犯罪人として前科をつける条例改正は慎重の上にも慎重に
2012年横浜市第2回定例会が、5月31日から6月21日までの会期で開会されました。31日には、横浜市廃棄物等の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例の一部改正案が提出され、大貫憲夫議員が日本共産党を代表して質問と討論を行いました。
この条例改正案は、資源物を登録業者以外が持ち去った場合に、持ち去らないように命じることができるとし、その命令に従わなかった場合20万円以下の罰金を科すというもので、温暖化対策・環境創造・資源循環委員会から提案されたものです。
大貫議員は、罰金刑で持ち去り抑制効力はあるが、市民を犯罪人として履歴に前科をつけるという重大かつ危険な側面があるため、条例改定にあたっては慎重の上にも慎重を期さなければならないと指摘しました。
同委員会は条例提案に先立って集団回収を行っている団体にアンケートを行っています。大貫議員は、このアンケートは設問内容も数もあまりにも不十分であり、広範な市民の意見を聞くべきではないかと述べました。
さらに、大貫議員は、一番困っているのは集団回収による古紙を登録業者以外の業者が持ち去ることだと思うが、実質的にはホームレスのアルミ缶持ち去りに焦点が当たり、ホームレスの生活の糧を奪うことになるのではないかと質問しました。
同委員会の鈴木太郎副委員長は、議員として日頃から市民の苦情や対策を求める声を聞いており、アンケートは追加的に行ったものであり、ホームレスの自立支援策は福祉施策として推進することが重要だと回答しました。
大貫議員は、条例改正はアルミ缶収集を生活の糧としているホームレスの人たちに対する配慮を切り捨てることになり、刑事罰の対象を町内会等の集団回収による資源物の持ち去りに絞ることが必要だと主張しました。
採決の結果、自民、民主、公明、みんなの党などの賛成多数で、可決成立しました。