横浜でも住宅リフォーム助成制度の創設を
白井議員:おはようございます。日本共産党を代表して質問します。
国の住宅政策は、住生活基本法に基づき、住生活基本計画があります。今年3月に新計画ができて、住宅の増改築や修繕や模様替えなどの住宅リフォームに関する施策と目標・指標が定められています。内容を説明していただけませんでしょうか。
鈴木建築局長:おはようございます。建築局でございます。よろしくお願いいたします。それではご答弁申し上げます。
住宅の適正な管理および再生という目標の中で、リフォーム実施戸数の住宅ストック数に対する割合を平成32年までに3.5%から6%に引き上げるという指標を掲げております。基本的な施策といたしまして、計画的な維持管理に関するガイドラインの普及など、適切なリフォーム等が行われるための環境整備を行うことなどが示されております。
白井議員:それでは、この国の計画に対して、関係する本市の施策や目標はどうなっているでしょうか。
鈴木建築局長:本市におきましては、地震に強い安全なまちづくりを進めるとともに、高齢者等が安心して暮らしていけるよう、木造住宅やマンションなどの耐震化、マンション等のバリアフリー化を目的とする住宅リフォームに対して助成を行っておりまして、目標につきましては現在中期4か年計画で住宅の耐震化等個々の施策ごとに指標等を示しておりますが、リフォーム全体の考え方、これにつきましては現在策定中の横浜市住生活基本計画の中で検討してまいります。
白井議員:この本市の住宅施策審議する審議会がいま開かれていると聞いているんですけれども、この報告みてみますと、その良質な住宅ストックの形成について議論が行われていたようですが、関係する主な意見、どのようなものだったかお聞きします。
八幡住宅部長:意見としまして、環境対策や耐震化など、既存住宅の性能を向上させる住宅リフォーム等の取り組みを推進し、既存住宅の質を高めることは認められるという意見が出ております。
白井議員:国でも市でもその住宅リフォームの必要性、重視しているということなんですけれども。それでは、建築局として、建設関連産業を支援する役割が当然あるわけですけれども、建設産業の現状、どう認識しておられるんでしょうか。
鈴木建築局長:市内の建設産業につきましては、市民の雇用や地域経済を支える重要な産業というふうに考えております。昨今は、公共事業の縮小や景気の後退によりまして、民間建設投資の減少というものがございます。たいへん厳しい経済環境におかれているというように認識をしております。
白井議員:私も、その建設業者から仕事が減ってたいへん厳しいと聞いているんですけれども、横浜市には中小企業振興基本条例もできていますから、どのような支援を行っているのか伺います。
鈴木建築局長:工事発注において市内建設業者優先というのはもうこれは原則としていま徹底をしているところでございますが、さらに建設関連産業の活性化支援ということにつきまして、財務改善など経営基盤の強化や新分野への進出など経営の多角化を支援するということで、建設業団体が主催する研修会や個別企業に対して専門家の派遣等を行っております。また、22年度からは、新たにWEBを活用した市場開拓、こういったことをテーマとしたさまざまな支援を行っているところでございます。
白井議員:条例ができていても、いま支援うかがいますと、予算の規模みますと100万円ほどとみているんですけれども、その効果なかなかみえてこないのではないんでしょうか。一方、全国でいま、結果的に建設業者の仕事確保につながる制度が広がっておりまして、お隣の相模原市で今年4月から新設した住宅リフォームへの助成制度です。承知されていると思いますが、目的、説明していただけませんでしょうか。
鈴木建築局長:相模原市住宅リフォーム助成事業の目的ということにつきましては、地域経済の活性化や市民の居住環境の向上を図るためということで、特に緊急経済対策として実施をしているというように理解をしております。
白井議員:横浜でもぜひやっていただきたいと思うんですね。国では住宅リフォームを進めるとして、数値目標まで掲げています。本市の住宅政策でも住宅リフォームが重視されているわけです。本市で助成制度を作ればインセンティブとなって、それが需要を喚起することにもなって、リフォームが進みます。リフォームして長持ちさせれば、それだけ廃材が少なくって、環境への負荷が少なくてすみます。この住宅リフォーム助成制度はこのようにたいへん公益性の高いものと思いますが、認識いかがでしょうか。
鈴木建築局長:リフォームをどんどん進めるということが、そのことが結果的に市内企業の方々に対するビジネスチャンスになるということは、我々も全くその通りだというように思っています。しかしながら、リフォームということの内容をみていった時に、その施行者側からの側面だけではなくて、市民サイドといいますかね、家などお持ちの方々側からの事情っていうものを考えないといかんだろうと。その時に、私はそういう中身をみていくと、自己責任においてやらなければいけないようなリフォームっていうのはやっぱり必ずあると思っているんです。そういうものも全部ひっくるめて助成の対象にするということについては、やはりこれは市民の理解を得られない部分があるのではないかなという中で、これまでもたとえば耐震の問題であるとか、エコの問題であるとか、そういう一定のさらに目的性を持った、そういうところに対して助成をしていこうという考え方で取り組んできているところでございまして、その考え方は基本的には変わっていかないのではないかなというように思っています。
白井議員:県内では相模原市でも厚木市でも海老名市など5市を含む9自治体、そして全国では今年6月末の時点で386の自治体にこの助成制度、広がっています。市民の理解得られないということですが、他都市も行われているわけで、他都市に遅れをとらないように調査・検討を始めていただきたいものですが、いかがでしょうか。
鈴木建築局長:これまでも他都市の動向等については把握に努めてきたところでございますし、それぞれ他都市のご事情ご判断の中で進められているということだと思っています。今後も必要な情報収集には努めてまいります。
予算を付けて緊急交通路沿道建築物の耐震化を進めよ
白井議員:次に、緊急交通路沿道建築物の耐震化について伺います。我が党は、沿道ビルの耐震改修工事の促進を防災対策の要として位置づけて、目標と計画作りを一貫して主張してきました。2009年度の安全管理局の予算審査で、大貫団長が目標設定と計画立案を求めて、当時の金田副市長が「検討する」と答弁されましたが、どう検討してきたのか伺います。
鈴木建築局長:庁内で検討いたしました結果といたしまして、昨年度耐震診断費用の一部を補助するという制度を創設をしたところでございます。また、本年3月に変更いたしました横浜市耐震改修促進計画ていうのがございます。この中で現在83%の耐震化率を27年度までに90%に引き上げていくという、そういう目標を設定をしておりまして、その目標の達成に向けて現在精力的に取り組んでいるというところでございます。
白井議員:それでは、3月11日東日本大震災がありました。これを受けて計画実施に当たり、どう見直したのか、またその見直内容の周知はどのように行っているのか、伺います。
鈴木建築局長:5月の補正予算を受けましてご承認いただきまして、耐震の改修の設計に要する費用これについては3分の2、工事の関係については3分の1を補助する制度が新たに創設をさせていただきました。また、補助の件数につきましても、予算の件数を2倍に引き上げさせていただきまして、改修促進のための諸々の制度拡充を図ってきたというところでございます。
周知につきましては、この8月に広報よこはまの耐震特別号っていうのがございます。全世帯に配布するわけですが、その中でこういった取り組みについてもご紹介をさせていただいているというところでございます。また、9月には建物の所有者に対して個別に訪問をして、事業の周知を図るという取り組みも開始をしてございます。この訪問にあたりましては、市内の事務所、設計事務所の団体にもご協力をいただいて進めているというところでございます。
白井議員:先ほど説明のあった計画での目標90%ということだったんですが、その最低限120棟の耐震改修が必要としていますけれども、店舗や病院などの特定建築物の改修事業の実績が5年間で10棟にとどまっていて、この数字からみると沿道ビルオーナーの協力を得るのは生半可な姿勢では実現は困難と思うんです。ロードマップを作成したり、ビルオーナーへ啓発したり、改修支援策の拡充が必要と思いますけれども、どんな課題があって、どう取り組むんでしょうか。
鈴木建築局長:まず診断とか工事に対して資金的な問題がやはり出てまいります。さらにはやはりどうしてもその建物所有者の方の耐震化に関する意識が低いということでありますとか、賃貸ビルの場合には所有者とテナントとの間での調整に時間がかかる、あるいはいま先生ご指摘のたとえば病院とかっていう話になりますと、当然使いながらっていう中での対応っていうことになってきます。そういう中でのいろんな難しさっていうのがあるように感じております。
その中ででございますけれども、今年の7月に専門家を派遣して耐震改修の工法や概算の工事費、こういったことの相談に応じる耐震訪問相談員制度というものを新たに創設をさせていただいております。また、特定建築物の実態っていいますか現状、なかなかすべて把握しきれていないというところがございますので、そこにつきましては、先ほどもお答えいたしましたが、直接訪問によって現状の把握に努めているということも今進めてございます。今後、実態の把握の結果も踏まえた上で、個別案件ごとにきめ細かい対応を行いまして、耐震化の促進につなげていきたいというように考えております。
白井議員:東京都は沿道ビルの耐震化を条例化して、基礎自治体と連携して取り組みを加速化しています。本市でも融資制度の創設や、それから助成金の増額などインセンティブのさらなる拡充とあわせて、沿道ビルオーナーに改修計画の立案、そして報告を義務付ける何らかの措置が必要ではないかと思います。見解、伺います。
鈴木建築局長:耐震改修促進、耐震化の促進のためにはやはり建物所有者にみなさんにその必要性っていうものをしっかり自覚をしていただくっていうことがやはり大事なのかなと。その上で必要な対策については基本的にはやはり自らの責任において行っていただくということが必要だろうというように思っています。ただ、なかなかそうは言いながらも難しい部分がございますから、我々もこれまでいろいろ支援をしてきているというところでございます。
この耐震化の問題につきましては、法令上は違反ということにはならないんですよね。既存不適格っていうそういう扱いになりますから、そういう違反のものではない物件に対して、いろいろ義務化をしていくっていうことについては、これはいろいろな議論があります。
ただ、我々も選択肢のひとつとしてそういうものが全くないわけではないというふうには思っておりますけれども、いま申し上げましたように、まずは自らが考えていただくと、それに対する側方支援というのが大事なのかなあと。今年度も予算の拡充等も行わせていただきましたんで、まずはその流れの中で、対応さえていただきたいと。その状況みながらまたその後の対応について検討していきたいというように考えております。
白井議員:状況みながら対応するということですが、やはり予算の拡大が必要と思いますので、小松崎副市長、この点についていかがお考えでしょうか。
小松崎副市長:耐震化の予算ということですけども、総合的な震災対策の考え方を出しまして、それを踏まえて5月補正でお認めをいただいたというところでございます。民間の建築物の促進ということについては、必要な予算の確保と同時に、所有者への周知徹底、いま局長からもご答弁申し上げました。こういったことを両輪で進めてまいりたいと思います。
白井議員:予算の拡充、ぜひ検討よろしくお願いしまして、終わります。