第15回 生活保護問題議員研修会~地域から変える 生活保護をあたりまえの権利に~


日本共産党横浜市議団から、古谷やすひこ議員(鶴見区選出、党市議団団長)と宇佐美さやか議員(神奈川区選出)が参加しました。
【日時】
2024年8月23日(金)10時~16時30分
【場所】
大阪府社会福祉会館 5階501号ホール
〒542‐0012 大阪市中央区谷町7丁目4‐15(電話06-6762-5681)
参加費:1万5000円(資料代込)
【共催】生活保護問題対策全国会議・全国公的扶助研究会
以下、生活保護問題対策全国会議HPより抜粋
基調報告「一部の逆流を乗り越え、生活保護をあたりまえの権利に!」(10:00~11:00)
40年ぶりの物価高騰(2023年3%)が私たちの生活を襲っていますが、生活扶助基準は2013年度、2018年度と計約8%も減額されたまま。保護世帯の生活は厳しさを増すばかりです。また桐生市等での違法な行政が明るみになる一方で、司法の場では、いのちのとりで裁判での前進、自動車をめぐる前向きの判決など憲法25条を生かす市民の反撃が成果をあげています。こうした情勢のもとで議員活動のあり方を考えます。
吉永 純さん
花園大学教授、全国公的扶助研究会会長。福祉事務所24年、ケースワーカー12年の経験を生かし、貧困と生活保護について研究。
特別報告1「群馬県桐生市調査団活動にとりくんで」(11:00~11:30)
2011年からの10年間で、生活保護利用者数、保護率ともに半減した群馬県桐生市。保護費を1日1000円ずつ渡し全額支給しない、警察官OBが申請受付や就労支援で威圧する、民間団体に金銭管理を委託させるなどの驚くべき実態が明らかになって来ています。「桐生市生活保護違法事件全国調査団」のとりくみなどを現地から報告します。
町田茂さん
反貧困ネットワークぐんま事務局。2022年5月まで同副代表。生存権を守るぐんまの会事務局次長。介護福祉士、介護支援専門員。
特別報告2「生活保護世帯の大学生等に対する給付型奨学金の創設について」(11:30~12:00)
生活保護世帯の子どもの大学等への進学率(42.3%)は、一般世帯の進学率(83.8%)のわずか半分。その背景には、生活保護世帯の子どもが大学等に進学すると、その子どもの生活扶助費が停止される扱い(世帯分離)があります。このことで若者が進学を諦めることのないよう、東京都世田谷区は、2024年度から生活保護世帯出身の大学生らに上限50万円の学費・教材費等の実費を支給する独自の給付型奨学金制度を創設しました。制度の創設・運用に関わる職員の方にご報告いただきます。
瀬川 卓良さん
東京都世田谷区・子ども家庭課長。1994年入庁。2018年に玉川保健福祉センター生活支援課の子ども家庭支援を担当。副参事(課長級)に着任、同センター子ども家庭支援課長、介護保険課長、市民活動推進課長を経て2023年から現職。
12:00~13:00 昼食
記念講演「生活困窮者支援の現場から~生活保護制度は使いやすくなっているのか~」(13:00~14:30)
2021年3月に扶養照会の運用が改善され、制度利用への大きなハードルは一見下がったように思われましたが、実際は各自治体で運用の二極化が進んでおり、捕捉率は相変わらず低いまま。あの手この手の水際作戦は依然として存在し、地方では憲法や法律すら飛び越えた「利用者の虐待」といっても過言ではない独自運用が明らかとなっています。困窮者支援の現場からご報告いただきます。
小林 美穂子さん
一般社団法人つくろい東京ファンドスタッフ。1968年生まれ。2009年より生活困窮者支援にかかわる。著書『家なき人のとなりで見る社会』(岩波書店)、共著『コロナ禍の東京を駆ける』(岩波書店)。
リレー報告とディスカッション「明日からできる、ここまでできる 議員活動最前線」(14:40~16:30)
生活保護問題にとりくむ地方議員の方々も増え、各地で熱心な議員活動がおこなわれています。その一方、生活保護の申請同行などの正当な議員活動を問題視しバッシングするような地方議会もあります。議会での質問や地域でのとりくみの中で制度や運用の改善を実現した経験、裁判や地域の運動をつうじて不当な抑圧とたたかった経験を交流し学び合うことで、全国の生活保護行政の底上げをはかりましょう。
小椋 修平さん
東京都足立区議会議員。1974年生、英知大学卒。派遣社員、衆議院議員秘書などを経て07年より5期目。現在も困窮者支援団体スタッフとして現場を奔走。生活保護の扶養照会の実態を明らかにして改善につなげた。
青木 恒子さん
奈良県香芝市議会議員(1期目)。こども食堂を始めて8年目。生活保護の議員同席問題に関する議会質問が発端で議会への出席停止処分を受け、現在裁判闘争中(2024年1月16日、奈良地裁で処分を違法とする勝訴判決を得るが、市側が控訴)。
上村 正朗さん
新潟県村上市議会議員。新潟県庁の生活保護担当係長・ケースワーカー歴計13年、新発田市・生活困窮者支援相談員5年弱を経て2020年4月から現職。議会で福祉事務所の体制や業務のあり方について質問をし、 県内の福祉事務所のHPや自動車保有状況等の調査をふまえた申入れに取組んできた。
進行:尾藤 廣喜さん
弁護士、生活保護問題対策全国会議代表幹事。1970年、厚生省入省。1975年、京都弁護士会に登録後、数々の生活保護裁判を勝利に導いてきた。日弁連・貧困問題対策本部副本部長。