたい」と思わせるほど心理的影響を及ぼしていること、無料低額宿泊所の問題、福祉窓口への警察官OB配置などについて、全国各地から発言があり、対応策などを交流しました。
22日:分科会・講座
22日は、12の分科会・基礎講座に分かれて勉強しました。
大貫憲夫団長は、「なるほど・ザ・自治体財政」の基礎講座に参加。大阪自治体問題研究所主任研究員の初村尤而氏が、財政は政治と経済の両方が絡み合うもので、「量入制出」ではなくて「量出制入」でなくてはならないなどという講演を行いました。
古谷やすひこ議員は、「脱原発そして再生可能エネルギーの社会へ」分科会に参加。静岡自治労連書記次長の小泉治氏が、浜岡原発の永久停止・廃炉を求める運動などについて、報告しました。
政務調査員は、「住民を遠ざける“大きな自治体”の自治を考える」分科会に参加。政令市での問題や取組、東京都区制度の現状と課題についての報告があり、条例に基づいた新潟市の区自治協議会が住民自治の点で効果を発揮しているという報告に関心が集まりました。
23日:原発はセイフティー機能の不備な車のようなもの
23日は、特別講演「東海地震による浜岡原発のリスク管理を考える」のテーマで、NPO法人APAST理事・事務局長の渡辺敦雄氏が講演しました。
原発開発に関する研究者の目からみると、原発はリスク管理が非常に甘いと指摘。自動車はたいていの人が生涯使うことのないエアーバックシステムに約20万円かけているのに、原発ではその程度のリスク回避策もとっていないと述べました。原発で危ないのは使用済み核燃料であり、1日で福島第一原発1号機級の原発1基では広島の原爆3個分のウランを燃焼し、使用済み核燃料を作っていることになるため、50年後の地球市民を考えるならばリスク管理がきわめてずさんだと述べました。
最後に、3人の参加者から感想が述べられたのち、来年の自治体学校の開催地である新潟で会いましょうという中嶋学校長のあいさつで、3日間の自治体学校が閉会しました。
◎7月22日付しんぶん赤旗に、第54回自治体学校に関する記事が掲載されています。こちらをごらんください。