○谷田部孝一副委員長 次に、大和田あきお委員の質問を許します。
◆大和田あきお委員 大和田あきおです。日本共産党を代表し質問いたします。 能登半島地震で被災された方々へお見舞いを申し上げるとともに、災害対策の重要性を痛感しています。1月1日の最大震度7の能登半島地震では、石川県で当初およそ400か所の避難所に3万人余りが避難しており、断水や停電が続き、自宅にとどまる人や車中泊をしている人も多くいました。そこで、能登半島地震について、被災地では予定していた福祉避難所の多くが開設できなかったと報道されています。 まず、局としてこの事態をどう見ているのか、伺います。
◎内田地域福祉保健部長 報道等によりますと、今回の地震で能登半島において開設できなかった福祉避難所は約6割で、その原因は施設の損壊、ライフラインの停止、施設職員の人手不足とされています。同様の被害が横浜で発生した場合、本市の福祉避難所についても同じような状況になることが想定されます。今後の発災に備え、事業者や関係機関とともに検討を進めていきます。
◆大和田あきお委員 このような大規模災害時には、福祉避難所自体の損壊や係る職員の被災など想定を上回る事態となっています。改めて、福祉避難所は何のために設置されるのか、伺います。
◎内田地域福祉保健部長 大規模災害によって甚大な被害が発生し自宅で生活できなくなった場合、市内の小中学校などの地域防災拠点で避難生活を送ることになります。高齢者、障害児者などの要援護者のうち体育館などでの避難生活に支障がある方には各拠点内に要援護者向けのスペースを確保することになっていますが、それでも避難生活が難しい方のための二次的避難所として福祉避難所を設けています。
◆大和田あきお委員 このような状況で特に障害者や高齢者などの要援護者への迅速な支援体制が求められると思いますが、そこで、福祉避難所が必要な要援護者はどれぐらいいるのか、また、本市の福祉避難所の確保数と受入れ可能人数を伺います。
◎内田地域福祉保健部長 各区に配付している災害時要援護者名簿の掲載者数は約17万人です。これらの方々には、先ほど述べましたように、発災時は一旦地域防災拠点に避難していただき、生活状況や健康状況を確認した上で福祉避難所への避難となりますので、正確な数値の把握は現時点では行えませんが、現在、本市では福祉避難所を557か所準備しており、受入れ可能人数の合計は1万5761人です。
◆大和田あきお委員 ありがとうございます。能登半島地震では福祉避難所が不足し、一時避難所などに滞在せざるを得ませんでした。災害時、福祉避難所が損壊し不足する事態が考えられます。 そこで、全市を挙げて福祉避難所の確保と拡充に当たるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎内田地域福祉保健部長 区役所と継続して福祉避難所の拡充に努めており、地域ケアプラザや特別養護老人ホームなど社会福祉施設の新設に当たっては、着実に協定締結を進めてきました。引き続き、福祉施設に対して丁寧に説明するなどの積極的な働きかけを行い、福祉避難所の増加につなげていきます。
◆大和田あきお委員 今回の能登半島地震の教訓からですが、災害関連死を防ぐためにも福祉避難所の確保と拡充が重要です。今後、事前に福祉避難所を増やすなど体制強化を重視することが必要だと考えています。 そこで、福祉避難所として発災時の役割を果たすために日頃から訓練が必要ではないでしょうか。本市の557か所ある避難所の日常訓練状況について伺います。そしてまた、提案としてですが、福祉避難所で当事者も参加する訓練を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
◎内田地域福祉保健部長 福祉避難所情報共有システムを活用した情報受伝達訓練を横浜市社会福祉協議会と連携して年2回行っています。また、一部の区では区域の福祉避難所となっている施設との訓練も行っています。引き続き、様々な状況を想定した訓練ができるよう支援していきます。
◆大和田あきお委員 今おっしゃられたことも含めて、実際に様々な場合を想定するということが非常に重要だと思います。要援護者の当事者も訓練に関わることが必要ではないかと考えているのですが、そこで、一人一人の要援護者の方が発災時にどう避難するのかの個別避難計画がありますが、現在の要援護者のうちどれぐらいつくられているのでしょうか。
◎内田地域福祉保健部長 令和5年度は、5区の洪水浸水想定区域等にお住まいの災害時要援護者名簿の中から抽出した約5500人のうち約2400人に計画作成の同意をいただきました。このうち、福祉専門職の支援がある方約3000人の計画作成を来年度にかけて進めています。また、福祉専門職の支援がない方には家族に作成してもらうなど、作成方法の検討を進めます。
◆大和田あきお委員 そのような状況の中でですが、個別避難計画がやはり早急に重要視して作成が急がれると思います。そこで、個別避難計画が今十分進んでるのかどうか、やはり不十分ではないかと感じていますので、なぜ十分進んでないのか、確認したいと思います。
◎内田地域福祉保健部長 申し訳ございません、直前の答弁におきまして、福祉専門職の支援がある方が1300人の計画作成と申し上げるところを間違えて3000人と申し上げましたが、1300人と訂正させていただきます。申し訳ありません。ただいまの御質問ですけれども、令和3年5月の災害対策基本法の改正に伴い個別避難計画の作成が市町村の努力義務となりました。国のガイドラインでは、風水害の危険性の高い地域に居住されている要援護者の方に、令和7年度までに作成することを推奨しています。人口が多い本市において一人一人に合った計画作成をスムーズに進めるため、まず、風水害を想定し、令和4年度は鶴見区と港北区の一部でモデル事業を行いました。1件ごとの作成にかかる期間や作成に関わるキーパーソンなどを見極め、計画を一通り作成しました。これを踏まえ令和5年度は対象区を5区に拡大し、計画作成に同意を得た方から、要介護度や生活状況等を考慮し、担当の福祉専門職が御本人や御家族などと作成しています。また、対象者はもちろん計画作成に御協力いただく福祉専門職へ防災知識を含めて説明し御意見を反映したり、区役所から地域の皆様へ事業説明したりするなど、丁寧かつ段階を踏んで進めているところです。
◆大和田あきお委員 今お話を伺って一定の取組があるというのはよく分かりました。しかし、現状を見ますと、やはり福祉避難所について設置数も足りないのではないか、訓練が年2回で本当に十分足りているのかどうか、個別の計画もやはり不十分ではないかと感じでいます。抜本的な改善が必要ではないかと思いますので、局長の御意見を伺います。
◎佐藤健康福祉局長 これまで大きな災害が発生する都度、その検証を踏まえまして本市の災害時要援護者支援に反映してきました。今回の能登半島地震におきましても、特に福祉避難所の開設という観点から避難所そのものが被災してしまっているという状況が起きております。さらには、避難所における要援護者への支援の方法、避難所を選ばずに御自宅を選んで暮らしている方というのも多数いらっしゃいます。そういう方への支援の方法、そういった多くの課題が見えてきたと認識しております。こちらは新たな地震防災戦略を検討する中で、福祉避難所、また個別避難所計画を含めて検討していきたいと考えております。
◆大和田あきお委員 いろいろ政策を伺ってきたのですが、一定の取組はありつつも、やはり今回の能登半島地震の教訓というのをしっかり受け止めることが必要ではないかと思っています。今回の能登半島地震の被災地では、2か月たった今でも寒さと不安の中で厳しい避難生活を送られている方々がいます。今回の被災地での支援活動で問われたのは、災害関連死を防ぎ命と健康を守り抜くためにも避難所の環境の抜本的な改善が必要になっていると、被災者の苦しみに寄り添って、あらゆる手だてを取ることが必要ではないかと実感しています。特に横浜の市民、障害者の方、いろいろな方の意見を伺っている中で、非常に災害に対して不安だという声があります。障害者の方からは、特に移動が困難な障害者に対して、あらかじめ福祉避難所を決めておき、災害で福祉避難所に問題がなければ、最初から福祉避難所に避難させてほしいという切実な要望も出されています。そういう意味でも、障害を持っている方、そして高齢者の声を真摯に受け止め、今後、市民からの要望を踏まえてぜひ検討をお願いし、質問を終わりたいと思います。 以上です。
